2025年11月12日(水)

「『舟の右側に網をおろしなさい。そうすれば、とれます』・・ おびただしい魚のために、網を引き上げることができなかった」 ヨハネ21:6



主が捕らえられた時、ペテロは主を否み、裏切り、弟子たちは主を
捨てて、一目散に逃げた。そして復活の主から、ガリラヤに行くよ
うに告げられた。故郷に戻ったペテロや弟子たちの心はどんなもの
だったろう。どの顔で会えばよいのか。合わせる顔が無い。もう弟
子の資格は無い。

後悔で暗く、心重く、喜びなく、空虚だったろうか。取返しのつか
ない罪を犯してしまい、この時の心情はどんなものであったろう。
なすすべなく、ペテロが唯一自信のある漁に出ると、他の弟子たち
も一緒に出る。しかし魚は一匹も捕れない。ペテロの心は重く、暗
かったろう。

自分の人生の消せない汚点、大失敗が脳裏から離れない。主を裏切
り、主を捨てた自分。しかしそんな彼らに「夜が明けそめた時、イ
エスは岸べに立たれた」。虚しい心で、心身疲労しきった弟子たち
に「右側に網をおろせ」と。それを主とは知らないが、言われる通
りにすると、何と驚くべき大漁だった。

ヨハネが、以前の同じ光景が重なり「主です!」と気づいた。ペテ
ロが主の召しを受けた、あの原点だ。ペテロは一刻も早く主のもと
へ行きたくて、湖に飛び込んだ。主は、三度否んだペテロ、そして
主を捨てて逃げ去った弟子たち、その心の傷み、悲しみ、苦しみ
、後悔をご存じであった。

主が朝食を用意し、ペテロを回復させられた。もう一度立ち上がら
せられた。私たちの信仰人生のどんなに暗黒の局面でも、「夜が明
けそめた時、イエスは岸べに」立っておられる。
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失敗ばかり、欠けばかりを認めさせられる。その度に、主に頼らな
ければ何もできない事も経験する。弱さのまま支えてくださる主が
常に傍らにいてくださる。何と感謝な事だろう。