九の段

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九・一の熟語      先頭に戻る
熟 語 読 み 意    味 委 員
九牛一毛 きゅうぎゅういちもう 問題にならないほどわずか。たくさんのなかのごく一部分であること。 なじょ
九死一生 きゅうしいっしょう 全く絶望的な状態のこと。また、そこから助かること。「死」が九分、「生」が一分の状態のこと。ほとんど助かるとは思えないほどの危険な状態のことで、そこから奇跡的に助かることを「九死に一生を得る」という。 なじょ
同上 同上 「癌夢道九死一生の大元旦」橋本夢道

「癌夢道九死一生の大元旦」橋本夢道
竹峰
九仞一簀 きゅうじんいっき 仕事が完成する寸前の最後の努力の大切さをいう。また仕事を完成するために重ねる一つ一つの努力。簀は土を入れて運ぶ竹篭の類で一簀はもっこ一杯の土。 竹峰
九月一日 くがつついたち 大正12年9月1日、関東大震災があった日。

「九月一日叩きあふ火と水と」松澤昭

「九月一日横断歩道に鳩がいる」村井和一

「九月一日十二時の花時計」大石きよ子

「九月一日ごくと冷めたる渋茶呑む」中拓夫

「また九月一日来る秋の蝉」久保田万太郎

「裸火に九月一日の男の子生まる」水原秋櫻子
竹峰
九鬼一族 くきいちぞく 「九鬼一族冬の怒濤の村離れず」九鬼あきゑ 竹峰
九思一言 くしいちごん 九思とは君子が心がけなくてはならない九つの事柄。きゅうし。九思の一言は十分思慮をめぐらして一言いうこと。 竹峰
九十一二 くじゅういちに 「九十一も二もなしそれも夏衣」鬼貫 竹峰
九十一才 くじゅういっさい 「九十一才の寝正月なりしかな」粟津松彩子

「九十一の一をしっかと初硯」富安風生
竹峰
九戸一戸   「九ノ戸の一ノ戸今なし暮の春」安斎櫻子 竹峰
九損一徳 くそんいっとく 蹴鞠をやっても十中九までは損で、得るところはほとんどないということ。転じて、費用がかかるだけで、得るものがほとんどないということ。九損一得。 竹峰
九間一丸 くまいちまる 江戸時代、寛文・延宝ごろの隅田川の船遊びの代表的町屋形船で、金・銀をちりばめるなど豪華な装飾を加えた大屋形を設けたもの。 竹峰
九里一里 くりいちり 「曼珠沙華箱根へ九里の一里塚」川村河邨 竹峰
九輪一輪 くりんいちりん 「九輪草一りんたらぬ名也けり」里桂 竹峰
九重一重 ここのえひとえ 「九重を一重て歩行さゆり哉」乙由

「九重もかたひら雪の一重哉」徳元

「さゞん花は九重ならで一重哉」吉勝
竹峰
       
九・二の熟語      先頭に戻る
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九国二島 きゅうこくにとう 西海道のこと。天長元年以降、九国と、壱岐・対馬の二島から成るために呼ばれた。 竹峰
九月二日 くがつふつか 作者の師である上田五千石の忌日。

「風といふ風哭く九月二日かな」三田きえ子
竹峰
九尺二間 くしゃくにけん 間口(まぐち)九尺(約二・七メートル)奥行二間(約三・六メートル)の家。江戸時代、最も狭い住居の大きさ。転じて、粗末なむさくるしい住居や裏長屋のことをいう。くしゃくだな。 竹峰
同上 同上 「清貧の九尺二間の鬼やらふ」(俳句王国)

「ほそく戸を開け九尺二間は涼しかり」岡田 鉄
竹峰
       
九・三の熟語      先頭に戻る
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九夏三伏 きゅうかさんぷく 夏のうちで、もっとも暑い土用のころをいう。 竹峰
同上 同上 「本尊かけよ九夏三伏郭公」俊屋  (郭公:ほととぎす) 竹峰
九棘三槐 きゅうきょくさんかい もとは中国、周代の朝廷の高官、三公と公卿をいった。三槐九棘。 竹峰
九十三騎 くじゅうさんき 「三浦には九十三騎や墓参り」乙州

