☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆                こうのとりの願い                        2005/11/29 41号           【 分母と分子 】   ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆   11月27日の日曜日、京都で第38回 東洋医学大講演会があった。   講演のテーマは   1〜府民・市民のための鍼灸教養講座〜     予防は最高の治療〜東洋医学の病気予防について〜   2〜鍼灸師のための鍼灸臨床セミナー〜     不妊治療と婦人科疾患 鍼灸医学からのアプローチ   と題してである。 私自身は2のテーマに関心を寄せているので参加したが、講演を聴いていて、 妊娠率のことで理解出来ないことがあった。 私の疑問点を述べる前に、講演会の2日前の金曜日に久し振りに来院された Mさんのケースを紹介しよう。 初 診:2002年8月13日 T・Mさん(S43年) 愁 訴:未妊(結婚 1997年10月) 治療歴:2001年5月 婦人科を受診して診断結果は異常なし。     人工授精7回の後、2002年6月に体外受精1回。 T・Mさんは初めての体外受精が妊娠に至らなかった2ヵ月後、暫く現代医学 の不妊治療をお休みされてアシラムに来院されるようになった。 来院時の問診では、 月経周期:32日〜35日 月経日数:5日〜6日(1日目・2日目の経血にはレバー状の塊あり) 月 経 痛:あり(鎮痛剤服用) 頚管粘液:2日間程度の自覚あり そ の 他:2002年2月、ひどい腰痛を発症したが歩くよう心掛け、腰痛とアゴ      の症状は軽減したが肩こりは変化なし。 取り組み:体創りをメインに鍼灸治療を毎月1回受診。 初診から1年後の2003年8月、体外受精受診。8月12日鍼灸治療。 双子の妊娠が確認された。 素敵なママになっていたMさんが1年半振りに来院されて曰く、 『出血があって入院した時、「一人は大丈夫!!みーたんさんのように元気  な赤ちゃんがやって来てくれる。」と電話で言われた通り、入院中流産し  ましたが、授かった子は本当に元気です。でも、1人じゃ可哀想なので1  歳半になったので、また赤ちゃんを迎えたいです。』 私はMさんの言葉を聴いて寒い1日だったにも拘わらず、とても暖かい日を 過ごすことが出来た。 さて、最初の講演会の話の中で私が理解出来なかったことを述べてみます。 講師の鍼灸師の先生は、不妊専門病院で高度医療を受診されている方々の中 で、鍼灸医療を希望される女性に病院内で治療をされている方である。 私はこのメルマガで何度か述べた筈であるが、現代医学の高度不妊治療は、 先程紹介したT・Mさんを始めとして、私の知る限りでも多くの夫婦に成果 を挙げている事実を知っている。 けれども、私は講師の先生が話された次の言葉の意味が理解出来なかった。 話の内容を要約すると、 『私が鍼灸治療を行っている病院は不妊専門病院であり、現代医学は素晴ら  しい進歩を遂げていますが、妊娠率は50%であり、絶対ではないのです。  だからこそ、不妊の原因が全て解決出来ていない現状では、現代医学だけ  に拘らず、東洋医学・ヨガ・アロマテラピー・心理カウンセラーetc様々な  方法も取り入れています。』   私が分からないのは妊娠率50%の意味である。 私でも理解出来るケースを寺子屋のコンテンツに紹介しているアメリカから 届いた報告で挙げてみましょう。 医療サイドからの応援 東洋医学には不妊・妊娠ライフ・お産・子育ての局面において、素晴らしい 知恵を保持している。その一端を挙げれば、不妊という状況を改善する知恵 がある。頂いたメールを紹介しよう。 『私はアメリカに現在住んでいます。 アメリカの不妊治療の医学界でも針の威力が、ある研究で証明されたという 記事が専門誌 Fertility & Sterility 4月号に載ったそうです。 そのことをとりあげた記事が http://more.abcnews.go.com/sections/gma/healthywoman/gma020416accupuncture.html に載っています。 