哀愁のアフターヴァレンタイン2



カラカラカラ…

捲簾「…天蓬、倒れたって?(溜息)」
部下A「あっ!大将っ!」
捲簾「アイツの容態は?(キョロ)」
部下B「えっと…医師の見立てでは、元帥…急激な過血糖状態で昏倒されたと」
捲簾「過血糖?(眉顰め)」
部下C「おそらく…チョコの食べ過ぎが原因じゃないかと自分達は思うんですが」
捲簾「チョコの食い過ぎって…(呆れ)」
部下A「元帥、相当な量のチョコを一気に消費されてると思います。糖分の血中濃度が異常に高いらしいので…多分…なんですが(言い淀み)」
部下B「室内を確認したんですが、元帥が通販で注文したチョコのダンボール…殆ど残されていなかったんですよ」
捲簾「…ちょっと待て。部屋のダンボールって10箱はあったはずだぞっ!?(驚愕)」
部下C「えっと…自分達が見たときは、1箱…それも開封されていて中身も半分ほど既に無くなってました(引き攣り)」
捲簾「っの…バカッ!(頭抱え)」
部下A「元帥が注文したチョコが届いたの、確か4日前でしたよね?と、言うことは〜」
捲簾「そんだけのチョコが無くなってんなら、3日間寝もしねぇでずーっとチョコ食ってたんだろ、あのバカ元帥は」
部下B「ええっ!ずっとですかっ!?(驚)」
部下C「…そういうことですよね。そりゃ元帥、チョコ噴いて倒れてた訳ですよ…」
部下A「でも何だって元帥はそんな無茶されたんでしょうか?いくらチョコがお好きだからと言って倒れるまで食べ続けなくても(困惑)」
捲簾「あー…それは…思い当たるっつーか(視線泳ぎ)」
部下B「…やっぱ大将が何か言ったんだ(ぼそっ)」
部下C「…だな。じゃなきゃいくら元帥でもあそこまで無理しねぇよな?(小声)」
部下A「とりあえず元帥は点滴を投与してますから。もう暫くすれば意識も戻ると医師も言ってますので」
捲簾「そっか…悪ぃ。面倒かけたな(苦笑)」
部下B「そんなっ!とんでもないっ!」
部下C「そうですよっ!元帥に不測の事態が起きた時に、たまたま自分達が通りかかって良かったです」
部下A「本当に…大事に至らなくて何よりです」
捲簾「ん、さんきゅ。意識戻ったら天蓬にもよぉ〜く言っておくからさ」
部下B「ぜひ、あまりご無理されないよう大将の方からよーっく仰ってくださいね?」
部下C「元帥お倒れになってる姿見つけた時は、ホント吃驚したんですから」
部下A「とりあえず安静になさって。暫くはチョコ厳禁でお願いします(苦笑)」
捲簾「さすがに天蓬も懲りただろ?ったく…自分の限界考えろっての(肩竦め)」
部下C「それじゃ自分達は仕事に戻りますので」
部下A「総司令官閣下へは自分達の方から容態の報告しておきましょうか?」
捲簾「あぁ…いちおう医務室に運ばれたコトは言ってあっから、そうしてくれるか?」
部下B「了解です。大将はどうされますか?」
捲簾「んー?いちおうコイツが目ぇ覚めるの待ってから、執務棟顔出すわ」
部下A「元帥と大将の書類はどっさり纏めて置いときますから、明日にでも処理して下さいね(ニッコリ)」
捲簾「………悪い(ポリポリ)」
部下C「では、自分達はこれで失礼します(ビシッ☆)」

カラカラカラ…

捲簾「なーんか…気ぃ使わせちまったな(照)」

カツカツカツカツ…
シャッ!

