ツボ療法は世界各国で試みられている


妊婦さんが最初に悩まされる症状につわりがあります。症状は軽度から重度の人までありますが、9割近い人に発症しています。しかし、現代医学はほとんどの妊婦さんに発症している“つわり”に対して、決め手となる処置法がありません。つまり、胎児への影響を考慮して積極的には薬物治療を行わないからです。一方、
鍼灸医療による対応は副作用もなく治療効果は、5人のうち4人に症状の緩和がみられ、著効例の割合も5割以上と決して少なくありません。その様な成果を挙げていることから“つわり”に対しては、日本や中国だけに留まらずアメリカ、ヨーロッパ各国の先進国においても試みられています。

“つわり”に対する治療の方法はいろいろありますが、一度も鍼灸治療の経験がない妊婦さんがほとんどであって、不安感が強く尻込みされる人が多いと思いますから、自分で出来る鍼灸治療の最も簡単な方法を紹介しましょう。


仁丹・米粒を使ったツボ治療


内関の位置


仁丹または米粒を手首の関節のひだから肘の方へ約4センチ5ミリ程度上の処で、掌側の手首から肘に向かって走る2本の筋があります。その筋と筋の真ん中に貼付します。この部位は【内関(ないかん)】と称され、嘔気・嘔吐などの症状に使用されるだけでなく、300以上もあるツボの中でも重要視されている経穴(ツボ)です。なお仁丹または米粒は両側に貼付します。簡単な方法ですが効果は一時間もすれば現れる人がいますので、是非試みて下さい。副作用の心配は全くありません。症状の改善が3日間続けば取り除き、再度症状が起こった時には再び貼付すればよいのです。




この様な治療方法を述べると、物事をキチンと納得しょうとする人には軽視され勝ちです。『何故そんな単純な刺激でそのような現象が起こるのか、という根拠の説明もせずに効果があるというだけではナンセンスである。』という見解です。確かに『御説御尤も』です。けれども、東洋医学が創造された過程そのものが、病人の症状をよく観察して、何とか楽になる方法はないものか、と模索を続けながら帰納的に構築されたものです。この医学が科学的に解明されていないから、信じ難いとはいえません。むしろ、現代の科学では解明できる手段を未だ持ち合わせていない、とも言えるのではないだろうか?何故なら医療は結果という実証を伴っているからです。




そこで次の逸話を紹介することにします。
カナダのモントリオール大学教授ハンス・セリエ博士が来日された折に、鍼灸医療の臨床を見学されました。その時同行した某教授に『こんな立派な治療術を、日本では何故もっと積極的に研究しないのか』と質問されたところ、その教授は『鍼灸術には科学性がないから・・・』と答えました。セリエ博士は即座に『鍼灸が治療術として大切な条件は、その真実性と価値がいかにあるかである。この優れた治療術に、もし科学性がないというなら、それはあなた方学者の怠慢である』と、喝破されたそうです。真の学者の面目躍如の指摘ではないでしょうか。

世界にはセリエ博士と同様の研究態度から経穴(ツボ)を利用した“つわり”に対する学術報告があります。イタリアのボローニア大学産婦人科、北アイルランド、ベルファーストの王立大学などをはじめとしてグローバルな状況で研究の対象になっており、いずれの報告も安全で、効果があると認めています。我が国では吉元昭治博士(産婦人科医)は東洋医学にも造詣が深いドクタ−として有名ですが、つわりに【内関】にダイオードを貼付するという治療法を発表され注目されています。




仁丹粒による“つわり”が改善した実例

53歳の婦人が毎月2回程度、健康管理の一環に当院での鍼灸治療を受診されていて、治療後にお嫁さんの“つわり”の話をされた。

『妊娠3ヶ月目になった頃からはじまって10日余り、食べては嘔吐を繰り返して、可哀想でならない。実は今日一緒に来ようと思い声を掛けたけれども、『結婚前に肩凝りがひどく会社の同僚から勧められ、鍼治療を受けた時、痛い思いをしただけで少しも楽にならず、私には鍼治療は合わないようです、今は妊娠中だから特に鍼は怖い』と、話されたという。

