アル中の父をもって


「父がアル中だったんです。両親は、もういつも大喧嘩。親が、喧嘩してるのしか見た事がないという子供時代でした。
中学生になった頃、何だか父がかわいそうで、私、ずっと父の話を聞いて上げたんです。
もう毎日、夜遅く、 ぐでんぐでんに酔っぱらって帰宅。暴れまくるんです。母に暴力を振るうし、物も壊して、家の中、目茶苦茶。 母、肋骨を折ったりして、大変でした。

離婚話になってたんです。が、私が、お父さんかわいそうだから、私は、お父さんと残ると、言うと、 母が、私を置いては出れないと。結局そのまま。

祖母の家が、すぐ裏なんです。ある台風の日、今でも覚えてるんです。父が、暴れるので、祖母の家に避難してた。 すると、酔っぱらった父が来て、窓ガラスを割り出した。
ガラスが割れて、台風の暴風雨が、ものすごい勢いで、竜巻のように、家の中に入り込んだ。
もう家の中、物は、なぎ倒れて、皆、割れて、家中、目茶苦茶。惨憺たるもの。

近所の人が、悲鳴と怒声、ガラスの割れる音や、大きな物音にビックリして、警察を呼んだ。
そこへ、パトカーが、ウーウー、サイレン鳴らして来て、父が、警察に連れて行かれたんです。子供の時でしたが、もう凄い光景でした。」

Fさんて、感情が、余り表情に出ない。淡々と、今だから、笑いながら話してくれるが、もう、目が点に。
「ようまあ、グレないで。」「ええ、私は、何とかグレないで、来れたんですが、弟はグレました。
今でも、後遺症が残っていて、かわいそうなんですけどね。」 「お父さんの話を聞いて上げてたん?」「ええ、もう、かわいそうなんですよ。中学生の時に、 酔っ払って帰ると、母はもう殴られるし、相手にしないから、父が延々、私に話すんですよ。
だから、ずうっ〜と聞いていた。それが、毎日夜中の3時頃まで。4時までの時もあって、もう次の日、 学校で眠くて眠くて、勉強にならない。
ウダウダ、泣きながら、愚痴や不満なんですけどね。ずう〜と明け方まで、聞いてると、 最後は、「有難う!有難う!!」と言って、父は気持ちよく寝てしまうんです。」

「だからね、学校へ行ったら、もう、何かねえ〜。やってられなかった。同級生が、皆、すごい子供に見えて、 全然合わないんですよ。」

「キャッキャ言っててねえ。皆、楽しそうで、幸せそうでいいなあって。普通の子が、ものすごく羨ましかった。 私なんてね、もう冷めてしまってて。何見ても、聞いても、おもしろくも、何ともないんですよ。 もう、全然、笑えなかった。」

だから、私、結婚はしたが、まともな夫婦関係というものを知らないから、夫婦の関係が築けない。
育児も出来なかったんです。どうしていいか、全くわからないんですよ。
本当に、神様に出会えて、救われました。夫婦や家庭や、育児の事を教えてもらって、 家庭が、建て直されています。もう、本当に感謝で、感謝でならないんですよ。
神様、知らなかったら、もうどうなっていたかと思うと。」

でも、本当に感謝なのです。実がしっかり結ばれ、家庭が建て直され、素晴らしく、建て上げられています。
夫婦が、素晴らしく、仲良くなって、子供達が伸び伸びしてきています。