捲簾「…うっわぁ〜何だこの甘ったりぃ匂いはっ!?」

カラカラ…ストン☆

捲簾「ったく…俺の言ったこと真に受けて、マジでチョコ食い続けたのかよぉ…ホント馬鹿なヤツ(苦笑)」

なでなで。

捲簾「馬鹿だなぁ…」

ごそ。

天蓬「ぅうー…(魘され)」
捲簾「天蓬?」
天蓬「チョコ…チョコが…っ…捲簾のチョコぉ〜(苦)」
捲簾「…あれだけ食って倒れたのに、まだチョコ食いてぇのかよ?(唖然)」
天蓬「うううぅぅ〜ん…捲簾のチョコ…早く…食べ…ないと…っ(にぎにぎ)」

ぽかり☆

捲簾「…気がついたか?」
天蓬「あ…れ?捲簾のチョコ…が?(寝惚け)」

ぺちん☆

天蓬「いたっ!」
捲簾「ったく…ぶっ倒れてまでチョコチョコ言ってる場合かっ!(怒)」
天蓬「あ…え?僕…何で寝て?ここって…あれ??」
捲簾「お前…部屋の入口でチョコ噴き出しながら倒れてたんだよ(溜息)」
天蓬「はい?何で僕が??(きょとん)」
捲簾「チョコ食い過ぎて急激に血糖値が上がったから昏倒しちゃったんだとよ…このバカッ!」
天蓬「はっ!?チョコッ!!僕まだ全部食べ終わってな―――」
捲簾「いい加減にしねぇかっ!(べしっ☆)」
天蓬「だってだってっ!早く買ったチョコ食べ終わらないと、捲簾のヴァレンタインチョコが食べられないじゃないですかっ!」
捲簾「お前ねぇー…(顔顰め)」
天蓬「あ…もしかして…もうダメなんですか?日にち経ち過ぎちゃったから…もう捲簾のショコラフランボワーズ…食べられなくなっ(うるうる)」
捲簾「そーだなぁ…もう4日経っちまったしな?ジャム挟んであっから賞味期限無理かも?」
天蓬「それでもいいですっ!折角捲簾が僕の為に作ってくれたチョコ…処分なんて出来ませんっ!僕食べますからっ!!(涙目)」
捲簾「馬鹿っ!んなの腹壊すじゃねーかっ!!」
天蓬「ヤですっ!捲簾のチョコ絶対食べるんですーーーっっ!!(いやいや)」
捲簾「お前な…自分がどういう状態なのか分かってんのか?チョコの食い過ぎでぶっ倒れて点滴まで打ってるんだぞ?今すぐ食える訳ねーっての」
天蓬「それでも食べるんですぅ〜っ!(駄々捏ね)」
捲簾「あぁ〜もうっ!!」

ポンポン☆

天蓬「捲簾…っ!」
捲簾「ちゃーんと体調戻ったら食わせてやる(苦笑)」
天蓬「でも…そしたら…」
捲簾「どうせ2〜3日は点滴打って容態みねぇとだしな?」
天蓬「そんなに待ってたら…折角作って貰ったショコラフランボワーズ…もうダメに…っ」
捲簾「そうだなぁ…あと1週間は余裕だろ?」
天蓬「……………はい?(きょとん)」
捲簾「ちゃーんとケーキは冷凍してあんのっ!(肩竦め)」
天蓬「え?(驚)」
捲簾「クククッ!まさかなぁ…お前がマジで買ったチョコ全部食うつもりなんて思って無かったんだけど。適当に懲りて反省したらやろうと思って、作ったショコラ冷凍庫で保存してあんだよ」
天蓬「本当に?捲簾のチョコ…食べられるんですか?(歓喜)」
捲簾「あぁ。お前に見せた後すぐ冷凍したから、10日間は大丈夫。解凍すればちゃんと旨いまま食えるよ(微笑)」
天蓬「よ…よかったぁーっ!(頬染め)」
捲簾「だから。ちゃーんと体調直して、美味しく俺のチョコ食えるようにならねぇと承知しねーかんな?(なでなで)」
天蓬「はいっ!安静にしてますっ!(コックン)」
捲簾「全く…お前があんなにチョコ買うなんて馬鹿な真似しやがったから、ヴァレンタインデーだって散々だったろ?」
天蓬「…ゴメンなさい(しゅん)」
捲簾「通販で買うなとは言わねぇけどさ…今回みたいに気ぃ狂ったような買い方はもうすんじゃねーぞ?」
天蓬「はい…反省してます(縮こまり)」
捲簾「そんじゃ。お前が体調戻ったらケーキ食って…ヴァレンタインデーのやり直ししようかー?(意味深)」
天蓬「え?あのっ…捲簾?(ゴクリ)」
捲簾「…したくねぇ?(艶然)」
天蓬「しっ…したいですっ!!(生唾)」
捲簾「チョコも俺も…美味しく堪能しろよ?」
天蓬「は…はいっ!!!(コクコク)」




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