2015年01月26日(月)

「『子どもたちよ。食べる物がありませんね』彼らは答えた。『はい。ありません』・・舟の右側に網をおろしなさい」ヨハネ21:5 



愛する主を裏切ってしまったペテロの心は、どんなものだったろう。
暗たんたるもので、深い痛恨と虚無感の中にあったろう。暗く重い
心で、なすすべなく、かつて捨てた網を取り、漁に出た。が、かつ
てはベテラン漁師であったのに、魚は一匹もとれない。惨めで無力
でどん底だった。そんな時、主の方から語りかけが来た。

「食べる物がありませんね」ありのままの自分の状態を認めて告げ
た。「はい、ありません」これがいつも回復への秘訣だ。自分には
無い事を、自らのありのままの状態を、主の御前に正直に言い表し、
認める事だ。愛が無い、忍耐が無い、能力が無い・・。その時「右
側に網をおろしなさい」との指示が来た。

彼らにすれば、誰かは知らないが、その人の言う通りに従い、網を
下ろした。すると網が引き上げられないほどの大漁だった。主の語
られる御声に従う事が大切だ。無力で構わない。主の御声に一歩従
う時、神の力が臨み、みわざを見る。主の方からご自身を現わし、
挫折し、暗い、重苦しい心にあったペテロを回復させて下さった。

「主よ。あなたはいっさいのことをご存じです」と、ペテロはいっ
さいを、何もかもを、今の自分自身をそのまま主に明け渡した。
主は、この砕かれたペテロを建て直し、建て上げ、聖霊に満たして、
宣教のために用いて行かれた。何があっても、どんな失敗があって
も、主の愛は変わらない。あわれみは尽きず、再び、立ち上がらせ
て下さる。
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「ありませんね」「はい、ありません」このような素直な応答がで
きる相手は、主以外にはいない。建前や強がりが何も出てこない中
で主にだけは、自分のありのままを認め、再生を祈ることができる。