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:::仮面の男:::

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豆次郎の顔はヒョーキンである。
鼻の下にチョビひげがあり、それが笑いを誘う。
初めて動物病院へ連れて行った時は大爆笑の嵐
だった。しかし、その顔に騙されると痛い目に合う
のである。若かりし頃は先生やAHTのお姉さんを
よく手こずらせていた。診察台ではシャーッ、ハー
ッと威嚇しまくり、お泊りの時には私みずから病院
のゲージの中から出さねばならなかったという・・・ 
あの時の豆次郎の怒りはすさまじく、私までビビっ
てしまった。

そんな豆次郎にもついに天敵が現れた。
我家の隣の隣に引っ越してきた小学生の男の子。
その子がしつこく追いかけまわすので、豆次郎は
彼の姿を見ると逃げるようになってしまった。しかし、
このまま黙って引き下がるような豆次郎ではなかっ
た。ひそかに復讐のチャンスを狙っていたのである。

ある日、のんびりとひなたぼっこをしていた豆次郎
のところに彼と彼のお兄ちゃんが近づいて来た。
不意をつかれた豆次郎は、へっぴり腰でオロオロし
ている所をお兄ちゃんに抱っこされてしまった。母と
私がそばにいるし、彼らも犬を飼い始めたので、手
荒な事はしないだろうと思い、成り行きを見守って
いた。お兄ちゃんが豆次郎を抱っこしているのが、
よほど羨ましかったのだろう。彼も手を伸ばして触
ろうとした。と、その瞬間、強烈な猫パンチが炸裂
したのである。目をまん丸にして驚いていた彼・・・

豆次郎、あんたはやっぱり侮れないやつだわ。

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