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:::仮面の男::: --------------------------------------- 豆次郎の顔はヒョーキンである。 鼻の下にチョビひげがあり、それが笑いを誘う。 初めて動物病院へ連れて行った時は大爆笑の嵐 だった。しかし、その顔に騙されると痛い目に合う のである。若かりし頃は先生やAHTのお姉さんを よく手こずらせていた。診察台ではシャーッ、ハー ッと威嚇しまくり、お泊りの時には私みずから病院 のゲージの中から出さねばならなかったという・・・ あの時の豆次郎の怒りはすさまじく、私までビビっ てしまった。 そんな豆次郎にもついに天敵が現れた。 我家の隣の隣に引っ越してきた小学生の男の子。 その子がしつこく追いかけまわすので、豆次郎は 彼の姿を見ると逃げるようになってしまった。しかし、 このまま黙って引き下がるような豆次郎ではなかっ た。ひそかに復讐のチャンスを狙っていたのである。 ある日、のんびりとひなたぼっこをしていた豆次郎 のところに彼と彼のお兄ちゃんが近づいて来た。 不意をつかれた豆次郎は、へっぴり腰でオロオロし ている所をお兄ちゃんに抱っこされてしまった。母と 私がそばにいるし、彼らも犬を飼い始めたので、手 荒な事はしないだろうと思い、成り行きを見守って いた。お兄ちゃんが豆次郎を抱っこしているのが、 よほど羨ましかったのだろう。彼も手を伸ばして触 ろうとした。と、その瞬間、強烈な猫パンチが炸裂 したのである。目をまん丸にして驚いていた彼・・・ 豆次郎、あんたはやっぱり侮れないやつだわ。 --------------------------------------- back/next |