IMAGE GIF経営のヒント


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●消費不振時代でも売れるもの

不景気・消費低迷・売れない時代

そんな現在の環境下でも売れるものがある

本当の顧客満足とは何かを探る・・・

アメリカ CAIRN社の販売戦略

−徹底した顧客の為の世界の創出−

先日、大阪難波の高島屋に行き、7階の催事場でスペインの陶製人形の「リアドロ」展をやっているとのことで、のぞいてみると、その片隅にCAIRN社のコーナーがありました。

それまで、ケイルン(日本では、読みにくいのでカリンと言っているようです)なんて言う名前は聞いたことがなかったのですが、アメリカ ノースカロライナ州 デビッドソンという町の小さな(おそらく)企業で、とてもユニークな世界を売っています。

棚には沢山の赤い帽子をかぶったおじいさんの人形(妖精)や、うさぎやリスなどの可愛らしい人形が並んで、 その真ん中では、赤いエプロンをした小柄な白人のおじさんが、粘土細工の人形をつくっています。

リアリティに富んだ人形達の様子や表情と、ややくすんだ色づかいは、不思議な雰囲気を醸し出します。ここは、妖精達と動物達を中心としたメルヘンの世界なのです。

催事で全体に賑わっているとはいえ、たくさんのお客が熱心に見ており、次々と人形達が売れて行きます。

人形のような地味な商品が次々と売れていくという不思議さの陰に、CAIRN社の細心な心遣いと、仕掛けがありました。

以下にピックアップします。

売れる理由

@ 各商品に個別のストーリーがあり、単なる可愛さでなく、小さな世界を売っていること。

各人物や動物達には名前が付いており、ショートストーリーの主人公です。人形を購入すると、小さなストーリーカードがついてきます。
購入者はそれを読んで、人形達の仕草や表情の意味を十分に理解できるのです。

 

A 希少性を出し、その価値を上げていること。

粘土でつくったオリジナルからシリコンで雌型をつくり、そこにドングリの皮とポリエステルを混ぜた液を流し込んで成型し、 取り出して手で着色して仕上げるとのことですが、型を作る数を限定し、5年ほどで意図的に廃番にすることで、希少性を出しています。
世界中に同じ商品は2,000個しかなく、一つ一つは手で仕上げるため微妙に異なっており、自分だけの人形という意識が持てます。
更に、購入者及び購入作品は登録カードによって登録され、後日アメリカの本社からCAIRN社の社長のサイン入りの登録カードが送付される仕組みです。

B 価格が手ごろで、買いやすいこと。

価格設定は有名人の胸像等の大型の特殊なものを除いて、8p/H位の大きさの3,000円から2〜30p/Hの大きさの20,000円の設定で、 中心は5〜9,000円と、「これだけのものが、あ、安いな。何か得したなー。」という、なかなかの設定です。

C 種類が多く、集めてみたいという気にさせる。

オリジナルの作家は3人で、主として三角帽子の妖精をつくるクラークさん(神学博士で、会社の創設者の1人)と、 可愛い動物をつくるウルフ(狼が可愛い動物をつくる?)さんという若者と、パロディーものをつくるシーバスさんというメンバーです。
それぞれの異なった持ち味と、組み合わせが、幅広い商品アイテムを産みだし、手ごろな価格とあいまって、集めてみたいという気にさせるのでしょう。

D 旧くて新しい主題にすることで、幅広い顧客をターゲットにしている。

妖精達というと、何となく子供や夢見る乙女がターゲットみたいに感じますが、設定にはなかなか現代風のものが見られます。
たとえば、「ゴルフの妖精」や、「野球の妖精」などのほほえましい主人公達が設定されています。
作品を一見すると旧いおとぎばなしの世界のようですが、実は現代の妖精達なのです。

E 原作者から顧客への気持ちが表現されている。

ほとんどの作品に幸運を呼ぶという「コイン」が埋め込まれており、作者のサインと共に、「あなたに幸せが来ると良いね」という作者の気持ちを表現しており、 購入した顧客が、作者との心のつながりをもてるような気配りがなされています。

