第5章 交付税改革の検証
 
三位一体改革によるの交付税の影響を検証

第1節 地方交付税の現状
 
p122 図5−1 基準財政需要額、基準財政収入額、地方交付税の推移

2002年度 地方交付税 19.5兆円  
2003〜2007年度  交付税4.3兆円減  三位一体改革

2010年度   17.2兆円   民主党政権下の予算編成
2011年度   18.8兆円


p.123
図5−2 地方交付税と交付税財源

   2002〜2007年度  財源不足の解消へ
   2008〜2009年度  財源不足の拡大   リーマンショックの影響


第2節 基準財政需要額の構造変化
(1)基準財政需要額の構造変化

p128 
表5−3 基準財政需要の構造変化

教育費の増加  厚生労働費の衛生費の増加
土木費の減少

包括算定経費の導入



(2)人口と面積による基準財政需要の推計

基準財政需要の測定単位には人口が採用されているものが多い

中井(1988)   行政費目別に一人当たりの基準財政需要を人口で回帰
          →人口規模によって U字型  逓増型  逓減型

p128  図5−3  一人当たり基準財政需要と人口

p131  図5−4
     表5−3の推計結果を利用して、2006年と2010年度の基準財政需要を比較
     →小規模自治体の基準財政需要は増加   民主党政権による交付税増額

p132 図5−5
    包括算定経費導入は基準財政需要の構造をほとんど変えていない


第3節  基準財政収入の構造変化

中井(1998)   一人当たり基準財政収入と人口には正比例の関係

P136  図5−6
      正比例の関係

P137  一人当たり基準財政収入額の推計結果

     2006、2007は有意だが20010は有意でない、決定係数も低い

    基準財政需要ほど人口との間に明確な関係は成立しない
                     ↓
    人口が少ないにもかかわらず、突出して基準財政収入が多い自治体の存在
      例  群馬県 上野村  ダム

p137   表5−8
       平均額の上昇      財源の拡充
       標準偏差の低下    格差の是正


第4節  まとめ
・地方交付税は三位一体改革で一旦減少するが、民主党政権下に復活
・基準財政需要額も民主党政権下に小規模自治体が増加
・包括算定経費導入の影響は軽微
・基準財政収入額は、人口との間に明確な相関関係は見られない
・財源の拡充と格差の是正