高齢者虐待防止・対応指針（マニュアル）

 

　この指針（マニュアル）は、施設における事業に係る虐待を防止する為の体制を整備することにより、利用者の権利を擁護するとともに、利用者が介護サービス等を適切に利用できるように支援する事を目的とする。

 

１．虐待防止に関する基本的事項

　「身体的虐待」

　　　利用者の身体に外傷が生じ、又は生じるおそれのある暴行を加えること。

　「介護・世話の放棄・放任」

　　　利用者を衰弱させるような著しい減食又は長時間の放置。その他利用者を養護すべき職務上の義務を著しく怠る事。

　「心理的虐待」

　　　利用者に対する著しい暴言又は著しく拒絶的な対応。その他の利用者に著しい心理的外傷を与える言動を行う事。

　「性的虐待」

　　　利用者にわいせつな行為をする事又は利用者をしてわいせつな行為をさせる事。

　「経済的虐待」

　　　利用者の財産を不当に処分する事。その他利用者から不当に財産上の利益を得る事。

 

2．虐待防止に関する検討委員会等の設置について

　利用者に対する虐待防止に努める観点から、対応を担当する委員会「安全・拘束・虐待対策委員会」（以下「委員会」とする。２か月に１回の開催。）を設置しています。

　委員会は、委員長・副委員長・各フロア・部署のメンバーで構成され、虐待の防止や万一虐待等が発生した場合の迅速な対応に努めるものとし、次のような内容について協議するものとする。

　・虐待防止のための指針（マニュアル）等の整備に関する事。

　・虐待防止のための職員研修の内容に関する事。

　・虐待等について、職員が相談・報告できる体制整備に関する事。

　・職員が虐待等を把握した場合に、市町村への通報が迅速かつ適切に行われる為の方法に関する事。

　・虐待等が発生した場合、その発生原因等の分析から得られる再発の確実な防止策に関する事。

　・再発の防止策を講じた際に、その効果についての評価に関する事。

 

3.　虐待防止のための職員研修について

　本指針（マニュアル）に基づく虐待の防止・対応等を職員に周知徹底させる為に、定期（年２回）及び臨時（随時）に全体研修若しくは各部署にて研修、また職員採用時においては各部署にて研修を行います。また、外部協議会等により提供される研修等には積極的に参画し、利用者の権利擁護とサービスの質を低下させないよう常に研鑽を図ります。

 

4.　虐待又はその疑い（以下「虐待等」という）が発生した場合の対応方法について

　虐待等が発生した場合には、速やかに市町村に報告するとともに、その要因の除去に努め、客観的な事実確認の結果、虐待者が職員等であった事が判明した場合には、役職位の如何を問わず厳正に対処します。

　また、緊急性の高い事実の場合には、市町村及び警察等の協力を仰ぎ、被虐待者の権利と生命の保全を優先します。

 

5.　虐待等が発生した場合の相談・報告体制について

　職員等が他の職員による利用者への虐待を発見した場合、速やかに市町村に報告します。

　速やかに所属長へ報告し、虐待者が所属長であった場合は、他の所属長等に相談します。

　所属長は、上記職員等や苦情相談窓口を通じての相談及び報告があった場合には、報告を行った者の権利が不当に侵害されないよう細心の注意を払った上で、虐待等を行った当人に事実確認を行います。虐待者が所属長の場合は、他の所属長等が代行します。また、必要に応じて関係者からの事情を確認します。これら確認の経緯は、時系列で概要を整理します。

　事実確認の結果、虐待等の事象が明事実であることが確認された場合には、当人に対応の改善を求め、就業規則等に則り必要な措置を講じます。

　上記の対応を行ったにもかかわらず、善処されない場合や緊急性が高いと判断される場合は、外部機関に相談します。

　事実確認を行った内容や、虐待等が発生した経緯等を踏まえ、委員会に置いて当該事案がなぜ発生したかを検証し、原因の除去と再発防止策を作成し、職員に周知します。

　施設内で虐待等の発生後、その再発の危険性が取り除かれ、再発が想定されない場合であっても、事実確認の概要及び再発防止策を併せて市町村に報告します。

　必要に応じ、関係機関や地域住民等に対して説明し、報告を行います。

 

6.　成年後見制度の利用支援について

　利用者又はご家族に対して、利用可能な成年後見制度について説明し、その求めに応じ、社会福祉協議会等の適切な窓口を案内する等の支援を行います。

 

7.　虐待等に係る苦情解決について

　虐待等の苦情相談については、苦情相談窓口担当者は、寄せられた内容について苦情解決責任者に報告します。当該責任者が虐待等を行った者である場合には、他の上席者に相談します。

　苦情相談窓口に寄せられた内容は、相談者の個人情報の取り扱いに留意し、当該者に不利益が生じないよう、最新の注意を払います。

　対応の流れは、上述の 「5.　虐待等が発生した場合の相談・報告体制について」に依るものとします。

　苦情相談窓口に寄せられた内容は、相談者にその顛末と対応を報告します。

 

8.　利用者等に対する当該指針の閲覧について

　利用者等は、いつでも本指針を閲覧することができるよう、当施設ホームページにおいて、いつでも閲覧が可能な状態とします。

 

 

令和６年４月施行

 

医療法人社団今城会

介護老人保健施設メディケアー君津