[印象深い出来事バックナンバー]

つっ張りが溶かされた


引率で初めて参加した、ヤング向けバイブルキャンプ。

足を踏み入れた途端、感じる、あっ、イエス様の世界だ。
この世界には決して無い、独特のイエス様の雰囲気。
何とも言えぬ和やかさ、暖かさ、楽しさ。初めて来たのに、なつかしさを感じるという、不思議な世界。

それは和やかな、くつろいだ、受け入れられた雰囲気の中で、集会が始まる。

「我は勝利、常に勝利、悪魔にも、恐れにもくじかれじ。

我は勝利、常に勝利、内にいます主と共に勝利。」

意味をかみしめながら賛美する。喜びが心に満ちてくる。
受け入れられた雰囲気の中で、心が自由にされ、どんどん満ちてくる。
そこで感じる雰囲気は、一言で表現すれば、「受け入れられている」。神様に、人に、自分が受け入れられていると、確かに感じる事が できる。

一人のヤングも初めて一緒に参加。
一人の牧師先生を「おっさん、おっさん」と、親しく知り合いになる。
「眠いのう。おっさん、キャンプ来る前の日、わし、夜中、ずっと、カラオケ行っとったんじゃあ。」
牧師先生「へえ、一回行ってみたいなあ。」
「おっさん、今度、広島来たら、ゲイバーに連れていっちゃるわ。」牧師先生「はっはっは、そうか。なんや、おもしろそうやな。」 どこまでも、受け入れて下さる。

夜、これがキャンプの醍醐味、若人達、ベッドの内外でずっと深夜中、喋っている。
ヤング氏、うるさくて、イライラして、腹を立て、切れた。「わりゃあー、ええ加減にさらせー。」
怒り爆発して、やくざもどきに、怒鳴り上げた。がなり続けた。
瞬間、水を打ったように、シーン。後は静寂の世界。
ヤング氏「あの時、先生もおったのに、誰も、一人も怒らんかった・・」 ムカムカしていて、喧嘩をふっかけてやろうと、待ち構えていた。それが、誰一人怒らなかったのが、大変なショックだった。

和気あいあいと、楽しい食事中、突如、ヤング氏怒り出した。
何かの会話が気に入らなかったよう。 不機嫌な、険しい顔つき。とげとげしい怒りが顔中に表われている。
一人の青年「何か、僕、悪い事ゆうたんちがう?ごめんな。」「ごめんな。」 「何か言うてたら、ごめんな。」と、しきりに謝る。

突如、ずかずかと、その彼の食事中の席の前に行って、乱暴に座った。
周囲は、平静を装い、まるで普通の顔をして食事をしているが、皆が、かたずを飲んで成り行きを見守っている。
緊迫感が伝わってくる。 吸い物の椀と、お茶の椀が並んでいたが、その吸い物の椀に、お茶をどくどくとぶち込んだ。
ピーンと、周囲の空気が張りつめた。

次の瞬間、その青年は、「有り難う!!感謝します!!」と、その吸い物と茶の混じった椀を、飲み干した。
周囲が、シーンとなった。皆が、心に衝撃を受けた。
ヤング氏は、黙って、椅子から立ち上がり、自分の席に戻った。

2泊3日の間、6回の集会があった。
1回、1回の集会の最後に、信仰の新しい決心をしたい人のために招きがある。
聖霊様が大きく働かれて、どんどん、どんどん大勢のヤング達が毎回、毎回、前に出る。
中学生のまだ小さな子達が、涙を流して、泣きながら、「イエス様の愛が 嬉しい、自分もイエス様の愛に答えたい。」「今まで自分の事しか考えていなかった、悔い改めたい。」 「わがままな生活をしていた。神様に従って行きたい。」「イエス様を信じたい。」との決心。

小さな子供達が、真剣に神様に向き合っている姿に、皆が、自分はどうなのかとの、チャレンジをつきつけられる。
真剣に悔い改めたり、新しい決心をする姿を通して、自分自身にしっかりと、向き合わされる。
聖霊様の大きな働きを見た。

恵みに恵まれて帰宅。翌日が聖日だった。
ヤング氏、教会に戻った聖日礼拝、招きに、泣きながら前に出た。
「本当はキャンプで、前に出たかった。でも、どうしても出れなかった。もう、こんな事していたくない。神様に従いたい。」
神様が大きな奇跡をして下さった。彼の心を愛によって、溶かし、変えられた。

しばらくして、ちょうどそのキャンプを主催し、労して下さった先生が来教。
「あのキャンプは、もうそれは恵まれました。」「あのキャンプは、祈りのキャンプだったんですよ。もう祈って、祈って、祈って、 これ以上祈れないくらい、祈ったキャンプでした。」

ああ、そうなんですね。答えは「祈り」だった。すべては、「祈り」からくるのですよね