2023年05月25日(木)

「ハンナの心は痛んでいた。彼女は主に祈って、激しく泣いた」 Tサムエル1:10 


ハンナとペニンナは二人共、エルカナの妻だった。ペニンナには子
どもがいたが、ハンナには子どもがなかった。一夫多妻には問題が
起きる。エルカナはハンナの方を愛していて、心がハンナにあっ
た。ペニンナはそれを妬み、憎しみはハンナに向き、ハンナへのい
じめとなった。子どもの事で、ハンナをひどくいらだたせるように
した。

子どもが欲しかったハンナは、辛く、苦しく、泣いて食事もできな
かった。エルカナの「あなたにとって、私は十人の息子以上の者で
はないのか」との言葉は、「私にとって、あなたは十人の息子以上
の者」ならまだわかるが、全く何の慰めにもならない。

夫にも理解されず、ハンナの苦しみは頂点に達した。ハンナはペニ
ンナのいじめの被害者ではあるが、ハンナにもペニンナへの羨望、
妬み、怒りがあったろう。双方が苦しかった。当時、不妊は主に祝
福されていないとの迷信があり、それが最も辛かったかも知れな
い。

ハンナはどこにも救いがなく、それゆえ主に追いやられ、徹底的に
祈る事を決心した。感情をぶつけ、号泣し、長く祈り、心を注ぎ出
し、憂いといらだちを吐き出した。主に向き合い、自分に向き合い
、奥底を洗いざらい告げて行った。

そして祭司からの「安心して行き・・」願いが叶えられるようにと
の言葉を受け、ハンナは180度変化した。顔が別人になり、すっき
り平安に、晴れやかになり、食事ができた。心の嘆き、憂い、苦し
みを、主のもとに携える時、主が受け取り、平安と交換して下さ
る。
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人はみな不完全で、心の痛みの解決を探しまわっても見つからな
い。主が傍におられ、常に祈れる恵みに感謝だ。主が聞いてくださ
り、ハンナのようにそこから生きる目的も使命も与えてくださる。