第一ステージ

マショーは14世紀はじめにフランスで採用されるようになったアルス・ノヴァ(新芸術)と呼ばれる様式の代表的な作曲家である。このミサ曲は、ミサ通常文全部を初めて多声音楽として作曲したものとされている。

デュファイは後に花開く多声音楽の基礎となる作曲技法である模倣技法を確立した作曲家である。このモテットは聖務日課の最後の終課用の聖母マリアに寄せるアンティフォーナをテキストとしたものである。

デ・プレは盛期ルネサンスの頂点をなし、同時代の人々からも「音楽の父」と讃えられていた作曲家である。このモテットは聖書の詩篇130篇をテキストとし、旋律は各節ごとに区切られ模倣対立法で書かれているが、時にフォモフォニー様式による段落もあり、当時の作曲技法がすべて含まれている。

(坂本尚史)


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2002/01/20 10:48