いま、日本経済は、深刻な不況に苦しんでいる。近年、不況対策として所得税減税がおこなわれてきたことは皆さんもご存じなことと思います。財政学は、このように身近な経済問題を対象とするだけに、比較的取り組みやすいと考えられる。しかし、所得税減税ひとつをとっても、同じ減税規模であっても、どの程度の所得の人々を対象とするかによって、人々の所得分配や消費にもたらす影響は違ってくる。また、一時的な減税をおこなっても、人々が将来の増税を予測することで、所得税減税の効果が打ち消されてしまうという意見もある。所得税減税が、人々の所得分配に及ぼす影響を調べるためには、所得税制に関する正確な知識が要求される。所得税の減税が、個人消費を拡大するか否かについて考えるためには、様々な経済理論の知識が要求される。したがって、応用経済学としての財政学の学習には、現実の財政制度の理解に加えて、基礎となるマクロ経済学、ミクロ経済学の土台が築かれていなければならない。「学問に王道なし」というように、本格的に財政学を学ぶには、マクロやミクロの学習を終えてからにして欲しい所である。
 とはいえ、なるべくなら最小限の努力でそれなりの成果をあげたいというのが大多数の学生諸君の本音であろう。そこでまず、財政学を学ぶうえで最低限要求される前提条件からみていこう。

◆財政学学習の前提条件
 ミクロ経済学、マクロ経済学、計量経済学の教科書と比べると、財政学の教科書では、出でくる数式やグラフの数ははるかに少なく、必要とされる数学のレベルもそれほど高くないことがわかる。とりあえずは、簡単な連立1次方程式が解けて、1次関数のグラフが描ければ十分である。
 ミクロ経済学の知識としては、入門の段階では消費者の理論を勉強して欲しい。ほとんどの財政学の教科書において、無差別曲線による図解分析にお目にかかることになるからである。財政学の教科書に、無差別曲線そのものについての説明が書かれているケースは、皆無に近い。そこで、ミクロ経済学の教科書を少なくとも1冊は買って欲しい。お薦めの教科書としては、伊藤元重『入門ミクロ経済学』日本評論社、西村和雄『ミクロ経済学入門』が挙げられよう。数学嫌いの読者には前者が、本格的にミクロ経済学も勉強したいという読者には後者がよいだろう。
 マクロ経済学の知識としては、国民所得の概念、国民所得の決定理論、ISーLM分析などを勉強して欲しい。ミクロ経済学とちがって、これらの概念については、最近の財政学の教科書ならば、かなり詳しく解説されている。とはいえ、紙数の関係でかなり説明が省略されているので、より学習を深めるためにマクロ経済学の教科書も買って欲しい。マクロ経済学の教科書のベストセラーとしては、中谷巌著『入門マクロ経済学』日本評論社がある。さらに、その問題集として大竹文雄著『スタディガイド入門経済学』日本評論社が公務員試験の学習に最適であろう。

◆財政学とは
 以上のように財政学を学ぶ前に要求されることはかなり多い。これは、現代の財政学が公共経済学やマクロ経済学などの隣接分野での研究成果を取り入れて発展してきたためである。歴史的にみると、財政学を英語ではPublic Finance(直訳すると公共的資金調達)と言うように、財政学は政府活動に必要な資金を如何にして調達するかを中心的な課題として発展してきた。しかし、現代の経済体制が純粋な資本主義体制から政府部門の役割が拡大した混合経済体制へと移行するにともない、財政学の研究対象も拡大してきたのである。現代では、財政学は公共的資金調達の手段としての租税や公債のみならず、調達した資金をどのような分野に振り向けるべきかという歳出の側面にも関心が払われており、政府の経済活動一般が研究対象となっている。
 この政府の経済活動としての財政の果たすべき役割は大別すると3つに分類される。すなわち、「資源配分機能」「所得再分配機能」「経済安定機能」である。
 財政の資源配分機能とは、民間では全く供給することができないか、あるいは供給不足を生じるような財・サービスを公共部門が提供することを意味している。
