★ アルバート・キャンプ場
夏木立はセミの声にあふれ、時おり子供たちの声が混ざりあう。
そのキャンプ場の入り口には、不器用なウエルカム・ゲートが立てられていた。
『アルバート・キャンプ場へようこそ』
アルバート・アインシュタイン博士は、すっかり体になじんだオーバー
オール姿でゲートを見上げていた。
彼は今しがた、キャンプの名言を彫り込んだ四角い板を、
ゲートの柱に
打ちつけ終えたところだった。
背後に子供たちの声が近づいてきた。
「とーちゃーく!」
「わー、ついたついた、アルバート・キャンプ場だ!」
「さあみんなでテントをはるよ」
「水場の近くがいいな」
「じゃあっちだ、行こう」
子供たちはアインシュタインに目もくれずに、ゲートをくぐってテントサ
イトに向かった。
その様子をニコニコながめていたアインシュタインの背中に、小さな
声が問いかけた。
「おじさん、あの板には何て書いてあるの?」
驚いて振り向くと、先ほどのグループの一員だろうか、女の子が二人
まぶしそうに
アインシュタインを見上げていた。
「おや、お嬢さんたち、こんにちは。あの板かい?あれにはね、、、
『夏のキャンプを発明した人は、ノーベル賞に値する』
って書いてあるんだよ」
「おじさんが夏のキャンプを発明したの?」 一人の子が更に尋ねた。
「いやいや、わしじゃない、わしはただの管理人だよ」
アインシュタインは照れ笑いを浮かべながら続けた。
「わしもノーベル賞はもらったがね、わしの発明なんぞ、夏のキャンプ
に比べたら取るに足らないものだよ」
わかったのかわからないのか、女の子たちは「ふーん」と答えた。
「君たちの仲間は水場の方に行ったよ、ほら、あっちだ」
女の子たちの後ろ姿をしばらくながめていたアインシュタインは、
頭をひとかきすると道具箱を手に取り、木立をすかして見える研
究所に向かって歩き出した。
★ アインシュタイン研究所
アインシュタイン研究所はアルバート・キャンプ場の中にあって、
キャンプ場の管理棟も兼ねています。相対性理論、重力レンズ、
宇宙項など、アインシュタイン博士の研究成果を、わかりやすく
説明してくれる展示スペースがあり、合宿で使えるセミナールー
ムも用意されています。
造りはログハウスですが、中身はぎっしりアカデミックです。
★ アインシュタイン
・グッズ
キャンプ場管理棟の売店で売っている
グッズの一部を紹介します。、
● アイン君
アインシュタイン博士のキャラクター
人形「アイン君」は、太宰府天満宮の
お札と肩を並べる、受験生の人気商
品です。
● アインシュタイン研究所オリジナルくつ下
くつ下をはかなかったから、アインシュタイン博士は偉業を成しとげた
という訳ではありません。キャンプ場はけっこう冷えますし、虫よけにも
効果的な厚手の長尺くつ下です。
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何かを学ぶためには
自分で体験する以上にいい方法はない。
─── アインシュタイン
アインシュタイン研究所/アルバート・キャンプ場