「和田殿の九十三騎や浦千鳥」鯉走

「節客や九十三騎の打ち揃ひ」琴二
竹峰
九十三羽 くじゅうさんば 「和田の原や九十三羽の友千鳥」弘永 竹峰
九文三分 くもんさんぶ 「自分史に九文三分の赤い足袋」木谷はるか 竹峰
九月三十日 くがつみそか 「夕暮もつら/\九月三十日哉」鶏口  (鶏の表記は[奚+隹]) 竹峰
       
九・四の熟語      先頭に戻る
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九十四年   「渦より強し九十四年貧乏の母の性」橋本夢道 竹峰
九重四方 ここのえよも 「九重の四方山櫻風もなし」宗碩 竹峰
九日四月 ここのかしがつ 「九日に成て四月の寒哉」蓼太 竹峰
       
九・五の熟語      先頭に戻る
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九重五舎 きゅうじゅうごしゃ 九重は昔中国で王城の門を幾重にも作ったことから内裏の諸殿舎の総称、皇居や宮中をもいう。五舎は昭陽舎、淑累舎、飛香舎、凝花舎、襲芳舎。 竹峰
九月五日 くがついつか 江戸時代の半季奉公人の秋の出替わり日。元禄八年以降は九月十日になった。 竹峰
九十五齢   「九十五齢とは後生極楽春の風」富安風生

「椅子涼し九十五歳の仮眠中」片岡宏文
竹峰
九寸五分 くすんごぶ 長さが九寸五分の短刀。戦場で敵を刺し、また、切腹をする時にも用いられた。鎧通(よろいどおし)。女性が帯にさしはさんだ懐剣。あいくちをいう俗語。 竹峰
同上 同上 「鉢巻や穴熊うちの九寸五分」中村史邦 竹峰
       
九・六の熟語      先頭に戻る
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九十六町 くじゅうろっかちょう 「駿府九十六ケ町絵図鳥雲に」栗田ひろし 竹峰
       
九・七の熟語      先頭に戻る
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九流七略 きゅうりゅうしちりゃく いろいろな学派の書籍。諸子百般の書物。流略。 竹峰
九度七つ くたびななつ 「九たひ起ても月の七ツ哉」芭蕉 竹峰
       
九・八の熟語      先頭に戻る
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九十八度 きゅうじゅうはちど 「湯村の湯九十八度霰打つ」岩崎照子 竹峰
九山八海 くせんはっかい 仏教の世界観で考える、須弥山を中心とし鉄囲山を外囲とする一小世界。山、海の総称。 竹峰
九重八重 ここのえやえ 「九重を八重に飾るや雛の壇」鶴舟

「九重にみたなぬものや八重櫻」諸光

「九重を落武者須磨の八重櫻」休花
竹峰
       
九・九の熟語      先頭に戻る
熟 語 読 み 意    味 委 員
九億九光年 きゅうおくきゅうこうねん 「九億九光年を経し寒椿」斎藤愼爾

「冬青空九億九光年の留守」斎藤愼爾

「蝶になる途中九億九光年」橋 間石
竹峰
九月九日 くがつここのか 陰暦九月九日、重陽の節句の当日。昔、この日を五節句の一つとして、宮廷では天皇が紫宸殿にお出ましになり、宴が行なわれ漢詩などを作り菊酒を賜わった。民間では高い所に登り、菊酒を飲み、婦人は邪気をはらうために茱萸(ぐみ)袋を身につける風習があった。 竹峰

