箕輪町の西にそびえる桑沢山は、いつも目の前にある私の里山である。緑濃い夏の間はそれ程存在感はないが、11月半ばに落葉松の黄葉で全山が黄色に変わる山は季節の移ろいを感じさせてくれる。 子供の頃数回登ったがもう30年以上も登っていないので、最近無性に登りたくなった。 桑沢山 '00/9
昨今、温泉を組み合わせた低山登山が流行っているようだ。その理由も分かる気がする。既にそれ向きな本でも紹介されているが、桑沢山に登るなら下山後、山麓の「ながた温泉」で汗を流すのが良いかと思う。 この山行記は地元外から来られる方のためにガイドブック風に書いてみようと思う。
いつもの如く昼飯を食べてからふらっと出かけた。紅葉にはまだ早いが茸採りには丁度良い時期である。 長田温泉へは、中央道伊北ICで降りて目の前の国道153号線を左に100m程行った信号を右折し、大規模農道を西に向かう。正面にどっしりと見えている山が桑沢山である。 道は左カーブして南に向かう。1,2分で長田温泉の案内に従って右折して山の方に進む。突き当たった道路を右折して100m程北に進むと長田温泉入り口である。 桑沢山へは長田温泉に入らずにそのまま進む。殆ど水のない桑沢川の橋を渡ったところが5叉路になっている。今日のコースはここを左折して林道桑沢線に入る。この林道をまっすぐ進むと工事中の別の林道へ行ってしまうので注意。途中二股になっているところを左に入ること。 少し暗い杉林を抜けると左下に砂防ダムが見える。さらに10分程進むと最近出来た堰堤が現れ、ここで林道は終点となる。このコースはここから登り、上の写真で分かるが山頂の右の主尾根の鞍部のあたりに出て山頂に向かう。
堰堤を右側から越すと左から小沢が流れ込んでいる。登り口はその小沢の脇にあり、大きなモミの木が目印となる。もちろん指導標などはない。最初はやや急登で、唐松林の中の落ち葉が降り積もったふかふかの道は滑りやすく少し歩きにくい。道はすぐに小沢から離れてしまう。 20分ほどで大きなモミとサワラの木が1本ずつ並んだところがあり、2本の木の間に山の神を祭った石がある。道はここで右に折れる。
落ち葉の積もった雑木林を行く
このあたりからミズナラやクヌギの雑木林になる。通る人も殆どないと思えるジグザクな道は、ところどころで角張った石が転がっていたり、倒木が通せんぼしているが、昔からの里山の道は、はっきりしていて迷うようなところはない。上の方が明るくなると主尾根は近い。 道は主尾根に行かず北に行ってしまっているのでどこか適当なところで主尾根に取り付く必要がある。藪もなく危険なところも無いのでどこを登っても良いだろう。たまたまそれらしい踏み跡が赤テープで示されていたので後はそれに沿って支尾根を約30分主尾根に出るまで登る。沢の詰めなのでやや急坂。ここは赤松が目立つ。主尾根に出たら、まばらなクマザサの主尾根を南に向かう。当然道もある。ほぼ平坦な尾根歩きである。約5分で山頂に飛び出す。昔は山頂と言っても三角点しかなかったが、今回来てみると真新しい山頂の標識が立てられ、伊那谷側は木も刈り払われており眺望は良い。西側(小横川谷側)は木が成長して眺望はない。 当然北アルプス、御岳等は見られない。 麓の辰野南小学校がここに登山を再開することにしたらしく、登山した児童の名前を記した木柱が立てられている。ちなみに同小学校のHPを見ると校歌にも桑沢山が出てくる。
1538m二等三角点の頂上
(標石の上の黄色いものは採ったキノコ)
山頂から伊那谷と甲斐駒、仙丈岳を望む
山頂からの展望は西日を受けた辰野、箕輪の町と清流天竜川、そしてその向こうに一際高く聳えるのが甲斐駒ヶ岳だ。守屋山、蓼科山も見える。集落がすぐ手の届くところに見えている割には騒音一つ聞こえてこない。秋風の音だけの静寂な山頂。やっぱり静かな山はいい。 既に4時を回っていたので余りのんびりも出来ず山頂を後にした。茸は主尾根でカラマツダケを1本取っただけだった。
夕暮れ時のながた温泉。地下1500mから汲み上げた名湯で、今日の心地よい疲れも癒される。休日は、近隣からの多くの人で賑わっている。
林道終点⇒(1時間15分)⇒主尾根⇒(10分)山頂 山頂⇒(5分)⇒主尾根⇒(1時間)⇒林道終点 標高差430m
桑沢山への道は今日紹介した他に北大出の別の林道(富士山マレット場横の林道)を終点まで行き、そこから支尾根を登って主尾根に出るコースがある。狭くてやや距離のある林道だが通行に問題はない。支尾根上の道も明瞭である。主尾根まで歩行時間30分と短い。
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