秋の八幡平と後生掛温泉

  

 紅葉も見頃で天気も良さそう、ということでこの土曜は八幡平と決めていた。何十年振りかの山行の真似事もできて申し分がなかった。


玉川ダム

 六時半に家を出発し途中車も少なく順調な走行で、さて何処で朝食にしようか等と考えている内に玉川ダムに到着した。
ここは公園になっていて階段で下りられるようになっているようだ。誰が打つのか時折鐘の音が聞こえた。ここは早々に引き揚げ、宝仙湖の左岸の白い橋を通り八幡平へと向かう。


ガマ沼

 八幡平頂上駐車場までの紅葉には言葉も無くただ「わぁ〜、ワ〜ッ!」の連続。カーブを曲がる度の新たな景観に圧倒されている間に、十時頃には頂上に到着した。
ここからは徒歩、緩い登山道を進み、見返り峠を経てガマ沼分岐点に至る。頂上に向かって左手がガマ沼、右手が八幡沼。写真はガマ沼の南東に岩手山を遠望したところ。岩手山は見返り峠で見る方が裾野へ流れる稜線が美しい。


八幡平頂上

 これは階段付きの展望台からの東方の風景、写真に写ってないが北に岩木山を望める。バスで来るのか団体さんが入代り立代り登って来る。頂上とのイメージで来ると、樹林に囲まれた中で気分はイマイチだ。それでも展望台の下で、八幡平頂上の標柱を背に記念写真を撮る人が少なくない。樹林帯は青森トドマツが多く、途中見てきた紅葉の景色とは一変する。


北側湿原

 ガマ沼分岐点から北側湿原を東に進む。東西に長い八幡沼の両側が湿原で北側・南側と言ってるようだ。季語の「草紅葉」ってこれだな等と思いながら歩く。木道が良く手入れされていて歩きやすい。南側から樹林帯に入る手前で木道の取替作業をしていた。
観光バスの人達は時間の制約が有るとみえ、ここを通るのはハイカーの出立の人ばかりになる。


源太森近景

 源太森なんて言うから湿原の中のブッシュ位に考え、大して期待をしていなかった。時間もかからないし折角だから足を延ばしただけだったが、いや来てみたらこれこそ頂上。360度の眺望が開け思わぬ拾物をした感じがした。
パノラマ写真を上手く撮れないのが何とも残念、この次までにはマスターしなければと思う。後から登って来た人達が盛んに山の名を言い合っている。


源太森遠景

 山の名が耳に入ってくるが何れも知らぬ名ばっかり。中央に案内盤が有るがどうせすぐ忘れるので、人を掻分けてまで見る気にもならない。鳥海山・月山・秋田駒ケ岳・岩手山・岩木山なら分かる、かって登ったことのある山だ。
後ろで、あれが八甲田連峰だと言う声がした。多分この写真の山々だ。遠くの峰が見えるように少しアンダーにしたら近場の色が沈んでしまった。


見返り峠

 元の場所に戻ってきて駐車場を見下す。岩手県側からのアスピーテラインと駐車場が下に見える。頂上の駐車場はこの少し右上、茶色な斜面の右端にその一部が見えている。奥の方ではレストハウスだろうか建設を進めていて、駐車場が少々窮屈だった。右手の上部に鳥海山が薄く見えたのだが写真では確認できない。


駐車場西面

 帰る前に、工事者用の駐車場にしている所から西面を望む。昼を少し廻った太陽が山襞の陰影をくっきりと描き出している。先程見た車の渋滞は駐車場まで、ここから秋田県側への下りは順調に流れている模様で先ずは一安心。これより後生掛温泉へと向かう。


後生掛温泉入口

 アスピーテラインの温泉バス停から取付道路を四、五分歩くと温泉に着く。その道路の左側の紅葉がこの写真だ。道路の入口に案内係の人がいて車の進入を止めている、今日はこの取付道路から先へは満車で入られないと言う。「風呂は?」と聞くと、「芋を洗うようだかどうだか」との返事。車をバス停の近くに停め、兎に角行ってみることにする。


オナメ・モトメ

 この道は火山観察の自然研究路にもなっていて、温泉を右に見てそのまま進むと間もなくオナメ・モトメと言う源泉がある。オナメは妾、モトメは妻、二人の悲しい言伝えがこの温泉の名「後生掛」の由来と言う。右の小さい方では湯を勢い良く吹上げている。さて、どっちがオナメでどっちがモトメなのか、案内を読まずに先を急いだ。


紺屋地獄

 同じ源泉の谷間の先にこの紺屋地獄がある。オナメ・モトメよりはかなり大きな池で、その中程が煮立つようにボコボコと湧上っている。灰色のオナメ・モトメに対し、これはそれよりも黒ずんで見える。火山そして温泉と言うと何とか地獄の名称が多い、でもこうして離れた所から見ているとそんな恐ろしげな印象はない。
時に言伝えの300年前と比べ、この一帯の景色は往時と同じなんだろうか、どうなんだろうか。


泥火山

 ここは池の中に噴出した泥が盛上っていて、それを火山と言えばまあそんな形。盛んに噴出しているのかと期待をして来たのだが静かなものだ。大方は湿ってはいるもののひび割れも生じている。中に濡れて光っているのがあった。時折吹出すらしい、その時ポンと音がした。その瞬間を見逃したものの、まさしく泥を噴出したと言う。
今日はここまでにして引返し、温泉に入る。男湯はまあまあだったが、女湯は混んでいたそうだ。家に帰り着いても硫黄の匂いが体に残っていた。