 筆者がかって勤務していた桃山学院大学は、国道309号線と310号線に挟まれた位置にある(桃山学院大学は平成7年4月に移転しました・・・)。この国道は、まさに国の道路であり、公共部門によって提供され、その建設費用は税金によって賄われている。したがって、道路を利用する度に料金を請求されるわけではない。一方、通学途中に、マクドナルドのハンバーガーを食べようと思えば、料金を支払わねばならない。国道の費用がハンバーガーと同様に直接利用者から徴収できないのは、国道が一旦供給されるとすべての人々が同時に利用することができ、しかも、その利用者たちから料金を徴収することが難しいからである。江戸時代のように関所をつくって歩行者からも通行料を徴収すればよいが、日本国中の国道に関所を設けて番人を置くと膨大な人件費が必要になるだろう。国防、警察サービスなどの費用に至っては、直接利用者から料金を回収することは、不可能である。
 したがって、純粋公共財と呼ばれる警察サービス、一般国道などの財・サービスは、社会的に必要とされるにもかかわらず、民間では供給されないので、公共部門から供給されることになる。
 民間部門でも供給可能であっても、市場にまかせておいては十分に供給されないために公共部門によって提供あるいは、補助金が支出されるケースがある。大学教育がその典型である。数多くの学生諸君が私学に通っている。私学の経営は、学生の授業料に加えて、国からの補助金で成り立っている。私学の経営に国から補助金が交付されるのは、大学教育にその利益が直接の消費者以外にも発生する外部効果が存在すると考えられるからである。すなわち、大学教育を受けることで学生諸君のさまざまな能力が向上し、その能力を社会で発揮することで、教育を受けた本人のみならず、社会全体の利益に寄与することが期待されているのである。
また、民間企業によって供給されているが、政府によって価格統制がおこなわれているケースもある。電力会社やガス会社は、政府の許可なしに、料金を勝手に引き上げることはできない。電気やガスを供給するには、膨大な初期投資が必要とされるが、一度設備をつくれば新たに必要となる費用は少ない。このような費用逓減型産業では、ある程度まとまった規模の設備の方が効率的な生産がおこなえるため、地域独占が認められている。そこで独占による弊害を防ぐために政府により価格統制がおこなわれるのである。
 財政の所得再分配機能とは、市場経済における個人の能力の格差、教育機会の格差、相続・贈与による初期資産保有の格差などから生じる所得や富の格差を、公共部門が是正することを意味する。
 個人の能力の格差により発生する所得の格差は、税制と社会保障給付によって是正される。わが国の所得税制は、超過累進税率表のもとで課税されている。これは、所得から所得控除と呼ばれる税金をかけない部分を差し引いたものである課税所得に対して、330万円以下の部分に10%、330万円超900万円以下の部分に20%というように、段階的に税率を引き上げていくシステムである。この累進課税のもとでは、所得が高くなるにしたがって、税負担率が上昇することになる。一方、社会保障給付として、低所得者には最低限の生活を保証するために生活保護が支給されている。このような税制や社会保障給付を通じた所得再分配は、現在の先進諸国で一般的におこなわれていることである。ただし、どの程度まで所得再分配をおこなうかは、公平に関する価値判断にゆだねられることになる。公平に関する考え方としては、最大多数の最大の幸福を達成しようとする功利主義的な基準や、社会で最も恵まれない人の厚生を最大化しようとするロールズ基準などがある。いずれにしても、より所得の平等な社会が望ましいというのが一般的な意見と言えるだろう。しかし、あまり所得再分配を強化すると低所得者は、自分の能力以上の所得を保証されるために働かなくなり、高所得者は、高い税率をかけられるために勤労意欲を阻害されることになる。 結果として、完全な所得の平等を達成しようとすると、いわゆる貧困の平等となってしまう。
