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KAMEでもわかる科学の話、他(ヨタ談)>光と色の話

光と色の話

(2014-01-18)

ある日、電車に乗っていると。

 

娘(9歳)「ねえ、知ってる?ルビーはクロムが1%混じっていて、どんな色の光の中でも赤く見えるんだよ。」

私(最近『名探偵コナン』が好きだし、ルビーが盗まれる事件があって、それの豆知識か、コラムで仕入れてきたネタだろう。たしかにルビーの赤色はクロムによるものだが、蛍光だったとは知らんかった…良く考えれば、レーザーの発振源になるので、赤色の蛍光をもっていてもおかしくはない。)

私「ルビーもサファイヤも、アルミナと言って、アルミのサビが結晶になったものなんだ。もともとは、ガラスみたいに透明な物質。ガラスよりも硬くて傷がつきにくいので、腕時計のガラスなんかにも使われるんだよ。チタンが混じると青色になって、クロムが混じると赤色になって、それがルビーと呼ばれる。」

娘「クロムが5%になると、透明じゃなくなってサンドペーパに使われるんだよ。」

私「なぜ、クロムが増えると透明じゃなくなるの?」

私「それは、ビールは黄色いけど、泡が白いのとよく似た理由だ。不純物は光を吸収するだけでなく、光を乱す性質がある。色が変わらずに光が乱される、つまり、虹の七色のすべてが反射されると白色に見える。白色の光を分解すると虹の七色になって、それを集めると白色に戻るのは知っているね。ビールは黄色いけど、それは、ビールが黄色以外の光を吸収するからだ。泡に含まれるビールの液体の体積は、わずかなので、吸収がおきない。一方、泡には表面がたくさんあり、表面で光がすこしづつ反射される。反射される時には吸収がおきないので色は変わららない。つまり、泡はすべての光を合わせた白色に見える。」

私「ルビーの中に不純物が多いと、その不純物によって、光は反射され、吸収される。乱反射の場合は白色のに見えるが、そこに吸収があると灰色に濁って、もっと吸収されると黒色になるのだ。」(あとで思い返すと、説明が強引だ)

私「娘ちゃんの服が赤いのはなぜかな?」

(略)

私「そのとおり。」

私「ルビーが赤いのはそれと違う。クロム原子が、いろいろな色の光を吸収して、エネルギーを蓄え、赤色に光る。それを蛍光と言う。」

娘「ストラップが暗いところで光るのと同じでしょ。」

私「どちらかと言うと、蛍光灯の蛍光と同じ。」

私「蓄えたエネルギーをゆっくりと放出して、外からの光が無くなっても光り続けるのを蓄光と言う。外からの光が無くなるとすぐに光らなくなるのが蛍光。ルビーだけでなく、蛍光ペンも同じ。外からの光を利用して黄色やオレンジに光っているから、それ以外の色を吸収する普通のサインペンよりも色が明るくて鮮やかなのだ。」

私「クロムが光のエネルギーを吸収するするとき、赤よりもエネルギーが高い光ならどんな色でも吸収できる。光のエネルギーをを吸収して、赤い光として放出するのがルビーの中のクロム原子の役割。他の原子が赤い光を放出したときに、それが刺激となって別の原子が連鎖的に赤い光を放出することがある。これがレーザー。世界で初めてのレーザーはルビーを使って作られたのだ。」

 

娘「ホープのダイヤって知ってる?」

私(また話が跳んだ…難しくなりすぎたかな?)

息子「冬はメバルが釣れるんだって!」

 

脚色、編集しています。専門外なので、もしかしたら、間違ったことを言っているかもしれません。



近藤靖浩
Last modified: Sun Nov 6 12:20:44 JST 2016