家庭コンピュータ環境の模索 >デジカメ選定ガイド
初稿 (2001/10/28)
更新 (2003/11/03)

知り合いがデジカメを買うというので、そのガイドとなる文章を書いてみました。 ここに公開します。ちょっとは皆様の参考になりましょうか。

ここに書いてある情報は、基本的に 2001/10 時点でのものです。フィードバック をいただいたことを機に、若干の追記を緑色の字で行いました。


1. 予算

現在の技術は魔法ではないので、同じような予算だと似たような製品になり ます。限られた予算の中で、どの部分に注力するかで製品の個性が出てくるので す。自分の理想とするデジカメと、製品が力を入れている部分がなるべくマッ チするものを選ぶのが良いでしょう。

2. 解像度

デジカメを語るときに必ず話題になるのが解像度ですが、200万あれば十分。 解像度が大きいと感度が悪くなったりノイズっぽくなります。でも、それは 技術でなんとかしてあるので、あんまり心配しなくても良いです。解像度が 高い=高級機なので、高級機の機能が使いたい時は、解像度が良いのを選び ます。

200万画素=ポストカードサイズ。
300万画素=A4印刷。と言われています

3. 電池

デジカメは電池で動かすので、電池回りは重要です。

A. 単三乾電池
アルカリもしくはニッケル水素電池(Ni-MH)しか使えず、一 般のマンガン乾電池は使えない場合が多いです。どこでも買えるアルカリ 乾電池が使えるのは強い。Ni-MH は別売で自分で買わなければならないが、 安くて2セット買うなんてことが気楽にできる。
2本セットのタイプと4本セットのタイプがある。充電器が選べるので世界 中の電圧で使えるタイプの充電器を使うとさらに便利がいい。
乾電池モデルには、専用リチウム電池(充電タイプではない)も使えるよう になっているものが多い。このリチウム電池もだいぶ、コンビニで売って いるようになってきた。ストックして日常使いでも問題ない。1000円の電 池で1000枚以上撮れると思う。
B. リチウムイオン充電池
専用なので小型化できるが高い。移動して使う場 合、予備の電池を持ちあるく事は必須といえよう。最初に予備電池を買っ ておくこと。後で買おうと思ってると品切れてたり入手困難だったり。
電池持ち時間も要チェック。

4. 記録メディア

大きく分けて4つある。

A. コンパクトフラッシュ(CF)
PCカードの小さいもの。この中では最も取り 扱いや汎用性に優れていると考える。マイクロドライブという大容量タイ プのもある。ニコン、キャノン、サンヨー他。
B. スマートメディア
薄型の切手みたいなメディア。まぁまぁの拡張性を持 つ。電圧が5V系と3.3V系があるので、購入時に注意。だいたい3.3V系だ。 オリンパス、富士フィルム他。
構造上、容量の上限があり、現在は随時 xD ピクチャーカードにおきかえられている段階です。
C. SD メモリーカード(マルチメディアカード)
コピープロテクト機能がつ いているのが SDメモリーカード、ついてないのがマルチメディアカード。 コピープロテクトが前面に出ているのであんまり好きではない。松下、東 芝など。
D. メモリースティック
ソニーしか使ってない。プロプライエタリなソフト、デバイスは私のポリシーに反する。

CFやスマートメディアを使うなら何も心配しなくていい。SDメモリーカード やメモリースティックは周辺機器をそろえた方がいいかも。身の回りをソニー 製品で固めるなら、メモリースティックがお薦めだが、通常はCFかスマート メディアが良いでしょう。

どの記録メディアが良いでしょうか?と聞かれることがたまにある。私の意見だが、 記録メディアを基準にデジカメを選択することはあまり得策ではない。デジカメの 寿命が尽きた時に、メディアが、速度や容量、サイズなどの面で再利用できること は、この技術進歩の世の中では、あまり考えなくて良いと思う。デジカメの寿命が 尽きた時は、メディアの寿命も尽きていると考えて良い。逆に言うと、メディアや 電池などのオプションは、デジカメ本体の購入時(または使用開始後の早いうち)に、 十分将来の活用度合いも考えて、購入してしまうことを勧める。