この様な経験をされている人には言葉での説得は困難です。そこで仁丹粒を貼付する方法なら、安心して試されるのではないかと考えて【内関】のツボの部位を説明し、その部位に仁丹をバンソウコウで貼るように伝えた。結果は予測以上の成果があり、その日の夕食は嘔吐することもなく、久しぶりに食事ができました、と翌日に本人からお礼の電話を頂いた。

仁丹粒の貼付は“つわり”に対して誰でも同様の効果があると限りません。だからこそ、鍼灸治療では証に応じた処置を行う訳であり、程度によっては繰り返し治療が必要なケースもあります。しかし、私の経験からこの様に仁丹粒を貼付するだけでも三人に一人は何等かの改善がみられています。




妊娠中毒症(つわり)の実例

妊娠初期に吐き気・食欲の減退はよく発症する症状ですが程度が問題です。ひどいケースでは全く食事ができず、 寝込んでしまい入院される妊婦さんもいます。 このような症状のとき適切な鍼灸治療は効果がある場合が多いのです。

妊娠10週目、つわりのため食事ができず、料理も臭いを嗅ぐと吐き気がして、一日中気分が悪いという。今週点滴治療を受けたが改善しない。母親の勧めで来院。鍼治療は初体験であり、しかも憔悴している様子だったので、皮内鍼という3ミリの長さの極く小さな鍼を背中の第八胸椎の外側1.5センチの処に貼付した。腹部にも同様の皮内鍼を貼付したかったが、様子をみることにして、初回の治療は背中の両側のみとした。なお貼付した皮内鍼が苦痛を感じるようなら取り除く様にと伝え、何も感じなければ3日間、貼付しておくように指示した。一週間後来院。『体調が良くなり調子に乗って食べ過ぎ、また、昨日から始まりました』と今回は元気そうに訴えた。前回と同様の治療のみとし、以後、再発はなかった。




つわりに対する処置法には色々あります。
内関への仁丹・米粒の貼付が最も効果的な方法というのではなく、
簡単・安全ですから、まず試みてみる価値が充分にあるという理由からです。
しかし、その効果が不充分なケースでは、鍼灸治療では効果がないのか、
と言えば、決してそんなことはありません。

伝言板の質問コーナーでの書き込みを通してのつわりに取り組まれた症例を紹介しておきましょう。
レスされているゆかりんさんは、ご主人共々鍼灸師であり、九州の福岡市内にて、たんぽぽ鍼灸院を開業されています。

詳しくは寺子屋お産塾の仲間達:鍼灸院・病院・医院・助産院のコンテンツを参照して下さい。




[301] はじめまして 投稿者:ねこバス 投稿日:2000/07/03(Mon)

先生、みなさんこんにちわ&はじめまして。
妹がこの度妊娠いたしまして、いろいろ調べてる内にここへたどり着きました。
そこでちょっと疑問だったので質問させて頂きたいと思います。

ページをいろいろ見て探しましたが答えを見つけられませんでした。
もし私の見方が悪くて、私の質問に対する答えがどこかに載っていたらごめんなさい。

質問:

・妊娠16週目から【三陰交】にお灸をすると言う事ですがこれはせんねん灸でもよろしいのでしょうか?
先生は心地よい刺激の小灸が良い、とおっしゃっていますが小灸は作るの難しいんですよね? 私は自分でやった事有りますが、とっても難しかったです。

・半身浴の時間とか回数とか、どれだけ入れば良いかもし目安になるようなものが有りましたら教えていただきたいのですが・・・。

お忙しいのに、ほんとくだらない質問でごめんなさい
でもがんばって安産にしたい、と姉妹で思っているんです。
ではよろしくお願いいたします


Re: はじめまして 投稿者:ゆかりん - 2000/07/03(Mon)

