自転車吉野サイクリング
Under-Construction

吉野サイクリング

(2006/08/13)


お盆サイクリング単独行として、吉野大台が原方面に行ってきた。時系列に思い出しながら書いてみる。

自宅→あべの橋 自走
あべの橋→吉野 輪行
吉野→上千本→吉野大峯林道→五番関→洞川→天川→みたらい渓谷→行者還トンネル→新伯母峯トンネル→大台が原
大台が原→上市 バス
上市→自宅 輪行
Dist. 105.90km + 約10km
総上昇 2300m (地図から推定)

先日の、シルベスト裏高野サイクリング以来、高野吉野方面の山&高原道路が気に入ったのでお盆のサイクリングでも計画した。同行者はいなかったので単独行。かなりの田舎道を走るので、トラブルに対して自力で十分な対策を取れるよう、準備した。目標は、吉野大峯林道、行者還トンネル、大台が原。どれも1000m近い登りだ。

自宅出発 4:00。まだ暗い。自走であべの橋まで。淀川河川敷は車止めの位置を完全に覚えていないので北岸→赤川鉄橋経由で。1時間で付くと思ったがちょっと遅れ気味で慌てる。5:05 到着。dist 30km。自転車をばらして電車に乗る。5:28。ちょうど明けたころ。始発の高野行き各駅停車。空いていて角の席を確保できた。近鉄南大阪線は駅が細々あって遅い。吉野線は入れ違いなどで遅い。1時間ほど寝るがあまり寝れなかった。7:20着。吉野で下りた人は2人。

自転車を組み立ててスタート。商店には人がいないものの、開いている店もあるみたい。観光客は全然いない。七曲がり→門前町のコースで進む。門前町はフラットだと思ったけどけっこう傾斜がある。中千本をすぎて上千本の分岐へ。斜度20%ぐらいのコンクリ打ちの道が出現。間違えた?と思うが標識はそれを示している。立ち漕ぎで登る。一度緩むが上千本まで延々と続く。いきなり心折られかける。水分神社をすぎたあたりから傾斜は緩むがそれまでは20%ペース。延々と立ち漕ぎ。金峯神社をすぎると10%ぐらいに落ち着く。金峯神社の入り口は修行門とかかれている。これまでで十分な修行を登ってきたが、これからが本番ということか。

金峯神社 修行門

緩むといっても10%ぐらい。アマチュア無線の方がアンテナを立ててモバイル運用されていたのが3局ぐらい。青根ヶ峰をすぎると、吉野大峯林道に入って見通しがよくなる。道幅は1.5車線ぐらい。高度もあってすごしやすい。見晴しもよく、どこを見ても山。どうしてこんな山奥にというぐらいの、いい道が続く。じりじりと登る。山の中腹を通っている道が写っている。先を見てしまうと、まだこんなに続くのか、とイヤになる。五番関を越えたら黒滝側に下って帰ろうかな、とも思う。天気も見晴しも道もよかったのだが、疲れのせいであまり楽しめなかった。どっちを見ても山ばっかりだし、延々と道が続くのが見えるだけ。

吉野大峯林道

ようやく登りだけでなく下りも出てきて、尾根道の雰囲気。川上村への分岐をすぎると見晴しも悪くなり、五番関への登り。どうにか五番関まで行って下ろう、と考えていたが、手前の大天井滝で思わず休憩。休憩所があり、橋を渡って滝に行ける。橋は耐加重5人。頭から水を被ってリフレッシュ+水分補給(飲用は自己責任で)+あんパン。

大天井滝大天井滝

この休憩と五番関からの下りで折れた心が繋がった。下りは杉林のあいだを下っていく。道幅もひろく走りやすいが落石とグレーチングに注意。吉野全域に言えることだが、路面の小礫は落石由来のものなので角が立っていて踏むとパンクの危険性あり。湧き水が多いので路面に溝を掘ってグレーチングを被せてあるのだが、裏返っていたり、隙間が開いていることがあるので注意が必要。

五番関トンネル洞川への下り

洞川は、妙に商売っ気の多い観光地の雰囲気。一般観光客が多い。ゴロゴロ水ブランド、修験ブランドを売りだし中な感じ。吉野登山の起点なので登山の方が多い。修験道のカッコをした方もいた。ごろごろ水は水量も少ないし、汲み出し禁止。補給は大天井滝でしておいたほうがいい。

ゴロゴロ水

r21 は広くて下り基調なので飛ばせる。虻トンネルから先はうねうねと急降下。天川まで下って、かどや食堂で昼食。10:00。巻き寿司(400円)。すこし残してテイクアウトに包んでもらう。ガリをサービスで多めに入れてくれた。トイレを借りる。すこし出たので水分補給は順調みたい。

巻き寿司

R309、みたらい渓谷方面に進む。川辺でアウトドアを楽しんでいる方が多い。まだ元気が残っていたので自転車に乗っていたが、疲れていたなら、自転車を中止して川で1時間ぐらい泳いでいたと思う。深い淵ときれいな水、奇岩が美しい。川沿いをだらだら登る。登りだが、吉野の傾斜に比べたら精神的に楽。泳ぎとバーベキューの薫りの誘惑に負けないように進む。

みたらい渓谷みたらい渓谷 なめ滝

川迫ダムを過ぎてしばらくすると本流を外れて林道っぽくなる。沢登系の方々もみかける。高度が上がってきて、大きく道は折り返す。今来た道がはるか下に見え、遠くに双峰の山が見える。たぶん、弥山と八剣岳(近畿最高峰)。さらに折り返すと、道は崖の切通し。対岸は岩肌が急峻な行者還岳。

