クリスマス小曲集

本日の第2部にはクリスマスキャロルを持ってきた。西洋において、クリスマスは1年中でもっとも楽しいお祭りであり、実際教会暦の他のどんな祝日にもこれほど多くの音楽は残されていない。これらの曲はたいてい何百年も前に起源を持ち、こういったヨーロッパ中世・ルネサンスの音楽は今なお新鮮で質の高い響きをかもし出す。

クリスマス・キャロルといえば古来イギリスのものをさしていたが、本日はイギリスを初めドイツ・フランス・スペインのものもご紹介したいと思う。

「一輪の薔薇が咲いて」はヨハン・デーゲンによるバンベルク歌集より取ったもので、賛美歌集では「エサイの根より」で知られ、また、カトリック聖歌集では「夕やみせまる」で有名な曲だ。この小さな薔薇はこの世を救ってくれる。チェンパロとリコーダーで伴奏する。

「さあ、行こう」はア・カペラで歌われるフランス語によるもの。また「羊飼いよ、眠らないで」は3本のクルムホルン(ダブルリードのキャップ付き管楽器、曲がった笛の意)で、「神の幼な子」はリコーダーで伴奏する。いずれもスペイン語で歌われる。

「コヴェントリー・キャロル」はリコーダーとチェンパロで伴奏され、英語で歌われる。また、同じ楽器で伴奏する「マリアのひざに眠るこの子は?」は、エリザベス朝(1558〜1603)以来イギリスで親しまれてきたバラット「グリーン・スリーブズ」の旋律に合わせて歌われる。美しいリコーダーのバリエーションはこの時代に作曲された作者不詳の変奏曲の一部で、グラウンドに乗って演奏される。どちらも元祖イギリスからの典型的なキャロルである。


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2002/01/20 10:48