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TX-88D の入荷


真空管送信機には以前から興味があり,テレビジャンクで5AQ5シングルの7MHz用CW送
信機を作ってみたこともありますが,実用には至りませんでした.





その後コツコツと部品を集めていましたがなかなか製作するヒマがありません.そこで2006
年8月ズルしてオークションで定番送信機のTX−88Dを購入しました.ケースに若干の発錆
があることとノーマル仕様のFT243形水晶ソケットが割れていることが難点でした.8500円
で落札しましたがPTや変調トランスなどから個別部品で集めることを考えると妥当な価格かと
思います.


 PTに発錆はありませんでした


FT243形のソケットは手持ちがありますが将来使用する予定のある部品なので今回は複数
手持ちがありネジ位置の合うHC−6Uタイプのソケットを取り付ける事にしました.

  


手元にはFT243形の3.5MHz用とHC−25Uの7MHz用の水晶片があります.ソケットの
取替え前に3.5MHz用水晶で発振の正常なことを確認しました. 出力は75オームのダミー
で測定したところ12Wでした.測定用コードは5D−2Vの3mものがあったのでこれを使用し
ました.ミスマッチですが目安にはなります.






次に業務用の不要の HC-6U水晶を分解し以前からある 7.022MHzの HC-25U水晶用の変
換アダプタを作りました.これを試験用としてソケットに挿入し出力等を測定してみました. 

・以下はその結果です. 

TXfrq(MHz)
Ip(mA)
TXPow(W) 
remks
03.545
12
07.022
46
12
14.044
12
1
後日再調整後 50mA 9.5W
21.066 
32
3
後日再調整後 52mA 8.2W
28.088
53
9


シーメンスキーを使用した送信切り替え動作は問題ありません. 7MHzバンドを見る限り,Vp
 400Vとすれば入力 18.4Wで 60パーセントの能率でほぼ計算どおりの出力が出ています.
TX−88D は3ステージ構成ですが 2倍と3倍の逓倍がうまく出来ていません.A3の真空管送
信機は始めての経験なので調整方法が正しくないのかも知れません.28MHzはほぼ正常に出
ています. 

その後14MHz・21MHzバンドの調整に再トライしました.LOADツマミを大きく変化させてみ
たところ表右のように出力が正常に出ることが判明しました.
50MHzバンド用の HC-6U水晶は2個持っていましたが 1W以下しか出ませんでした.どうやら
3倍オーバートーンタイプはNGのようです.8MHz台が適合水晶と思えるのですが取り説が無
いので詳しくは不明です. 今後の検討課題です.

その他  メモ
・メーターが時々引っかかる.軽く叩くと復帰. 
・終段のエミ減はなさそう. 
・リキャップのため各ケミコンとペーパーコンの値をメモ. 
・ロータリーSW,バリコン等を電子パーツ洗浄剤で洗浄. 
・ケースの錆びを研磨剤で除去. 
・送信出力はSG抵抗を変えたらもっと出るかもしれない.( 33k 2W 標準送信時電圧120V)

前オーナーからは発振不安定との申し送りがあったのですがどうやら電気的にはほとんど正
常のようです.気になるケースのサビについては塗装剥離剤とプライマー,グレーのスプレー
等を購入済みなので落ち着いたらユックリ処置しようと思います..

A3の送信試験はマイクコネクタが適合しないので現在のところ未実施. 

実際にCW QSOに使用するとしたら 
・ブレークイン,サイドトーン回路の増設 
・VFOの外付け 

の2点は必須です. どちらもキーデバイスは入手済み.後は気合の入る日が訪れるのをユッ
クリ待つことにします. 


  
電気的な問題はなさそうなのでツマミとパネルの清掃を行いました.写真は清掃前の状態


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