楽器紹介

リコーダー
 縦型の笛であり、小中学生が音楽の時間に使う楽器と基本的に同じものである。木製であり、大型のグレートバスから小型のクライネ・ソプラニーノまで様々の音域の楽器がある。また、時代によって様式の違う楽器が用いられてきた。バロック時代までフルートと言えばこのリコーダーのことを指しており、横笛のフルートは特にフルート・トラベルソと呼ばれて区別られていた。

クルムホルン
 クルムホルンとは現代のホルンとは全く関係なく’曲がった笛’を意味している。リードを持つ楽器で、吹き口をはずすとその中にオーボエなどと同じダブルリードが備えられている。この時代の他の楽器と同様に音域によりバスからソプラノまで様々な大きさの楽器が作られている。

ファゴット
 ファゴット(Fagotto)とはイタリア語で「薪の束」を意味する。オーケストラでは低音部を担当し、チェロとほぼ同じ音域を持つ。ファゴットは短いほうの管の先にS字型の金属管が差し込まれ、その先に葦でできたリードがつけられている。このリードはクラリネットやサキソフォンと違い、2枚を重ね合わせたダブルリードである。

ハープ
 エジプト時代やローマ時代の壁画にも描かれているように、パン・フルートと並んでもっとも古くからあった楽器である。現代のハープは複雑な機構で多彩な演奏が可能となっているが、ルネサンス時代に用いられたのはきわめて簡単な小型の楽器であった。

リュート
 現在の中東地域に起源を持つ楽器で、独特の半月型の胴を持ちギターと同様に指ではじいて演奏する。17世紀イギリスで特に好まれ、マドリガルの伴奏に使われたり、多くのリュート伴奏の歌曲が作られた。我が国の琵琶ときわめて近い関係にある楽器である。

チェンバロ
 外形は現代のピアノとよく似ているが、発音原理は全く異なり、鍵盤の動きにより押し上げられるタンジェントに付けられた爪によって弦がはじかれて音を出す仕組みとなっている。18世紀半ば頃まで、オルガンとともに広く使用された鍵盤楽器。

シンフォニア
 ルネサンス時代独特の楽器で、ハンドルのついた円盤を回転させ、弦を擦って音を出すものである。通常2本のドローン(持続音)弦と1本の旋律弦を備えている。シンフォニアより大型の楽器にハーディーガーディーがあり、ともに舞曲の伴奏などに用いられた。

打楽器
 ルネサンス時代の世俗音楽には、種々の打楽器が用いられていた。今回の演奏会では、サイドドラム、フィンガーシンバル、タンバリン、ジングルを使用する。

ルスサンス期の楽器の特徴 〜楽器作りのすすめ〜
 この時代にはきわめて多彩な楽器が用いられていた。現代の楽器の前身のものも有るが、その後途絶えてしまったものも多い。いずれにしても、構造的に簡単なものが多く、手作りすることも可能である。また、イギリスを中心に各種のキットも市販されており、我が国でも求めることが出来る。今回使用する楽器の内、クルムホルン4本、シンフォニア、サイドドラムはメンバーの一人がキットを組み立てたものである。

<坂本尚史>


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2002/01/20 10:44