G.P.テレマン(1681-1767)作曲 「2本のリコーダーのための無伴奏ソナタ第6番」より
〜Affetuoso,Spiritoso,Prest〜

 今回取り上げる曲は「2本のフルートまたは2本のヴァイオリン、もしくは2本のリコーダーのための無伴奏ソナタ」という題名が付けられた6曲のソナタから成る曲集の最終曲から抜粋したものである。この曲集はGeorg BehrmannPeter Dietrich Tönniesに献呈されたもので、1727年にテレマン自身の手によりハンブルクにおいて出版された。この曲集は、テレマン存命中において既に非常な人気を博し、パリやロンドンで複製版が多く出版された。さらにJ. J. クヴァンツ(1697-1773)は、彼の著書の中でこの曲集を古今の名作の一つとして紹介している。その後も今日に至るまで、器楽曲の重要なレパートリーとして演奏され続けてきた。

 今回抜粋して演奏する3曲とも、2本のリコーダーがともに対等に取り扱われ、互いのメロディーが絡み合うようにして曲が進行していく。それは、あたかも2本の異なった糸によって一つの織物が紡ぎ出されるようにさえ感じられる。綺麗ではあるが、やや難しい織物であるため、その出来ばえにご満足いただけるかは不安があるものの、精一杯の演奏を楽しんでいただければ幸いである。

<葛谷光隆>


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2003/10/08 19:05