ダイビングの情報 > LOG >比良山系 白滝谷 沢登り(2003/09/27)
7:45 出町柳をバスで出発 8:45 坊村着。車道を行く 9:45 牛コバ着。準備、朝飯。 10:15 入渓 14:15 夫婦滝着。登山道に戻る 16:30 JR 志賀駅着
学生時代からの友人であるさくたろ〜氏が来阪するというので、彼の得意とする沢登りに連れていってもらうことにした。私としてはいつかやってみたかった遊びであるが、今回が初体験。経験豊富なさくたろ〜氏に全部おまかせだった。入門として適切と思われる、白滝谷に入る。急に実行にうつしたことにより情報あつめが不十分で、Web で集めてきた情報と登山用マップが頼り。
出町柳でバスに乗り、坊村で下りる。付近は茅葺き屋根の民家や水車があって雰囲気が良い。一時間ほど車道を進んで牛コバと呼ばれる地点で朝食。ここから左手に行けば奥の深谷、右に行けば白滝谷になる。
牛コバから入渓してスタートした後、しばらくは普通の渓流。足慣らしということで渓流を遡行する。水はけっこう冷たい。背丈ぐらいの岩を越えたり、膝ぐらい水に漬かりながら進む。あたり前だが、沢登りに道は無い。我々の他に沢には人はいない。子供のころ、釣り竿をもって渓流を登っていったことを思い出す。
しばらくそんな感じで一時間ぐらい進んでいった。あとでわかったことだが、牛コバから木橋2つを越えたあたりから入渓するぐらいで丁度よいらしい。ちょっと単調さを感じ始めたころに、第一の滝が現れた。これが滑り石??良くワカラン。右手の壁ぞいに進んでいくのだが、念のためロープを出してもらう。さくたろ〜氏が先にすすんで、ハーケンを撃って、ロープを私のハーネスに括り付ける。本格的だ。一応なんなくクリア。
さらに登っていくと、左手の方に支流が分かれる、本流からすぐの所に30mぐらいの滝があったので見物に行く。地図によると、この滝の上は、白石谷とクルシ谷になっているようだ。左側の壁に残置ハーケンなどがある。これを登った人もいるらしい。我々は本流に戻る。ここからしばらくは小滝のある渓流が続く。だんだん、傾斜が急になっての流れもきつくなってきた気がする。
そうこういっているうちに、またもや本格的な滝(落差10mぐらい)が登場。これが白滝かな?手前の滝壺を左にわたり、左の壁を登る。まずはさくたろ〜がロープを持ってあがり私のハーネスと繋ぐ。なんとか自力でのぼりたかったが、上の方は手がかり、足掛かりがなく、無惨に滑り落ちる。気を取り直して、ルートをみつけなおしてやっと上がった。
これがフィナーレかな、と思ったらこれからが本番。滝が連続する。なめ滝に続いて、三段12mの滝の次は、斜瀑15m。この辺になると、だいぶ慣れてきて、シャワーを楽しみながら滝の流れの中を登っていった。
締めは、2段2条の18m滝。2つの滝の間を登る。岩が濡れて滑りやすいけど、ホールドが多く、なんとか自力で登れた気がする。
その先にあるのが、35m二条の夫婦の滝。おとついに大雨が降ったこともあって、水量が多く、大迫力である。当然ながらこれは登らない。沢登りはここで終点として、近くを走っていた登山道にもどり、装備を解いて着替える。ハイキングツアーの人が100人ぐらいいて、いろいろと話しかけられた。
かなり予定時間をオーバーしていたので先を急ぐが、ハイキングツアーで渋滞していたため、先に進めそうにないので昼食にした。ちょうどその場所に、大文字草が生えていることを、ツアーガイドの方に教えて頂いた。写真では見てたけど、実物を見たのは初めてかもしれない。ちいさくて可愛い花だ。
昼食後、登山道を上がってびわ湖バレイ→木戸峠→クロトノハゲ→JR志賀駅へと下山した。クロトノハゲ付近で、林の切目からの琵琶湖の眺めが良い。
写真のうち、ファイル名が sirataki3.jpg と taki2.jpg はさくたろ〜氏の撮影による。彼のカメラは、Sony の DSC-U60。各所でアウトドアでの機動性の良さを発揮していてうらやましい。
これは大変だ。経験豊富なさくたろ〜氏がロープで安全確保してくれたけど、これは本格的な岩登りだ。一歩間違えたら死ぬかもしれない。でも、その分、達成感はすばらしい。
野性を感じる。沢登りには登山道のような道は無い。通常のダイビングのようによく開発されたポイントで潜るのでも無い。難所に残置ハーケンがあったりするのがわずかに人間の形跡を感じさせるのみである。安全に自然と触れ合うという言葉はあてはまらない。普段はみせない野性を見せた自然と向き合う感じがした。それがとても新鮮だった。
危険につき立ち入り禁止という看板を乗り越えて入る、登山道以外に足を踏みいれて苔に足跡をつけてみる、岩にハーケンを打ち込んでみる、(今回はしなかったが)魚を釣って食べてみたり、直火の焚き火の炎を囲んでみたり。沢登りでは、ことごとく「良くない行動」をする。おかげで、危険を伴うし、快適でもない。そのかわり、しばらく忘れていたわくわくするような冒険気分を味わうことができる。こんな気分は、水納島に行った時以来かもしれない。次回は、泊りの沢登りにチャレンジしてみたいと思う。
わざわざ、関西まで登坂道具を持ってやってきて、沢の楽しさをおしえてくれたさくたろ〜氏に感謝。