花と展望の経ヶ岳(98.7.4)
経ヶ岳は中央アルプス駒ヶ岳と権兵衛峠を挟んで北に位置し、
その標高2296mは木曽山系の山としては最高峰を誇る。
伊那谷の伊那市付近からは三角形に見え、親しまれている。全国的
には知られていないため訪れる人は少なく静かな山歩きを楽しめる。
登山道は整備されており危険な個所は全くない。
山頂は奥まっていて小さなピークをいくつか越えて行かなければ
ならない。登り口は伊那市羽広仲仙寺からのコースが一般的であるが、
今回はやや北の南箕輪村大泉ダムからの道を行くことにする。
梅雨の中休みの7月4日土曜日は朝から真夏を思わせる陽気である。
7時半に大泉ダムの駐車場にある登山口の案内に従い左の林道に車で入る。
ここから約500mを車で登ると行き止まりとなり、車を捨てる。
この付近の標高は1300m程で山頂までの標高差は1000mあり、低山と
して甘く見ることは出来ない。
車を降りた所から30m先にこのコース唯一の水場があり
ここで清冽な水を汲む。早くもクガイソウが紫の穂を出し始めている。
まずは長い主稜の下部に至るまでは風の通らない唐松の樹林の赤土の急坂を登る。
40分ほどで登りはゆるくなり3合目の標識がある。ここから左よりに5分ほどホタルブクロが咲く
平らな草原の道を行くと仲仙寺からの道を左から合わせる。ここで1回目の
休憩。道は主稜の南側を緩やかに登って行く。ウツボグサの濃い紫が目に鮮やか。
やがて左の谷からの風が心地よくなると5合目である。カラマツソウが白い花を付けている。ここから右に
カーブしながらクマザサの少し急な道を主稜に取り付いて行く。ここで山草を採取する中年夫婦に出会う。
里山だしまあそのくらいは良いではないかと思う。
主稜上の道は左カーブして急になるがまだ土の道で歩きやすい。このあたり
にはクマザサの緑の中にササユリのピンクが清楚な姿を見せている。ナナカマドは白い花を付けている。
ふと気配を感じて目をやると前方に若いカモシカがじっとこちらを見ている。
逃げる様子もなく、取り出したカメラに収まる。やがてクマザサの中に消えて行った。
さらに傾斜がきつくなって少し登ると第一のピークである。ここには四等三角点が置かれている。ここまで登ると
山頂がようやく見えて来る。ここが7合目である。
ピークを過ぎ再び次のピークに達する。ここは草原となっていて眺望が素晴らしい。ヤナギランはまだ蕾みの状態である。
「望郷」の新しい碑があり、その名の通り伊那谷(辰野から飯島町あたり)が眼下に一望できる。権兵衛峠の向こうに駒ヶ岳が屹立し、
木曽の御岳も雄大な姿を見せている。南アルプス甲斐駒、八ヶ岳なども見える。山頂は近くなり、枯れ木の混じる次のピーク
の左側に見えている。右には黒沢山からの縦走路が続く。昨年果たせなかったコースでもあり、その分岐部分を探すが見い出せない。
その支稜は一面のクマザサで覆われ緑が美しい。
原生林のピークへの登りは一変して岩の多い急登に変わる。その登山道脇は少し時期を過ぎた一面のマイヅルソウに混じってイチヤクソウも白い可憐な花を付けている。
僅かな急登でピークに達する。ここだけがツガやトウヒの原生林で覆われ、亜高山帯の山であることを感じさせる。
ピークを過ぎ再びクマザサの緩い道を30分程行けばいきなり山頂に着く。(12:30)
2296mの山頂は樹木に覆われ展望はない。
山頂には信仰の山らしく小さな祠の様なものがある。展望を求めて山頂から少し外れて南の斜面に出て見る。一帯は
ゴゼンタチバナとマイヅルソウの群落だ。駒ヶ岳が更に高さを増している。おにぎりを食べて頂上を後にする。
何年かぶりに登った経ヶ岳だが前はこんなに大変ではなかった様な気がする。
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