ねこバスさん、はじめまして。
トトロの世界のような可愛いHNですね。
また、妹さんの妊娠、おめでとうございます。
無事に元気な赤ちゃんが生まれてくる事をお祈りします。

ところでお尋ねの件ですが、やはりせんねん灸よりも直灸の方がベターだと思います。
理由は、きっと妹さんやお腹の中の赤ちゃんは、そっちの方が心地よく感じられると思うからです。

仰るように確かにせんねん灸の方が簡単ですよね。
しかし、お灸をマスターすると今後役に立つことが多々あると思います。
最初は大変かもしれませんが、きっとやっている内に上手になりますよ。
もぐさのひねりを強くし過ぎないのがポイントです。
お近くの鍼灸院を尋ねられて指導して頂けると良いかと思います。

半身浴は、体温よりやや高めの38〜39度位で20分位です。
回数はとくに制限がないと思いますが、1日1回でいいのではないでしょうか?
結構、長く感じるので読書をしたり、赤ちゃんとお話しをしたり工夫してみてくださいね。

妹思いの御姉さんの優しさが、お腹のあかちゃんにも伝わることでしょう。
頑張ってくださいね。でも、頑張りすぎないでください。
ことぶき先生は、体創りに60〜80%くらいで・・・といつも仰ってます。




[310] Untitled 投稿者:ねこバス 投稿日:2000/07/07(Fri)

ゆかりんさん、先日はアドバイスありがとうございました
妹は直灸で頑張ると申しておりました。
これから二人で特訓です!がんばります。
妹のお腹に私の気持ちが伝わると思うと、ますます頑張らねばなりません。。。
自分が妊娠した時にも役立ちますものね♪

ところで、今日はまた別の質問なんですが、先日妹はつわりの治療のため鍼灸院へ行って来ましたが、その翌日逆に調子が悪くなってしまいました。
これはどうしてなのでしょう?

とりあえず仁丹を【内関】に貼っていますが、良くならないようです。
只今妊娠7週目で食欲は普通に有るみたいです。
また吐きそうな感じではあるものの、戻したりしてないそうです。

また口の中は苦い感じがするそうです。
食べても食べなくても気持ちが悪い、と申しておりました。

あまり過保護にしてしまうのもどうかと思いますが
もし何か出来る事があったら教えて頂ければ、と思います。
ちなみに妹は妊娠するずっと前から半身浴を続けていました。


Re: Untitled 投稿者:ことぶき - 2000/07/08(Sat)

『先日妹はつわりの治療のため鍼灸院へ行って来ましたが、その翌日逆に調子が悪くなってしまいました。これはどうしてなのでしょう?』

原因は色々考えられますが、妊娠初期のことでもあり、懇意にされていて妊婦さんの治療経験を多く積まれている鍼灸院を受診されている場合には、問題はないでしょうが、その点はよ〜くお尋ねになって下さいね。

このような嫌なことをどうしてわざわざ書き込みするかと言えば、色々な治療スタンスで実施されているからです。私の師匠の経験豊富な入江先生でさえ、妊婦さんには、細心の注意をされて治療されます。特に妊娠初期のケースでは尚更です。

妹さんが受診された鍼灸院の治療が拙いいうことではなくて、細心の注意が特に必要であるということです。
また、ゆかりんさんからも鍼灸師としてのアドバイスがあると思います。
是非、参考にして下さいね。


Re:ありがとうございました 投稿者:ねこバス - 2000/07/09(Sun)

ことぶき先生早速のご回答ありがとうございました。
先生の仰っていること良く解りました。
妊婦さんの治療経験が豊富かどうかを、キチンと調べて(聞いて)いなかったかもしれません。

つわりの治療をしているかどうか、お聞きし妊娠初期であることを伝え、そちらの先生はいろいろ説明してくださり「やってます。」との答えを頂いたので行ったのですが、治療経験が豊富かどうか聞く必要があったんですね。

その先生の事を信頼していたため、つい”お任せ”状態になっていたかも・・・。(もちろん今でも信頼してますよ)でも、こと妊娠に関する事は良く質問しなければいけないんですね。