行者還林道行者還林道

ここまでくるとトンネルはすぐ。めちゃくちゃ急な登りもなく、マイペースでトンネルまでたどり着けた。11:30。西側は駐車場になっていて、弥山方面に出かけているみたい。行者還トンネルは1kmほどの直線のトンネルだが、明かりがまったくない。向こう側がかろうじて見えている。内部はひんやりとしていて、冷たい風が吹き出してきている。着いた第一声が「寒っ」。ライトはあるが、外の明かりに慣れた目にはほとんど無意味。出口の明かりを目指して暗闇の中を進む。足下も見えない。宙を飛んでいるみたいとか、タイムトンネルとか形容されている。エンジン付きの乗り物が通ると、エンジン音がウォーンと響いて、地獄からの呻き声みたいだ。

行者還トンネル

トンネルを出ると下り。雨がポツポツしてきたので先を急ぐ。稼いだ高度がもったいないけど、どんどん下る。700m以下になると蒸し暑い。トンネルの西側は道が荒れ気味だが、東側は路面がきれいで傾斜は急。東側を下りにもってくるのがいいと思う。R169に入ると登り。新伯母峰トンネルの手前で本降り。一通り濡れる。トンネルを出たら小降りになっていた。このまま下ろうかとしばらく迷ったが、上の方は晴れているので、大台が原に登ることにした。

12:20スタート。行程は20km、前半はかなり急な登り。伯母峰峠をすぎると斜度がすこし緩まるが、あいかわらずなだらかに登る。天気は雨だったり、晴れだったり、霧だったりとめまぐるしく変る。上北山分岐を過ぎるとさらに斜度は緩まり、尾根道になる。霧が晴れれば両側は谷で高低変化はアップダウンになる、といっても10%ぐらいの斜度だったりする。

分岐を過ぎた、残り10kmあたりで、力尽きる。両足のフクラハギと太股の内側が同時に攣る。路側の休憩所でスポーツドリンクとゼリー補給。でも、おなかがタプタプで吸収されない。マッサージとストレッチして凌ぐ。路側に、r40の起点(ビジターセンター)からのキロポスト表示があるので、残り距離はわりと正確にわかる。再開しても、ちょっとした登りでインナーローが回らない。力が入らない。霧で視界最悪、メーターは雨に濡れてスピードとトリップメーターが表示されず、何キロで進んでいるのか、あと何分かかるのかわからない。頭が朦朧としてきた。ここまで来たら這ってでもゴールする、という思いだけで進む。尾根道のちょっとした登りが恨めしい。

なんとか最後の登りを立ち漕ぎで越えてゴール。14:00。ゴールしたら、青空が広がり、疲れがふっとんだ。メーターも生き返っている。あの10kmが幻みたい。

大台が原

トイレ借りる。すこし出る。脱水症状ではなさそう。100円。天気は晴れたり曇ったり。見晴しもあったりガスったりめまぐるしくかわる。気温は21℃でさっぱり。車やオートバイで来ている人も多い。すれ違いも含めて見かけた自転車は2台。ポスターにある、立ち枯れの風景で有名な正木峠は徒歩60分ぐらいかかるそうなので行かないで周辺を散策。

大台が原大台が原気温21℃

尾根道のアップダウンを越えていく残り体力、下りの集中力、R169で吉野まで37kmの車道の下り、夕方雷雨の天気予報、などを考慮して、バスで上市まで帰ることにした。結果からすれば、途中リタイヤということだ。下りのバスは 14:15,15:15 にある。1h40m で、大和上市まで行き、近鉄の急行と特急に接続している。人間=2000円、自転車は輪行袋に入れれば手荷物=200円で搭載可能。バスで帰ることにしたのでおみやげを買い込む。2100円。大台が原散策のときに、手袋を落した(泣)。

後から振り替えるに、反省点は2点ある。一点目は、登りさえすれば下れると思っていたこと。尾根道のアップダウンとR169の37kmを甘く考えていた。二つ目は、登りの途中だが、伯母峰峠など、途中でもっと大休止を挟むべきだった。スポーツドリンクだけでなく、あんパンなど固形物でエネルギーを補給し、脚を休めたら、もしかしたら、もうすこしまともに上がれたかもしれない。当初予定では行者還トンネルか、新伯母峯トンネルで昼食と思っていたが、雨のため急いでしまったのだ。一点目については、そうはいっても、登るという判断は正しかったと思う。下りのバスがあることは事前に知っていたし、まっすぐ自走で下れても、チャレンジすればよかった、と後悔が残ったと思う。二点目については、まだ長距離の練習が不足している、ということだ。一番大きな原因は、実力よりもコースの難度が高かった、というだけ。大台が原は、体力を鍛えなおして、コースも再吟味して、頂上散策込みで、再チャレンジしたい。登りは、十数パーセントを越えると極端にダメージを受けるようだ。その辺の範囲も普段の練習に取り入れた方がいいだろう。

バスが上市に着いた直後、激しい雷雨。急行に乗り込む。落雷による停電で信号故障、大雨による速度制限などで電車は遅れつつもあべの橋着。ここからは混むので自走と思っていたが、おみやげを大量に買ってしまっていたので、自宅最寄り駅まで輪行。お盆のせいか、電車はそんなに混んでいなかった。

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