また、所得再分配政策をおこなうには、国民全員の所得水準を正確に把握することが前提条件となる。しかし、わが国では、クロヨンと呼ばれる業種間の所得捕捉率の格差の問題が存在している。クロヨンとは、サラリーマンは所得の9割を税務署に把握され、事業所得者は所得の6割、農業所得者は所得の4割しか把握されていないという説から名付けられた。このような所得捕捉率の格差の存在は、いくつかの実証研究によって程度の差はあるものの大方の専門家が認めるところである。
 教育機会の格差は、義務教育による初等、中等教育の無償提供や、高等教育に対する奨学金などで是正されることになる。わが国は、学歴社会であると言われる。これは、ある意味では個人の努力次第でより多くの所得や高い社会的地位を占めることができることになるので、公正な社会であると言える。奨学金の提供は、親の所得水準にかかわりなく、勉学の意志を持つ者に高等教育を受ける機会を提供することになる。ところが、この奨学金制度においてもサラリーマン家庭は不利な立場におかれている。奨学金には、所得制限が設定されているが、その基準となる所得の捕捉率に格差が存在するのである。
 相続・贈与による初期資産保有の格差などから生じる所得や富の格差は、相続税や贈与税によって是正されることになる。わが国では、相続税、贈与税が極めて高く、一般のサラリーマン家庭でも相続税の心配をしている人が多い。また、バブルによる地価高騰に伴い、近年相続税・贈与税の減税がおこなわれている。しかし、現実には相続税減税前の段階でさえ、相続税が課税されるケースはまれであった。死亡件数に占める課税件数の割合は、1987年でも7.9%にすぎない。1988年に地価高騰を理由に大幅な相続税の減税がおこなわれたため、1988年では4.6%に課税割合が低下している。これは、相続税の課税最低限がかなり高い水準に設定されているためである。1994年現在、相続税の課税最低限は、基礎控除が4800万円でさらに法定相続人一人につき950万円の控除が認められる。したがって、夫婦子供2人の4人家族の夫が死亡した場合なら7650万円までは、相続税が課税されることはない。さらに居住用の宅地を残した場合には、200uまでの部分が60%減額されて評価されることになっている。このため、普通のサラリーマンが家を一軒と多少の金融資産を残したとしてもまず課税されることはない。しかし、最近の税制改正では、相続税の減税のみが主張され、結果として世代間の相続にともなう資産格差の是正という相続税本来の機能は軽視されている(1999年現在の相続税はさらに減税されてます。詳細は各自調べてくださいね・・・)。
 財政の経済安定機能とは、不況の時に生じる失業や好況のときに生じるインフレに対処するために、公共部門が果たす機能を意味する。
 財政の経済安定機能には、財政制度そのものが内包する自動安定化装置(ビルトインスタビライザー)と公債発行による公共投資や減税といった裁量的な財政政策(フィスカルポリシー)の2つがある。前者は、好況時においては法人税や累進的な所得税が自然増収をもたらすことによって景気を沈静化する役割を果たし、逆に不況期には税収が落ち込むことで税引後の所得が増加し、景気を拡大する役割を果たすというものである。後者は、いままさにバブル崩壊後の日本経済を立て直すために、産業界、マスコミが要求している政策である。
 先頃、細川首相は、景気対策としての6兆円規模の所得税・住民税などの減税と3年後の税率7%の国民福祉税の導入を発表し、連立与党の足並みの乱れから一夜にして撤回した。この幻と終わった税制改革は、景気対策の観点からのみ考えると次のように評価できよう。景気対策の手段としては、減税と公共投資がある。減税や公共投資をおこなった場合、その景気拡大効果は減税された人や公共投資を受注したゼネコンだけでなく、副次的な波及効果がさまざまな経路を通じて生じることになる。たとえば、所得税を減税すれば、税引後の所得が増えることにより、百貨店に買い物に行き、その百貨店の売り上げが伸びれば、百貨店の従業員のボーナスが増えることになり、その従業員がさらに消費を増加されるというように、波及効果が無限に続くことになる。