ビッグ・バンから現在へ

 宮崎から函館まで続く『137億年タイムトンネル』を、椅子にすわったままで体験

できるのが、ジョージ・ガモフ研究所です。
137億年前の大爆発から現在までの

宇宙の成り立ちを、最新のCGでお見せします。




宇宙はひとつではない、という説

 宇宙はユニ(ただひとつの)バースではなく、マルチ(たくさんの)バースである

という説があります。


むずかしいことは分かりませんが、いくつものビッグ・バンによって
いくつもの

宇宙ができ、私たちの宇宙の外側にも別の宇宙があるのなら、少しホッと

ませんか。(微笑)




★池田晶子さんからあなたへ


 新聞やテレビを見ていると、世の中は、大変なことになっているような感じが

する。いや、実際に大変なのである。戦争やテロの危険は、身近なものとなっ

ているし、万国の資本が団結したおかげで、経済活動には夜も日もない。一方

の巷(ちまた)では、親が子を殺し、子が親を殺し、リストラされた中高年は自殺

する。まあいったいこれからどうなるのだろう。

 そう思うのが、普通である.。しかし、たまにはちょっと立ち止まってみたい。

大変だ大変だと我々は生きている、しかし、その「生きている」とはどういう

ことか、そもそも我々は知っているのだろうか。

 生きているとは、つまり、生きているということだ。死んでいないということだ。

 これ以上のことを、実は、我々は知らないのである。生きんがために労働し、

生きんがために闘争し、生きんがために苦しみ悩む、しかし、その「生きる」の

何であるかを知らないまま、それらの全(すべ)ては為(な)されているのである。

これは、驚くべきことではなかろうか。この方がよほど大変なことだ、と私は感じる。

 「生きる」の何であるかを知るためには、我々は考えなければならない。考え

る、すなわち内省する。しかし、「内省する」と言って、人はその意味すら理解し

なくなった。外ばかりを見ているからである。そして言う、内省などしていては、

生きてゆかれない。しかし、その、「生きる」の何であるかが、我々の最大の問

題なのではなかったか。話は初めから転倒しているのである。

 自分が生きているとはどういうことか。「自分」とは何か。考え始めるなら、人は、

この当たり前のことが畏(おそ)るべき謎であることを理解するはずである。謎とは

別名、奇跡である。この当たり前の奇跡の前には、天下国家などいわば些事(さじ)

である。そういう視点を、人は必ず獲得するはずなのである。

 世の中のことは、どうなる?

 しかし、世の中を作っているのは、一人一人の人間以外の何者でもない。一人

一人が、自分が生きているという奇跡に自覚的に生きる、それ以外に確実な道

などあるわけがないのである。

 全員の自覚まで、なるほど少々時間はかかります。しかし、宇宙を思ってみれば

よろしいのです。


                            ――― 2005.4.9付 朝日新聞より ―――




--------------------------------------------------------
いけだ・あきこ
文筆家、1960〜2007。
「14歳からの哲学」は27万部のベストセラー。
他の著書に「14歳の君へ」 「知ることより考えること」など。
--------------------------------------------------------







  私がこのホーム・ページを作っていくなかで、背中を押してもらった池田晶子さんの
エッセイを紹介します。池田さんのこれからの活躍に期待していたのですが、若くして
亡くなられてしまい、とても残念です。







                        サイトマップへもどる





 ジョージ・ガモフ 研究所

 この人が 『 ビッグ・バン 』 なんてことを言い出さなければ、

宇宙はずーっと昔から存在し、これからもずーっと存在し

続け、私たちはちょっと安心できるはずでした。


なのに 『 ビッグ・バン 』 のおかげで、私たちはものすごく

混乱し、 とても不安になってしまいました。


その前は何があったの? これから先どうなるの?