ユニゾンについて (Unison) v0.1.2


ピアノ弦のインハーモニシティありの場合を Inharmonicity FFT(IFFT) を使って見てみます。

例えば A(25) 110[Hz]で インハーモニシティ値の異なる 2本の弦を合わせるとします。
Ch.1は(0.993)に固定し Ch.2は半音下から100[cent]上げて(0.099)・(0.09)・ (0.08)と変えた場合の`うなり'です。

基音で`うなり'を 0にするため Ch.2は数セントずれます。 (0.099)の目盛は最大にしてあります。(0.0993)の時のうなりは全て 0ですから 省略しました。

unison-10.099 unison-20.09 unison-30.08

その時の FFTでのグラフです。

unison-f-0.0990.099 unison-f-0.090.09 unison-f-0.080.08 unison-f-0.09930.0993

参照 >ピアノの設計:弦編 (Scale)


実際のピアノでは どうでしょう?

〔UPの2本巻き線のインハーモニシティ差の参考値〕
#LeftRightBalance
10.17670.18120.0045
20.17180.17630.0045
30.13780.13930.0015
40.14080.14450.0037
50.11850.12120.0027
60.11580.11850.0027
70.10360.10600.0024
80.10240.10520.0028
90.10120.10410.0029
100.10780.11080.003
110.10750.11050.003
120.10810.11120.0031
130.10920.11190.0027
140.11020.11350.0033
150.09680.09930.0025
160.09700.10200.005
170.06430.06430
180.06670.06670
190.06970.06970

差を(0.0033)として A(13) 55[Hz] Ch.1 (0.1393)・Ch.2 (0.136)の場合のユニゾンの`うなり'を -1〜+3[cent]に変化させて見ます。

unison-136-1-1 unison-136-20 unison-136-31 unison-136-42 unison-136-53

その時の FFTでのグラフです。

unison-136-f1-1 unison-136-f20 unison-136-f31 unison-136-f42 unison-136-f53

もう少しインハーモニシティ値が異なる(0.0093)とどうなるでしょう?
Ch.2を (0.13)にした場合 -1〜+4[cent]まで変化させて見ます。

unison-13-1-1 unison-13-20 unison-13-31 unison-13-42 unison-13-53 unison-13-64

その時の FFTでのグラフです。

unison-13-f1-1 unison-13-f20 unison-13-f31 unison-13-f42 unison-13-f53 unison-13-f64

インハーモニシティ差のある場合は ユニゾンでもオクターブ・5度・3度でも 和音はこのような倍音の`うなり'の変化の仕方をします。
例えば 5度(3:2) A(25):E(32)の場合。

5th-3 5th-3f

共鳴する A(25)の 3の倍数の倍音に これまでに見られたような`うなり'の変化が見られます。

共鳴はインハーモニシティ差が大きい程 同調する倍音の幅 (数 or 高さ)が狭くなります。

またインハーモニシティ差のある場合の共鳴点は 基音でピタリと合わせるよりやや高めの方がスペクトル的(?)には 音量が豊かになるように見受けられます。

(変更履歴:
v0.1.2 ['14/11/23] HTML5版を追加しました。
「エンベロープで見るユニゾンのシミュレーション (Unison Simulation of Envelope)」

unison envelope html5 HTML5版です。

v0.1.1 ['13/06/01] cssとJavaScriptファイルを別にしました。)


Dobashi.M
Last modified: 1月 03日 火 16:04:13 2023 JST