要約すると、 この研究は、160人の体外受精治療をする女性を対象におこなわれた。 同等にハイクオリティーの受精卵を持っていることが条件160人を、年齢 や他の条件などがなるべく公平になるように、ランダムに2グループに別け ひとつのグループは何もせず、もうひとつのグループには受精卵移植前後に 1回ずつ計2回、血流をよくし子宮にたっぷり血液が流れることを促進する 場所に針治療を施した。 その結果、針をしたグループの妊娠率が圧倒的に高いことがわかった。 針をしなかったグループ80人のうち21人妊娠、26%の確率だったのに 対し、針をしたグループは80人中34人が妊娠、42%という高い結果が でた。 針の効力そのものは、まだまだ神秘の部分が大きいが、権威ある雑誌にこの 研究結果がでたことは注目にあたいする。と、この記事では言っています。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 針に対して日本よりももっと馴染みの少ないアメリカで、権威のある不妊治 療の雑誌に西洋医学と針の威力を併せることで、こういう確かな結果が出た のだという記事が載ったことは、すごいことだと思います。 なんかちょっと嬉しくなってご連絡まで。』 つまり、頂いた報告のように%で表現するには、上記のように分数の分母に は条件と数字が明示され確定しています。 ≪80分の21=26%≫と≪80分の34=42%≫ また、私の師匠である入江正先生は1990年【漢方の臨床】誌に発表された ≪不妊症の診断と治療について≫の論文には、先生が独自に開発された診断 法と治療法(処方方法)を報告されている中に、次のような一文がある。 『私は漢方専門の薬局を営んでいるが、健康な若い女性が不妊症の相談に訪 れるのは非常に少なく、年間で20人に満たない。 現代医学で妊娠させるための様々な技術が開発されたせいか、彼女たちは既 に種々の検査と治療を受けており、卵巣や子宮や夫の精子の数や形など多く の情報を知っている。 つまり、臍から下の検査と治療は完璧なまで受けているのであるが、それで も妊娠しないので口コミで恐る恐る訪れるのである。 東洋医学は最後にすがる藁や蜘蛛の糸としての評価しかないのが現実である が、人間の本質に根ざした医学であるから実に優れた特質もあるのである。 私は従来の東洋医学の診断・治療法と異なる方法を用いて、投薬期間1年以 内に14名中8名を妊娠させたので報告する』  入江先生の妊娠率57%は、投薬期間1年以内という条件と14人という人数の 分母での妊娠率なのです。 つまり、≪14分の8=57%(小数点以下切捨て)≫   メルマガの読者の皆さん達も気付いて居られると思う。 講師の先生が言われた妊娠率50%の分母はどのような条件下なのか?また、 その人数は何名か?を提示せずに、妊娠率50%というのは余りにも無責任な 数字である。 より確率を高めるための模索には、正確な情報処理は不可欠で大事なテーマ であろう・・・。          ☆〜★      メルマガに対し、寺子屋お産塾 《みんなの広場》へ      ご意見を頂ければ幸いです。 ────────────────────────────────── ▼ 『まぐまぐ』を利用して発行しています。( http://www.mag2.com/ )  ■ 発行者 鍼灸師 田中 寿雄  寺子屋お産塾 http://park11.wakwak.com/~hisao-t/index.html ▼ 登録解除はこちらで:http://park11.wakwak.com/~hisao-t/index.html ────────────────────────────────── -【まぐまぐ!からのお知らせ】------------------------------------------- 疲れたお母さんにウォーターオーブンヘルシオを、お腹周りの気になるお父さ んにマウンテンバイクを、年頃の娘にiPod nanoを、受験前の息子に図書券を。 ◎家族で楽しい『懸まぐ!』⇒ http://cgi.mag2.com/c/w/mag?id=728_051129 ------------------------------------------------------------------------