JR1UIA amateur radio station since 1971
友人からいただいたICF-5600は感度は良好,クリーニングしたところキズもなく調子もいい.
手頃な大きさなので就寝時枕元で聞くのに使っているのですがタイマーが不動のため朝まで電 源が入りっぱなしです.機械部の故障なのであきらめていたのですがラジオ工房の内尾さんの 著書 「BCLラジオカタログ」 にリペア方法が掲載されていたので修理にチャレンジしてみまし た.
とりあえず分解しなくてはどうにもなりません.まずツマミ類を全部はずします.ボリュームツマ
ミがなかなか取れなかったのですが写真のようにスキマにコードを挿しこみ持ち上げるようにし て引き抜きました.この方法もラジオ工房さんのHPより教えていただきました.
ツマミ類を取り外した後裏蓋,前面パネル,基盤に分離します.ICF-5600はロッドアンテナが
ケースの一部と共に独立したユニットになっているのでこれも分離します. 分離は組み合わ せが細かな入子構造になっているため意外なほど手間取りました. 追試される方はくれぐれ もムリな力をかけないように注意してください. スピーカーとロッドアンテナは基盤につながる ハンダ付け箇所をはずしたほうが格段に作業が楽になります.
カプセルタイプのタイマーはカプセルを破壊して本体を取り出す必要があります. 接着部分に
カッターの刃を食い込ませ接着剤をはがして後蓋をはずします. 3本見えるタイマーから出て いるポストの雌ネジと後蓋から締めるビスでカプセルとタイマー本体が固定されています. ツ マミ側にはカプセルとタイマーを固定するものはありません.
後蓋にはメイク・ブレーク接点が固定されており,タイマー側のカムによってON/OFF制御が行
われます.三路スイッチと同じ原理なのでメインスイッチがONでタイマー動作中は電源断,逆 にメインスイッチOFFでタイマー動作中は電源入となります.したがった就寝時にはメインスイッ チをOFFとしタイマーを適宜セットすると電源が入りタイマーがストップするまでラジオ聴取がで きるわけです.
分解してみると機械式時計の心臓部であるテンプが見えてきました.タイマーが動作しなくなっ
た原因はこのテンプからカム軸にいたる各歯車の軸受けに塗布してあるグリスが経年変化に より固着してしまったことです.写真の自動車塗装用の脱脂剤を拭きつけ動作が回復すること を確認しCRC5-56を各軸受けに塗布し元通り組み立てます.
これらの一連の作業を室内で行う場合はタイマーを透明レジ袋等の中に入れて吹き付け作業
を行うと薬剤が飛び散りにくいです.
ビジネスホテルでもらった入浴用用スポンジ (封を切ると膨らむヤツ) を切りそろえ両面テー
プで接着します.
タイマーの再組み立てをするときには0位置の調整にかなり手間取りました.表示部の固定
位置を変化させながら何度か動作させタイマー表示とカムの位置が合うように調整します. 後蓋の再接着は適当な接着剤が無かったのでセロテープで固定しました.今のところ不都合 は出ていませんがセロテープの素材はセルロースなのでいずれ固化して後蓋を固定する機能 を果たさなくなります.
完成 !! これでタイマーをセットすることにより電池の消耗を気にせずラジオを聴きなが
ら寝入る事ができます.
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