同上

同上

「酒一升九月九日つかひ菊」梅翁

「菊の香は盡せぬ九月九日哉」嵐外

「馬の尾もくれ行く九月九日哉」乙二
竹峰
九十九渦 くじゅうくうず 「九十九の渦を炎天に逆立たしむ」橋本夢道 竹峰
九十九王子 くじゅうくおうじ 淀川尻の窪津を起点とし、紀伊路に沿って本宮、新宮から那智社までの間、おおよそ31町余に一つずつ置いた王子(熊野権現の末社)。九十九所。 竹峰
同上 同上 「紀の国の九十九王子鳥渡る」辻本青塔 竹峰
九十九十   「九十鉄斎九十北斎春の蝿」小澤 實 竹峰
九十九島 くじゅうくしま 秋田県の象潟町、町全体が天然記念物に指定。他には長崎県佐世保の九十九島が有名。

「春浅し九十九島の裏表」結紫蕗山

「象潟や代田に浮ぶ九十九島」遠藤東坡子

「象潟や青田に浮かぶ九十九島」森 重夫
竹峰
九十九度 くじゅうくど 「九十九度通ひてもみん車百合」弘永

「物やある梅にきさあり九十九度」
丈岳
竹峰
九十九夜 くじゅうくや 「九十九夜我も泣しよ磯千鳥」星布尼

「九十九夜聞かぬふりにも水鶏哉」倚彦  (水鶏:くいな)

「九十九夜通ふ損あり一夜鮨」虚舟

「九十九夜水を引たる青田哉」自官(湯沢住)

「せめて十夜何少將は九十九夜」蝶羽

「芍薬や立春よりも九十九夜」儿山(洛)
竹峰


九十九里


くじゅうくり
千葉県中東部の九十九里浜。

「九十九里の一天曇り曼珠沙華」加藤楸邨
「九十九里見ゆる限りは鰯引」松藤夏山
「九十九里の霧に下りいてつばくらめ」古澤太穂
「九十九里の一里の波の寒茜」石原八束
「九十九里浜に白靴提げて立つ」西東三鬼

「九十九里弧のゆるやかに卯波たつ」内山花葉
「九十九里浜南白亀(なばき)川口梅雨はれぬ」石田波郷
「九十九里裸足に地温ありにけり」工藤 進
「九十九里弧をやはらかに冬霞」川越民子
「九十九里それて雁風呂ほしき雨」山田千秋

「九十九里あとの一里は春岬」石田卓造
「九十九里終の一里は南風ぐもり」能村研三
「九十九里一線に寄す土用波」土田祈久男

「大南風九十九里浜撓ひけり」内山照久
「「なめらう」に乾杯九十九里五月」廣島泰三
「冬濤幾重階為す九十九里の間」中村草田男
「身無貝拾ひ九十九里(つくも)の紀元節」北野民夫
「松江(スンキャン)の鱸九十九里の鰯雲」佐藤春夫
「祭馬駆く九十九里一里ほど」内田幸子

「切干大根ちりちりちぢむ九十九里」大野林火
「千鳥も老いも夜明けの素足九十九里」古沢太穂
「サーファーの波の刃渡り九十九里」山内照久
「南風わたる松堂々の九十九里」寺西伸子
「吹かれに来るべつとう時化の九十九里」伊藤白潮

「砂原やあつさにぬかる九十九里」小林一茶
「一鳥も見ず春寒の九十九里」松原ふみ子
「初日さすや波のうねりの九十九里」小杉余子
「早稲田刈り見通しにされ九十九里」松崎鉄之助
「踵沈む陽炎の砂九十九里」宮津昭彦

「秋すでに汀の堅さ九十九里」沢木欣一
「蟹の鋏拾ふ夕日の九十九里」中嶋秀子
「立春の雪に逢ひけり九十九里」和田民子
「浜に立つ七夕竹や九十九里」織部正子
「清明の白波寄する九十九里」内田絢子

「子が凧と太陽を揚げ九十九里」岸原清行
「かぶさるは冬雲のみよ九十九里」松崎鉄之介
「石首魚の一人に釣れて九十九里」松崎鉄之介  (石首魚:いしもち)
「落花生抜く砂飛ばし九十九里」本川晴代
「初騎の影を引きゆく九十九里」大門麻子

