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青山高原ウィンドファーム(2003/07/31)

会社の同僚でやってるフォトコンの8月のテーマが「風」というムズカシイものでした。基本的に「動」であって、しかも、目に見えないものを写真に写せというのだ。前々から興味があった、風力発電にテーマを絞って、いろいろと調べてみると(本当は宮古の西平安名崎まで撮りに行きたかったのだが)、三重県の久居市に大規模な風力発電場があるとのこと。夏休みの一日を使って撮影に出かけてきました。風力発電用の風車って、細身の曲線美がいい体つき。

近畿道→阪奈道路→名阪国道で、車で2時間ちょっと、12:00 には現地に到着。着いてから昼飯でも、と思っていたけど、駐車場と施設棟があるだけで、売店は無し。その辺は公園、遊歩道として整備されていたので、ブラブラあるきながら撮影する。標高と風通しのせいか、けっこう涼しく感じる。辺りは芝生の公園で、よく整備されていて、ビニールシートを広げてランチをしている人も多い。生物分解の「エコトイレ」もあるところが、「エコ風車」らしい。ウグイスとセミとクツワムシの鳴き声が耳についた。

風車に近寄るなら、ウィンドファームの駐車場へ。全景を眺めたいのならその手前のふるさと公園の第六駐車場からが良いでしょう。

風車全景

駐車場の近くの管理棟には、簡単なマップと資料などがおいてあります。この日は弱い風(4m/s)で、一基平均 40kW ぐらいの出力がありました。

敷地の地図

風車知識編

青山ウィンドファームの風車は、オランダの LAGERWEY 社製で、大きな特徴としては、ギア無しのダイレクトドライブ式だということです。通常の風車は、ギアによる増速機を搭載していて、羽根の回転を発電に適した速度に調節するのですが(ゆっくりした風でも効率よく発電できる)、ダイレクトドライブ式の場合、ギアがありません。メリットとしては、ギヤの騒音が無くなる、ということでしょう。構造がシンプルなのがいいですね。ただし、インバーターの「ウィ〜ン」という音はそこらかしでしてました。

青山ウィンドファームは、24基の風車が稼働していて、本州最大だそうです。ウィンドファームっていうのは、風力発電所のことです。

ナセル拡大
機械部の拡大
項目仕様注釈
全般風車形式水平、アップウィンド
性能カットイン(起動)風速3m/s
定格風速12.5m/s
カットアウト(停止)風速25m/sこの風速を越えると風車は羽根のピッチを制御して、回転を停止します(風を受け流す)
定格出力750kWたぶん、25m/sの時。
最大耐久風速60m/s
ローター直径50.5m
速度制御可変速 18〜32rpm
回転数時計回り
ブレード枚数3枚
材料GFRP
取りつけ固定
増速機増速ギアなし
運転制御出力制御ローター可変速
風向き制御強制ヨーナセル(機械室)の後ろに付いている小さな風向風速計で風向きを測定して、モータで風車正面をそっちに向けます。
ピッチ制御可変ピッチ制御ピッチとは羽根のネジれ具合いのこと。
発電機形式多極同期発電器
定格出力750kW
極数84極
出力電圧690V
周波数60Hz同期式発電器からは、風車の回転数に比例した周波数の電力が出てくるが、それをインバータで60Hz に直していると思われる。
周波数制御/系統連係方式AC=DC=AC
起動方式突入電流なし
タワーハブの高さ50m

久居、青山高原

三重県の久居市と上野盆地の境目に広がる稜線で、笠取山(842m)が一番高いことになるのでしょうか。北は鈴鹿産地、南は高見山地に囲まれていて、伊勢湾から琵琶湖に抜ける風の道になっています。風通しの良い高原ということもあって、けっこう涼しく、快適にすごせます。道は尾根伝いのスカイラインで、見晴しがよく、周囲も芝生をしいた公園として整備してあって、昼食を持って上がって、ハイキングをしている人も大勢いました。東海自然歩道もここを通っているらしいです。別荘地にもなっているようですが、別荘は全然売れてないみたいでした。

また、大阪と名古屋に睨みが効くのか、航空自衛隊のレーダ基地があります。この辺の地形は実に興味深いので、ぜひ地図帳を引っ張り出してきて、ご覧下さい。

地図

近藤靖浩