公共投資の場合には、道路や港湾施設の建設をゼネコン各社が受注すると、ゼネコン各社の売り上げが増加し、ゼネコン各社の従業員のボーナスが増加し、消費が拡大する。さらに建設現場の労働者が付近の食堂で昼食をとると食堂の売り上げも増加する。したがって、やはり波及効果が無限に続くことになる。このような波及効果を合計した効果をマクロ経済学では乗数効果と呼んでいる。減税と公共投資の乗数効果を比較すると減税の方が小さくなることが知られている。これは減税は、貯蓄の増加に一部が回されるためである。その意味では、今回の所得税の減税は、景気対策としては効果が小さいことになる。さらに、最近のマクロ経済学の議論では、将来の増税を前提とした一時的な減税政策は、景気対策としては無効であるという見方もある。
以上のように、財政の主な役割を簡単に見てきたが、これ以外にも学ぶべきことは多い、およそ財政に関する諸問題はすべて研究対象になりうると考えてよい。したがって、財政学を学ぶ上では、何よりもまず年金や税制改革、地方分権などの現実の政策課題に興味を持ち、常に新聞や雑誌などで最新の情報を手に入れて、政府刊行物により、財政に関する統計や財政制度に関する正確な知識を身につけて欲しい。

財政学の入門書
 大学における財政学の講義においては、従来の財政学が伝統的に扱ってきた租税論、公債論、経費論を中心とする場合や、近年のマクロ経済学の成果を取り入れた財政政策の理論を含める場合、予算決定における官僚や政治家の役割を分析する政治経済学を含める場合、などの違いがあり、それぞれに応じて採用される教科書も異なってくる。したがって、読者諸君の財政学学習の目的が大学の単位取得のみである場合には、担当者の指定した教科書を購入すべきである。
 しかし、財政学は公務員試験をめざす人々の必須科目となっている。そこで、公務員試験向けの手軽な入門書として次の2冊を挙げておこう。
(1)本間正明・宮島洋『3日間の経済学財政入門』JICC出版、。
(2)藤田晴著『財政』日本経済新聞社、日経文庫、1980年。
 (1)の巻末には財政のキーワードとその解説も掲載されている。(2)は、手軽な文庫サイズの入門書であり、通勤・通学電車の中でも読める。 公務員試験対策には、現実の財政の現状を示す統計データの把握も不可欠である。統計データの把握には、
(3)大蔵省官房企画調査課長編『図説日本の財政』(毎年度刊行)、東洋経済新報社
が有益だろう。
 次に、公務員試験対策としての参考書には
(4)橋本徹・山本栄一・林宜嗣・中井英雄『基本財政学[第3版]』有斐閣、1994年。 (5)能勢哲也『現代財政学』有斐閣、1986年。
(6)山田雅俊・中井英雄・岩根徹『財政学』有斐閣、1992年。
(7)井堀利宏・牛丸聡『基本テキストC財政』東洋経済新報社、1992年。
をお薦めする。(4)は、財政学の伝統的なスタイルにしたがって予算制度、政府支出、租税制度、公債の問題がとりあげられている。さらに地方財政の説明も詳しいので、地方公務員をめざす人に好適である。巻末の練習問題も試験対策に役立つ。(5)は、(4)よりも解説が詳細で、財政学説やミクロ経済学やマクロ経済学の応用としての財政理論の解説が加えられている。(6)は、最適課税論や公共選択論などの最新の理論から、地方分権、税制改革、年金改革などの身近な財政問題まで幅広く取り扱われている。(7)は、理論的な枠組みを踏まえた上で近年における日本の財政問題を平易に解説・分析したテキストであり、各章に設けられたその章のまとめが大変便利である。



 次に、税理士をめざすために大学院への進学を考えている人や、大学の財政学のゼミナールで卒論を書こうとしている人など、より本格的に財政学に取り組もうとする人々に読んで欲しい文献を挙げておこう。
(8)本間正明『ゼミナール現代財政入門』日本経済新聞社、1990年。
(9)貝塚啓明『財政学』東京大学出版会、1988年。
