おもしろ俳句集

何処となく可笑しく、何となくあぶない俳句と回文俳句

関連頁に 「数字で遊ぶ四字熟語」(多の段/一気通貫)






新年














回文

最終更新日 H 20.5.9


月々の俳句



月 々

  【甘納豆】

 「一月の甘納豆はやせてます」坪内稔典
 「二月には甘納豆と坂下る」坪内稔典
 「三月の甘納豆のうふふふふ」坪内稔典
 「四月には死んだまねする甘納豆」坪内稔典

 「五月来て困ってしまう甘納豆」坪内稔典
 「甘納豆六月ごろにはごろついて」坪内稔典
 「腰を病む甘納豆も七月も」坪内稔典
 「八月の嘘と親しむ甘納豆」坪内稔典

 「ほろほろと生きる九月の甘納豆」坪内稔典
 「十月の男女はみんな甘納豆」坪内稔典
 「河馬を呼ぶ十一月の甘納豆」坪内稔典
 「十二月どうするどうする甘納豆」坪内稔典


  【1月】

 「一月や火事いきいきと風下へ」三橋敏雄
 「一月や童女の如く山坐る」石井風人

 「正月の子供に成て見たき哉」小林一茶
 「正月や年に一度の紬着て」宇川清英
 「正月を噛んで含めて寝てゐたる」蔦 悦子

 「ほつとけば正月なんか行つてしまふ」小笠原風箕
 「二つあれば又三つほしやお正月」小林一茶
 「二つでもつかひではなしお正月」小林一茶
 「この指にだれも止らぬお正月」平子玲子


  【2月】

 「二月尽ファンデーションを明るくす」吉木フミエ
 「二月短し俺の台詞はそれつきり」星野紗一
 「天狗の子二月陽気に山を出づ」加藤裕子
 「直言は竹の切り口二月来る」小澤克己

 「買はぬ客二月の泥を置きて去る」落合寿美女
 「尾の切れし凧のごとくに二月終ふ」有賀充惠
 「脱ぎすてし絹が巣になる二月かな」澁谷道
 「肉マンをころんでつぶす二月かな」井川博年

 「きさらぎの手の鳴る方や落椿」橋 關ホ
 「如月やいぶりがつこの噛み応へ」冨山いづこ


  【3月】

 「三月は目の高さより始りぬ」太田宇朗
 「三月や花屋の花のみな欲しき」前田和子
 「三月やサラダに散らすアーモンド」高橋悦男
 「三月に万歳見るや不破の関」ぶん村
 
(ぶん:[さんずい+文])
 「三月期かろくて重き書類かな」穴井陽子
 「黒字倒産出づ三月の馬鹿陽気」川村紫陽
 「障子の穴くぐり三月来るなり」村越化石


  【4月】

 「四月馬鹿病めど喰はねど痩せられず」加藤知世子
 「呑むために酒呑まない日四月馬鹿」的野 雄
 「死ぬる馬鹿生きてゐる馬鹿四月馬鹿」斎藤空華
 「舌を出す夢の三鬼や四月馬鹿」桂 信子

 「茶碗一つ割つて終りし四月かな」森 玲子
 「しゃぼんふくあわあわあわの四月かな」塩見恵介
 「夢に浮く身風呂にしずむ身四月尽」江里昭彦
 「おふくろと呼ばれうかうか四月尽」松本ゆき子


  【5月】

 「あいまいな空に不満の五月かな」中澤敬子
 「電球に蛾を閉じこめし五月かな」寺山修司
 「嫌いな人につい手を振つて五月かな」柴田美代子
 「女がどすんと音立てる家五月来る」立岩利夫

 「五月雨や滄海を衝(つく)濁り水」与謝蕪村
 「座席下に救命胴衣五月晴」津田清子
 「痩せし頬に五月の冠たゞしけれ」長谷川かな女


  【6月】

 「六月が牛のごとくに横たはる」松尾隆信
 「六月の氷菓一盞の別れかな」中村草田男
 「六月の女すわれる荒莚」石田波郷
 「六月の女透けゐて蝶になる」雨宮美和子
 「六月の花嫁わが子とは見えず」大倉恵津子

 「六月の水辺にわれは水瓶座」文挟夫佐恵
 「六月を綺麗な風の吹くことよ」正岡子規


  【7月】

 「七月の大べら坊に暑かな」小林一茶
 「七月の河馬へ行く人寄つといで」坪内稔典
 「七月のベルトコンベアーから無精卵」田中不鳴
 「霊山の水七月の指を切る」関口恭代


  【8月】

 「八月のある日がらんと山の駅」勝又星津女
 「八月の部屋着のシャツは男物」米元ひとみ
 「八月のナガサキアゲハ尾行せよ」坪内稔典
 「八月や此の世の風が生臭い」大西幸子
 「子等とまた長き八月きりぎりす」百合山羽公


  【9月】

 「九月はじまる無礼なる電話より」伊藤白潮
 「牛憂う九月の河へ尻を向け」金子兜太
 「出奔の男にみえる九月の木」宇多喜代子
 「よそほはず会ふや九月の風の中」小野恵美子
 「ファックスにのつべらぼうが出て九月」水無月直


  【10月】

 「十月や白き鯉には白き髭」朝倉 玲
 「十月のてのひらうすく水掬ふ」岸田稚魚


  【11月】

 「猫のぼる十一月のさるすべり」青柳志解樹
 「牛減りて十一月の牧となる」森田 峠
 「少女の素足路地へすつ飛ぶ十一月」能村登四郎


  【12月】

 「十二月あひると愛人疾走す」攝津幸彦
 「十二月あのひと刺しに汽車で行く」穴井 太
 「十二月あつけらかんと暦剥ぐ」小田切アヤ子

 「福助の頭は空つぽや十二月」小泉八重子
 「もの置いてたてよこたてよこ十二月」中戸川朝人
 「暫は馬の耳なり十二月」前田吐実男
 「走らねば角も曲がれぬ十二月」村井和一

 「主婦の座に定年欲しき十二月」塙 きく
 「湯治客枕なじまぬ十二月」工藤滋乃
 「一年の計は未達に十二月」友成セツ子
 「乾拭に多量の息や十二月」中原道夫

 「水槽の鮃の上眼十二月」今井誠人
 「江戸つ子の誰もせつかち十二月」小石珠子
 「掃除機のコードの絡む十二月」神林久子