南木曾岳
1679m (2001.8.14)
二児山の次に南木曾岳を選んだのは、丸山晴弘さんの信州の名山・名湯のガイド「山旅湯旅」に書かれた南木曾岳が興味を誘ったからである。 歌川広重が版画に描く程の水墨山水の山姿を持ちながら、1600mちょっとの高さである。これなら日帰り登山が出来る。 日にちは山行日の翌日も翌々日も休みになる盆の14日と計画した。最近の山行は、翌日が休みの日にすることに決めている。

4時に家を出る予定でいたが前夜気が高ぶったのかなかなか寝付けず、5時ちょっと過ぎに出る。中央道伊北ICに入り40分程で松川ICにて降りる。 県道の飯島・飯田線で飯田の市街へ抜け、更に県道飯田・南木曾線(大平街道)に入る。左に青く水を湛えた松川ダムを見て進む。 早朝のため行きかう車もなく山道を順調に走る。

松川ダム










飯田峠、大平宿を過ぎ、大平峠を下ったところで国道256線に入って南木曾町蘭(あららぎ)と言う地籍へ到着。 (蘭からもう5Km程木曽へ進めば妻籠宿である。) ここから登山口へは額付川に沿った林道を北へ向かう。途中にあるキャンプ場は盆の連休のさなかで大いに賑わっていた。 ちょうど朝食の時間帯で、焼き肉のいい匂いの中を通り抜けて更に先にある登山口駐車場に着いた(7時45分)。  駐車場には5台ほどの車がすでに駐車しており、出発の支度をしている人もいた。登山道入り口まではまだ林道を 400m余り進まなければならないが、ゲートがあって車は進めない。

身支度を整えて8時ちょうどに出発。自然探勝園を通って林道を短絡する。薄暗くひんやりとした探勝園は、檜、アスナロなど木曽の5木が分かるように名札がかかっている。 探勝園を出て花崗岩砂を敷き詰めた林道を進む。これ程足に馴染んで歩きやすい林道も初めてだ。 100m程林道を進んだところの小さな流れでペットボトルを満たしてから進むと直ぐ左側に登山道入り口の案内があった。(1055m※)

登山道は額付川左岸に沿って平坦に付けられていた。すぐに真新しい桟橋で右岸へ渡る。 緩やかに15分程登ると下山道合流点(分岐点)に着いた。南木曾岳は(双耳峰であることも関係して)周遊コースが一般的であるらしく、 山頂を北に見て、ほぼ南に延びる左の尾根から登り、右の尾根から降りることになる。その合流点がここである。(1135m) (下の方に写真あり)

左に分岐し、花崗岩の丸い巨石がゴロゴロしている急な道を尾根に向かって登っていく。木の梯子も出始めるがまだ短く、落差も少ない。1200m付近になると木の梯子が次々に現れる。 梯子は良く保守されていて腐ったようなものはない。しかし横木には△のように割った木を使って、歩幅以上の間隔で梯子にしてあるので、掴まるものがない水平の梯子の場合、不安定で、下が見えるので足がすくんでしまう。 踏み外さないように充分注意した。


最大の難所の鎖場
分岐点から20分程で「喉ノ滝」と言う地点に到着。今夏は雨が極端に少ないためかどこを見回しても水は落ちていなかった。(被写体が一つ減って残念)(ここにあった登山道案内図)  ここで小休憩を取る。湿気の多い樹林下の歩きで汗ダクダクである。あらためて周りを見ればさすが木曽の深山である。なかなかの檜の美林である。 さて腰を上げ、20分程登るとようやく尾根上の、地図で1278mと表示されている小ピークに着いたようだ。巨岩の転がる道も終わったかに見える。


切り立った岩
10分程行くと垂直に長い木の梯子がかかっている地点に出る。3点確保しながら梯子を登る。シャクナゲが出始めた。 更に5分程急な道を進むと岩が積み重なったところに掛けられた本格的な鎖場が出てきた。(1400m) 左は谷底までガレていて足がすくむ。 ここの鎖場の一部分には足がかりがなく、手だけで鎖を引いて体を引き上げるしかないところがあり、後から振り返るとコース中でここが最も緊張したところだ。



高度を増して来て展望がだんだん良くなってきた。(1400m) ショウジョウバカマが岩の表面にしっかりとロゼットを広げている。 下山用の尾根の斜面には巨岩がそそり立って見え、山水画の風情である。
この後、さほど緊張する場所はなく、イワカガミの群生した急な岩尾根を1500m、1600mと登っていく。サラサドウダンも目についた。
金時池分岐の指導標がある地点に達すると右上部に高まりが見えそれが山頂のようだ。岩尾根がクマザサの尾根に変わった。




登山道が平坦になったと思ったらそこが三角点標石の場所だった。(10:25) 樹林に囲まれて薄暗く全く展望はない。 数メートル進んだところの右に大岩があり、南木曾大明神が祀られていた。なお大岩の上の石はどうやって乗せたか気になったので、下山後南木曾町に問い合わせたところ、麓から運び上げたとのことであるがちょっと信じがたい。 その左の、木の根を攀じて上がったところが花崗岩の巨岩上の展望台だ。 三角点より2mくらい高い。4人が休息、談笑していた。 この展望台は樹林に囲まれない南西から西にかけての木曽川を挟む対岸の山々が展望できる筈であるが視界は悪かった。


2等三角点

山頂にある南木曾大明神の大岩

大岩の展望台から南西方向



山頂北にある避難小屋
20分の休憩の後、下山を開始する。(10:45) 下山道は山頂付近に伸びやかに拡がる笹原の中を左に向かって付けられている。 笹原の中の窪地にある避難小屋の赤い屋根が鮮やかなアクセントとなっていた。 上野原への登山道の分岐を見送り、気持ちの良い笹原を進む。一旦鞍部へ降り、また登り返すと1675mのピークである。(11:30) 

山頂を見送る
このあたりからは中央アルプスが望める筈であるが今日は霞んで全く見えない。クマザサに混じってイワヒバが群生している。 摩利支天には寄らない。このピークを過ぎるとすぐに急勾配の尾根道が始まった。道というより階段に近い。 早速出たほぼ垂直な10mくらいの梯子2つや鎖場を慎重に降りる。陽が陰っていて涼しいのが嬉しい。イワカガミに混じりツバメオモトが群生している。

(中略)

沢の水音がだんだんと高くなってきてようやく下山道合流点(分岐点)に着いた。(12:55) 後は往路を引き返し、駐車場に着いたのは13:30であった。


登山道と下山道の合流地点の指導標
ガイドブック等を見なかったのでコースにあるカブト岩、摩利支天、男滝・女滝などの見所を見逃してしまって残念。 
※標高の値はGPSの指示値によるものです。

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