5. 本体との接続方法

A. USB 接続
デジカメのUSB接続には大きくわけて、専用の接続とUSBストレー ジクラスの接続がある。
専用の接続とは、パソコンに専用のソフトをインストールし、そこからカ メラ内の(記録メディアの)画像を扱う。
USBストレージクラス対応のデジカメは、USBでパソコンに接続すると、カ メラは、USB接続の外づけHDDとして認識されます。
どちらが良いかといえば、当然ストレージクラス対応の方が良いです。専 用ソフトを使って操作する方法は、パッと見わかりやすいが、汎用性が無 い。ソフトをインストールしたパソコンでしか扱えない。USBストレージ クラス対応のデジカメも、操作ソフトは付属していることが多いので問題 なく操作できる。
B. メディア読み取りによる方法
記録メディアをカメラから取り出して、パ ソコンに接続したメディア読み取りドライブに挿入する。USBがうまく使 えない場合は必然的にこの方法になる。ただし、最近のメディアドライブ はUSB接続が多いのだ。
C. シリアル接続
モデムなどを接続するシリアルポートに接続する。遅いの で実用的でない。
D. フラッシュパス
スマートメディアにはフラッシュパスといって、FDD経 由でスマートメディアを読み書きできるアダプタがある。遅いので実用的 ではない。また、フラッシュパスを読むにはパソコンにデバイスドライバ のインストールが必要なので使いにくい。

当然、USB接続の方が良い。クレードル経由の接続も便利。

6. 速度

最近のものは改良されてきたとはいえ、まだまだ遅い。せっかちな人は、速 い方が良い。実際に店頭で使ってるか、人に借りてみるしかない。

電源起動時の速さと連写速度がある。 起動時の速さは、ズームレンズ、沈胴式レンズ(電源を入れるとレンズが本体 から出てくるタイプ。収納時はコンパクト)はどうしても遅くなる。

7. レンズ性能

レンズ性能は、明るさ、焦点距離、マクロ性能がある。 デジカメは、フィルムカメラよりもCCDが小さいので、高倍率のズーム、短撮影 距離などが、通常のカメラよりも小さいレンズでできる。その分、いろいろな 機能がついたレンズが多いのだが、まずは、次のような基礎知識を知っていれ ば十分と思う。

A. 明るさ
F値のこと。明るいレンズの方が暗い環境でもブレなく撮影でき る。
B. 焦点距離
単焦点とズームがある。ズームの登場機会は思ったほど少ないと思って よい。それ以外は、35mm〜50mm 程度の焦点距離1本でなんとかなる。ズー ムを持っていても、35mm の位置で使うことが多い。
ズームの登場機会(望遠機能を使う時): 前景と背景を同時に映し込みたい 時、撮影位置が自由に選べない時(例えば結婚式とか、記者会見とか、遠 い所の望遠撮影)
それ以外の時は、人物が小さいと思ったら撮影者が寄る方が良い結果を生 む。
C. マクロ性能
近距離の物体にきちんとピントを合わせること。たいていマ クロ機能は持っているが、最短何mm までピントがあうのか、物品撮影を するときはチェックすること。

8. 大きさ

好みで。

9. 色合い

デジカメの映りは、CCDだけではなく、内蔵の信号処理回路によって決まる。 メーカーによって、かなり味つけが異なる。派手な色、地味(忠実)な色とい ろいろ違う。デジカメは、ホワイトバランスという処理をおこなっていて、 これの性能が良くないと、室内写真が黄ばんだものになる。雑誌などで比較 写真を見るとよくわかる。

これら性能、機能の意味することが理解できたら、理想のデジカメを思い描くの がよい買い物をするコツだと思う。機能、性能のどこに重点を置くかを決めるの だ。



近藤靖浩