(10)Musgrave,R.A.and P.B.Musgrave,Public Finance in Theory and Practice,5th ed., McGraw-Hill.(木下和夫監修大阪大学財政研究会訳『マスグレイブ財政学−理論・制度・政治−』T,U,V,有斐閣,1983年〜1984年)
 (8)は、税制の問題や財政赤字の問題に加えて、教育問題、安全保障、農業問題など従来の財政学では取り上げられることがなかった問題をも幅広くあつかっており、現実の財政に関する政策課題を検討するには最適の文献といえる。(9)は、ミクロ・マクロ経済学の基礎をマスターした学生や社会人を対象として書かれている。(10)は、アメリカを代表する財政学者による教科書である。
 さらに、高度な内容を含む財政全般の文献を挙げておこう。
(11)井堀利宏『財政学』新世社、1990年。
(12)井堀利宏『現代日本財政論』有斐閣、1984年。
(13)大阪大学財政研究会編『現代財政−理論と政策−』創文社、1985年。
(14)野口悠紀雄『公共政策』(モダン・エコノミックス)、岩波書店、1984年。
(15)貝塚啓明・石弘光・野口悠紀雄・宮島洋・本間正明編『シリーズ現代財政(全4冊)』有斐閣、1991年。
(16)Brown,C.V. & P.M.Jackson, Public Sector Economics, Martin Robertson
& Company, Ltd.1978.(大川政三・佐藤博監訳『公共部門の経済学』マグロウヒル好学社、1982年)
 (11)は、ミクロ経済学の基礎をマスターした読者が財政理論を学習するのに役立つ。(16)は、図解による明解な解説で、最適課税論などの財政理論のエッセンスを学ぶのに適している。(12)は、資産課税に関する理論的分析が詳しい。(13)は、財政学の最近の研究成果が要領よく展望されている。(14)は、年金・医療などの支出面の理論的解説が充実している。(15)は、1990年代の日本財政の直面している課題にそれぞれの分野の専門家が取り組んだ全4冊のシーリーズであり、広く財政問題を考える際の指針として役立つ。
 次に、財政学が中心的課題としてきた租税に関する参考文献を挙げておこう。
(17)本間正明・跡田直澄編『税制改革の実証分析』東洋経済新報社、1989年。
(18)野口悠紀雄『現代日本の税制』有斐閣、1989年。
(19)藤田晴『所得税の基礎理論』中央経済社、1992年。
(20)石弘光『税制のリストラクチャリング』東洋経済新報社、1990年。
(21)八田達夫『直接税改革』日本経済新聞社、1989年。
 (17)は、消費税導入と所得税の減税を柱とする竹下税制改革に関する実証分析をおこなっている。(18)は、土地問題に関する叙述が充実している。(19)は、所得税の制度的な骨組みと戦後の税制の変遷が詳しく説明されており、税理士をめざず
人には特に有益である。(20)は、間接税改革を中心とする税制の再構築を主張している。一方、(21)は、直接税中心の税制改革を唱えている。税制改革の方向性を検討する際には、このような直接税中心の税制改革論と消費税への移行を主張する議論の双方を比較すると学習に役立つ。
 財政学を学ぶ上では、これらの文献に加えて、制度面での理解や現実の財政の現状を示す統計データの把握が不可欠である。
 財政関係の統計データの把握には、
(22)大蔵省官房企画調査課長編『図説日本の財政』(毎年度刊行)、東洋経済新報社
(23)『財政金融統計月報(租税特集)』
(24)『国税庁統計年報書』
が必携資料です。(22)は、豊富な統計資料により、最新の日本財政の現状を捉えるのに有益です。(23)には、わが国の税制の仕組みと歴史的推移が掲載されており、極めて有用です。(24)では、『財政金融統計月報(租税特集)』に掲載されていない細かい税目ごとの税収額(たとえば物品税の課税品目毎の税収額)が入手できます。


上記の文章は、橋本恭之「財政学」(特集スタディガイド経済学)『経済セミナー』472,1994年を加筆修正したものです。かなり前に書いた文章なので、参考文献リストが少し古いけどご容赦のほどを・・・