「風紋に春の霜置く九十九里」飯田和子
「引き潮の大地かげろふ九十九里」三枝青雲
竹峰
九天九地   「叫天子九天九地に声充つる」高橋健文 竹峰
九分九厘 くぶくりん 十分中九分九厘までの意。ほとんど。 竹峰
九万九千   「京は九万九千くんじゅの花見哉」松尾芭蕉

「花芭蕉九万九千日の知らせあり」渡辺竹子
竹峰
九つ九輪 ここのつくりん 「霧に濡れ実も九つの九輪草」大島民郎 竹峰
九十九髪 つくもがみ 白髪のようすが植物の「つくも」に似ているところからという。「九十九」という表記は、「百」の字から一画とりされば「白」の字となり、百から一をとると九十九になることによる。老女の白髪のこと。また、その人。 竹峰
同上 同上 「けし涼し小町か果も九十九髪」蓼太

「蟲干や地Kも主も九十九髪」孤舟

「芥子すゝし小町か果も九十九髪」蓼太

「肘枕扠こそ除夜の九十九髪」巨石  (扠:さて)

「小町忌の歌膝ゆゆし九十九髪」高橋睦郎
竹峰
九十九草 つくもぐさ コスモスの異称。 竹峰
九十九三 つくもさん 和歌31文字を9、10、9、3文字に区切って書くこと。 竹峰
九十九谷 つくもだに

くじゅうくたに

「九十九谷春行く径消えにけり」水巴

「冬麗の九十九谷に子を育て」井上信子

「老鴬に九十九谷の青谺」伊丹さち子

「月明に九十九谷の山家の灯」八牧美喜子

「柚子は黄に富士を神とす九十九谷」田中水桜

「鶯のこだまの九十九谷かな」川端茅舎

「ほととぎす風孕みゐる九十九谷」渡辺菊子
竹峰
九十九檜葉 つくもひば 金網檜葉の異名。 竹峰
九十九湾 つくもわん 「九十九湾椿の花に洗ひもの」松瀬青々

「ゆく春の波こまやかに九十九湾」
吉屋信子

「花吹雪紺より青き九十九湾」浅賀渡洋
竹峰
九十九夜   「深草少将九十九夜の道花吹雪」杉山文緒 竹峰
九十九折 つづらおり くねくねと幾重にもまがりくねって続く坂道。羊腸。馬術で、坂道などを登るとき、馬をジグザグに歩かせること。 竹峰
同上 同上 「九十九折木五倍子の上に人のこゑ」ももすずめ

「九十九折抜け来て会津楢紅葉」木村三郎

「九十九折雪路配達恋の文」品川鈴子

「青枇杷や九十九折なす島の道」石川桂郎

「山刀伐峠(なたぎり)は九十九折なる薊かな」やまだなつめ

「紅萩や死んで山道九十九折」渋谷道

「探梅や一間上の九十九折」白泉

「今一つ奥なる滝に九十九折」高濱虚子

「芽起こしの風韻きあふれ九十九折」西村博子

「走る霧よどむ霧あり九十九折」早乙女信

「白梅や谷に傾く九十九折」須佐はじむ

「籠坂は若葉ざかりの九十九折」笠原古畦
竹峰
       
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熟 語 読 み 意    味 委 員
九時十時 くじじゅうじ 「九時は九時十時は十時白夜かな」久保田万太郎 竹峰
九分十分 くぶじゅうぶ たいした違いはないこと。大同小異。五十歩百歩。 竹峰
九階十一階 きゅうかいじゅういちかい 「九階草まれに十一階に咲く」田村了咲 竹峰
九月十一日 くがつじゅういちにち 「九月十一日ペンギンのぺたぺた歩き」川村研治

「モナリザ笑み続ける九月十一日」
片山タケ子
竹峰
九月十五夜 くがつじゅうごや 「陰暦の九月十五夜横川に居」星野立子 竹峰