2021年11月22日(月)

「私が苦しみの中を歩いても、あなたは私を生かしてくださいます ・・」詩篇138:7



ある人が神学校を卒業し、若くして田舎の教会に赴任した。さあ、
これからいよいよ、主のための働きだと、期待や希望でいっぱいだ
った。しかし、すぐに厳しい現実にぶち当たった。まず、人が来な
い。なかなか来ない。まれに新しい人が来たと、大喜びすると、す
ぐ去ってしまう。がっかりし、ひどく意気消沈してしまう。

そして、未熟でうまく導けずに、今までいた人々も去って行く事態
となった。そんな中、問題が吹き出し、分裂のようになってしま
い、
極めて苦しい状況に陥った。自分を責め、ひどく落ち込んだ。そん
な辛く苦しい中も、支えになってくれた人がいた。しかし問題がこ
じれに、こじれて、その人も去ってしまった。

ダメージは計り知れなかった。更に、経済的にも行き詰まってしま
った。うつのような状態に陥り、無気力になり、何も出来ず、ぼう
〜と日を過ごしていた。聖書を読む事も、祈る事も出来なかった。
そんな日々が続き、ある時、ぼお〜と御言葉をながめていた。読む
のでなく、ただぼんやり見ていた。

しかしその時「不妊の女よ」の言葉に、不思議に目が留まった。自
分の事ではないか、と思えた。そして「喜び、歌え」と続いた。
「喜びの歌声をあげて叫べ」と。「あなたの天幕の場所を広げ、あ
なたの住まいの幕を惜しみなく張り延ばし」と。「あなたは右と左
にふえ広がり・・荒れ果てた町々を人の住む所とするからだ」。

聖書も読めなかった心に、不思議に御言葉が心に触れた瞬間だっ
た。
御言葉が字づらでなく、心に響いて触れて来た。もう一度立ち上が
らせられた。そして背後に、心配してくれた人々の熱い祈りがあっ
た事を知った。
------------
嘆きうめく心に御言葉はしみ込んでくる。そして自分の中で何かが
生まれてくる。主こそ慰め主、苦しみの中でたましいを力づけてく
ださる。そして生かしてくださる。