夫と妻 その2


一人の婦人。

幼稚園の長男が、最近、反抗する。悪い言葉使いに、母親をばかにした態度をする。 弟をいじめ、いつもイライラしているようだ。
きっと、お母さんが、1才の一番下の子に、かかりきりなので、寂しい。お母さんの愛情を求めているよ。 出来るだけ時間を取ってあげて、よく聞いてあげて、べたべたと抱きしめたらいいよ。

しばらくして、その婦人、「そのようにしたら、ものすごく子供が落ち着いた。
子供がイライラして、挑発的な、攻撃的な態度で来ても、穏やかに、対応してやって抱きしめてやると、 ものすごく心が落ち着いて、子供も穏やかになる。こちらが、意識して努力すると、子供が目に見えて、明るく伸び伸びしてきた。

ところが、子供を受け入れる事が出来た、そのストレスが、夫に向かってしまう。
「はあー?」主人が帰宅するや、ガーガー、ガーガー、主人に向かって発散させてしまう。「?!」
最初は、それでも穏やかな主人も、あんまり、こちらがひどいので怒り出してしまって、大喧嘩になる。
「そりゃあ、当り前よ。」「それは、ご主人が、よっぽどやさしいんだよ。」
「喧嘩売ってるようなものじゃない。」と、皆で。

「主人が、家に帰ってきたら、ものすごく緊張するって、言う。職場より緊張して、疲れるって。」「?!?」
「そりゃあ、かわいそうよ。」「そう、職場でも大変なのに、かわいそう。私が変えられるように、良い妻になれるように、 ひたすら祈ってる。」

朝、デボーションができなかったら、自分のイライラが、夫に出る。
朝に、神様との交わりが日毎に与えられて、自分自身が満たされて、心潤わされて、歩めるようにされたい。
自己中心の、自分に死んでゆけるように、夫に仕えてゆけるように祈ってるんです。


別の婦人。

夫は未信者です。主人も、イライラしている時があって、子供に当たっているのがわかる。
ある日、子供に向かって、怒鳴り散らしている。虫のいどころが悪くて、イライラしてたようなんです。

「物を置きっぱなしにするな!」「ちゃんと片づけろ!」「テレビばかり見るな!」
「勉強せい!」子供は、シュンとしてしまって、泣きべそかいている。
それを見て、もう主人に、腹が立って、腹が立って、「全部、自分の事でしょうがー!!」「自分の都合で、 子供に当たるなー!!」って。
「服は脱ぎっぱなし、靴下は脱ぎっぱなしで。出したまま、何でもかんでも、 その辺に置きっぱなし。
その日も、もう朝から、何もしないで、ゴロゴロ、ゴロゴロ。私は一人忙しいのに! それは、あんたじゃあー!!って。」?!?

それは、主人には言わないですよ。全部、神様に向かって、言いまくった。愚痴も神様に向けると、祈りなんですよね。
そして、神様に向かって、祈っていたら、それが、自己中心の姿が、示されるんですよね。
自分もいつも子供に当たっているのに、自分の事は全部、棚に上げてるんですよね。
主人は何にしても中途半端で、でも、私は、何かに手をつければ、ちゃんと最後までやり遂げてる・・なんて。

いつしか、自分は素晴らしいと、自分の栄光をたたえているんですよ。
ああ、なんて高慢で、恐ろしい姿だろうと、人をさばいて、 責める、罪を示されて。
祈っている内に、「神様、ごめんなさい。」って、悔い改めに導かれるんですよ。

そうしていたら、主人の事が、素晴らしく見えてきて。いつも、私の用で、出る時なんかも、気持ちよく子供をみてくれる。
子供を押し付けられて、嫌だろうに、引き受けてくれる。夜遅くまで、仕事も大変なのに、愚痴もいわずに働いている。

主人の良さがどんどん見えてきて、感謝で、感謝で、感謝に溢れてくるんです。
神様は本当に素晴らしいです。


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