雑記帳 (Notebook)


傾き(grade)は2種類ある? (その11)

弦の設計でインハーモニシティ値は 周波数が2倍になると 2x2=4倍とならなければならないそうです。
しかし、物の本では それでは不可能なので√2を採って 2x√2=2.828倍を使用するとの事です。

例えば A(49)が 0.55の場合 A(61)は 0.55x2.828=1.5556。 1キー分は 12√2=1.0595 なので B(50)は 0.55x1.0595=0.5827 となります。

その計算式 grade^((key-49)/12)を"等比数列式"と呼びます。("^"はべき乗記号です) それを 0.2から 4.2まで 0.5ずつ表示してみます。

graph. grade-straight.png

御覧の様に間隔が一定になりません。

そして Y=a+bX^2や cosh(grade*key)の双曲線を使った式があります。
その coshの式で -0.15から 0.15まで 0.03ずつ表示してみます。

graph. grade-curve.png

以上の事から 2√2などは弦の設計で使用し、0.087などは ここでの傾き(grade) として使用しています。
また、単純に 直線(Straight)-2√2など-、曲線(Curved)-0.087など-と呼ぶ事もあります。

二つの式は

等比数列式 : 双曲線式
---------------------
...
0.200  : -0.134120
0.210  : -0.130054
0.220  : -0.126177
0.230  : -0.122473
0.240  : -0.118926
0.250  : -0.115525
...
0.980  : -0.001684
0.990  : -0.000838
1.000  : -0.000000
1.010  :  0.000829
1.020  :  0.001650
1.030  :  0.002463
...
1.390  :  0.027442
1.400  :  0.028039
1.410  :  0.028632
1.420  :  0.029221
1.430  :  0.029806
1.440  :  0.030387
...
2.810  :  0.086099
2.820  :  0.086395
2.830  :  0.086690
2.840  :  0.086984
2.850  :  0.087277
2.860  :  0.087568
...
3.950  :  0.114476
3.960  :  0.114687
3.970  :  0.114897
3.980  :  0.115107
3.990  :  0.115316
4.000  :  0.115525
...
---------------------

以上の様に対応しています。

また「インハーモニシティの傾き (Inharmonicity grade)」で見た様に 弦設計が 4の値では 倍音にずれが無くなって、しかもその前後では`うなり'の逆転が 起こり安い 不安定な値であり、2√2では倍音のずれが一番大きくなると言う事が分かります。