今回のことは良い勉強になりました。
聞きにくいですけど聞かなければいけないんですね。

ことぶき先生の貴重なお時間を頂き、ご回答を下さりありがとうございました。
また、ゆかりんさんからアドバイスを頂けたらぜひ、参考にさせて頂きたいと思っています。
今後もいろいろ質問させていただくかもしれませんがよろしくお願いいたします。


Re: Untitled 投稿者:ゆかりん - 2000/07/10(Mon)

ねこバスさん、遅くなってしまいごめんなさい。
妹さんのお役にたてるかどうか解かりませんが、私なりに調べてみましたので参考までに書き込みますね。

もし私が妹さんの立場だったらという仮定ですが、やはりお灸をすると思います。
場所は2箇所です。

まず、ダンチュウというツボで両乳首を結んだ胸骨の真中の所(解からない場合はツボの本などで調べてくださいね)を押して圧痛があれば、そこにお米の半分位の大きさのもぐさで10壮位です。

燃えた灰の上に重ねていると、8〜9壮でジーンと熱さが染込んでくればO.K.です。
それともう1つのツボは丁度そのダンチュウの真裏にあたる神道(シンドウ)か霊台(レイダイ)です。いづれも背骨上にあります。
ここも圧痛があれば同様にやってください。

軽いつわりは、ほとんど一回の施灸で目的を達するようです。
が当院でも前例がない為、効果を実証したわけではありませんのであしからず。
私の友人は7ヶ月までつわりで苦しんでいたそうですが、仕事をしたり気を紛らすと調子が良いと言ってました。参考までに。

ことぶき先生が仰っている様に、妊娠初期と後期の鍼灸治療には特別の配慮が必要ですので当院でも最小限の刺激に留めますので、鍼は避けます。

私も妹がおり、2年前にお産をしました。
9ヶ月でも逆子で悩んでいたのでお灸治療をし(臍帯が巻きついていた事も知らず)、分娩2週間前に戻っていました。

医師からは奇跡だと言われたそうですが、きっと甥っ子に愛情が伝わったんだと思ってます。
ねこバスさんも過保護と言わず、たっぷりの愛情で妹さんと赤ちゃんを守ってあげてくださいね。
また様子を教えてください。




[320] ご報告 投稿者:ねこバス 投稿日:2000/07/14(Fri)

ことぶき先生、ゆかりんさんNo.310での書き込みに温かいご指導ありがとうございました。
今回はゆかりん先生のご指導に対する結果のご報告をさせて頂きたいとおもいます。

”だん中”と”れいだい”に圧痛があることを確認し、10壮づつお灸をしたところ、次の日の朝ご飯も美味しく食べられ、口の苦味、吐き気が消えたそうです。

凄く元気になっちゃった感じです。
ただ便秘をしているので、胃腸はすっきりしないようです。
次の日もう1回同じ所にした後、一日お灸を休んだら、夜中気持ち悪くて眠れなかったということだったので、再度お灸をしました。

そうしたらやはり調子は良いそうです♪♪♪
あまり連続でやっていいか解らないので、今後様子をみようかと思っています。

ゆかりんさんのお蔭で、かなり調子が良さそうな妹を見ることができました。
ありがとうございました。
なんとお礼を申し上げて良いやら・・・(;;)
そしてやっぱりお灸って凄いですね。

ほんとにどうもありがとうございました。又今後も色々ご報告させて頂きたいと思いますので、よろしくお願いいたします。


Re: ご報告 投稿者:こうのとり - 2000/07/16(Sun)

妹さん、良かったね。


贈呈式

ゆかりんさんへ 五つ星★★★★★
妹さんへ優しい気使いをされたねこバスさんへ 五つ星★★★★★
お姉さんの気使いを素直に聞かれたプレママへ 五つ星★★★★★

この五つ星★★★★★はお腹の赤ちゃんが感謝の気持から贈られたものです。
みなさん、おめでとう。





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