F 継続的なキャンペーン(催事)で、新規顧客を開拓している。

ただ通常の売場に少しだけ展示してあっても、「変わった、可愛い人形」くらいで、なかなか「人形達の世界」のイメージが出しにくく、理解されにくいのでしょう。 定期的に催事をして、新たな顧客へのPRをしているようです。
ちなみに、今回赤いエプロンをつけて粘土の人形を作っていた温和なおじさんは、妖精達の原作者のクラーク博士でした。(前回は動物の原作者のウルフさんだったそうです)
その緻密な制作ぶりに感心させられるとともに、穏やかな人柄が伝わってきます。
そこで自分の作品を購入するすべての顧客に(たとえ3,000円の商品でも)、商品に顧客の名前と、自分のサイン、日付を入れてくれて、一緒にポラロイドカメラで記念写真を写してくれます。
購入者は、皆とても得した気分で、満足して帰ります。

以上、たまたま見つけたCAIRNという会社とその販売戦略の一端ですが、すべての商品・サービスの販売につながる「顧客との一体化」 「真の顧客満足」を理解するためのヒントが示されていると考えられます。

私と妻が気に入って購入した「ジョン・ロバート」(9,000円)については、この後に紹介しますが、購入するときのクラーク博士との会話は次の通りです。

「とてもすばらしい仕上がりですね」
「どうも、気に入ってくれてありがとう」
ゴルフの妖精の人形を選んだ私に、
「ところで、あなたもゴルフをするのですか?」
「はい、下手でスコアは良くないのですけどね・・・」
私たちの名前と自分のサインを書き、日付を入れながら、
「これは、あなたがホールインワンをした日付ですよ」
と、やや、はにかむような、すばらしい笑顔を見せてくれました。

と、いうわけで私たちはすっかり、クラーク博士とCAIRNのファンになってしまった次第。
しかし、このページで紹介しているのは、純粋にその商いの原点に感心したためであって、PR料をいただいたとか、作品をまけてもらったとかいうのではありません。以上念のため。

考えてみれば、この売り方は、今や常設の中途半端な売場をもつより(高島屋などにあります)、催事を通じてPR活動をして、あとはインターネット上に電子カタログを紹介して、 ダイレクト販売を行った方がよいような気がします。

JOHN ROBERT

  (ゴルフの妖精)      (136X157X266  \9,000)   右下はストーリーカードと写真

●ショートストーリー

ジョン・ロバートは、(中略)ゴルフの妖精、ヒュー・ロバート・ゲイザーの実の息子です。
妖精家族の一員に加わった彼もまた父親と同じく、この何だか不思議な物体(ゴルフボール)を前に考えています。
彼がこの新しい宝物を手に入れるべきか、それとも誰か他の人が来てそれを見つけるまで置いておく方が良いのでしょうか?
私は彼を父親と同じポーズでつくり、オリジナルのコイン(オオジカが描かれている1967年の”5エール”ノルウェー硬貨)を使いました。
父親と同じく息子もまた背中にゴルフのティーを背負っています。
林の中を道を求めて歩いて行くと、偶然にも不思議なモノに出くわしてしまったのですよ!
(中略)彼のブーツの横の縄のベルトと革のカバンは、若い世代の人たちが、いつもやりたいことをイッパイ持っていることを表しているように見えますね!
近づいてよく見ると彼のひげの中にちっちゃな顔らしいものがいくつか見えます。これはすべてのゴルフ愛好家への特別なメッセージです。
−頭を下げて、よくボールを見ること!

売れないとなげいてるあなた!お客が来ないといらいらしているあなた!

もう一度、あなたのお店・商品・サービスとお客様の関係を虚心に考えてみましょう。

本当にお客様は、あなたの店・商品・サービスに満足していますか?

ご健闘をお祈りいたします。

●登録証が届きました。

昨日登録証が届きました。可愛らしいカードも一緒です。

例によってカードにはショートストーリーが書いてあります。

スカーレット(うさぎ)が、ハチの羽音を聞いています。足にも止まってますね?スカーレットは、ハチが刺すということを知りません。ハチの方も、 スカーレットを、野の花と同じに考えて止まっているだけです。

穏やかな、楽しい世界ですね。顧客とのつながりを大切にする温かみにあふれています。

登録証カード

link:

   ☆Cairn studio(USA)のページはここです。

  


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