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演奏会拝聴 その弍
otonosama

2003/05/25 09:53

『J.S.バッハ ヨハネ受難曲
 Ensemble 14(フィアツェン) 第7回演奏会
 2003年5月17日
 津田ホール』

またヨハネでございます。

今回のメンツは私、kuriko、前回お知り合いになったMさん。あと、小原さんの歌声を聴くと目がハートになるmarieを加えた四人。上京の度にうまいモン食わせてくれる店に案内してくれていたTiaは先約アリのため不参加。まあ今回はジモティのMさんにお任せっと(^.^)

待ち合わせ場所は千駄ヶ谷駅です。Mさんは三月の演奏会ではコンタクトをしてステージに立っていたとのことなので、普段はメガネをかけているらしい。果たして無事、合流できるのか?

私  :「Mさん遅いなぁ…」
kuriko:「電話してみたらどうですか?番号知ってるんでしょ?」
私  :「そーだな」 (ピッピッピ)
するとすぐ背後で着信音………(以下略)

などとゆーお約束だけは絶対に避けたいっ(^^;)

落ち着け、落ち着くんだおとのさま。考えてもみろ。こっちはMさんの顔を知ってるが、彼はこっちの顔を知らない。我々は圧倒的に有利なのだよ。これであと十年は戦える!ジークジオン!

…何ゆってんだ、俺!?


当日の朝は五時起き。パーク&ライドを申し込んでるんで、岡山駅まではミゼで行きます。うーん、ねむいよー。前回ほどでは無いけれど、仕事もそこそこ忙しかったし、昨日はマタイの練習だったし、ちょいと疲れ気味〜。我が妹kurikoも数日前に体調を崩し、風邪かと思ったら中耳炎だったそうで、演奏会聴きにいくってのに肝心の耳の具合がよろしくないらしい。なんだかなー…

新大阪でkurikoと合流。上京時の恒例となっているkurikoが買ってくるシャスデリーなサンドイッチで朝食。それにしても、やっぱのぞみは狭くて騒がしい。ちょいとばかり後悔。みんなビンボが悪いんや(ToT)


11時ちょっと前に千駄ヶ谷に到着。前日にMさんに、当日の服装をメールしたら、「出会い系みたいでなんか泣けますね」と。改めて思い起こせば、男同士かつお互いノンケだからよかったものの、そうでなければ恋が芽生えて全然OKのシチュエーションだわなあ…
ちょっとキンチョーしながら自動改札を通り抜け、なにげにMさん探し。今だから白状すると、私はすぐにMさんに気付いた、とゆーか、「あ、あれがMさんかな?」と思ったのである。ちょうどその時、彼は目薬を差していたのであります。
なるほど、演奏会の時がそうだったから、コンタクト装着状態を再現してご登場かと即座に納得。でももう少し気持ちを盛り上げたかったので、先にmarieを探します。当然ながらすぐ見付かり、お腹の肉をつままれるのを警戒しつつ、いよいよMさんへと向かいます。
殺気は消したつもり(?)だったのだが、あと数歩というところでMさんもこっちに気付きました。

「Mさんですね」
「あ、そうです。otonosamaさんですか」
前回のステージ上での姿とメールのやりとりから想像していた、ほぼそのまんまという感じの好青年であります。漫画「スラムダンク」のセンドー君にちょいと似ている。

「いやあ、すぐわかりました?」
「うん。そのツンツン頭を覚えてたから」
「メールで服装送ってくれてたじゃないですか。あんまり詳しく読まずに『ニューバランスの靴』だけ覚えてたんで足元ばっか見てたんですけど、でもニューバランスの靴ってよく知らないんですよね…僕」
…この男、案外手ごわいかもしれない(--;)

「とりあえずランチ行きますか」
「ちょっとおしゃれな店見付けたんで行きましょう。僕も初めてですけど」
とゆーわけでお店に向かいます。
さすがにちょいとキンチョーしていたのか、お店に着くまでの間に何を話したか、イマイチ記憶があやふやです。
MさんはIT関係のお仕事をしていて、一日中パソコンの前に座ってるんだそーです。それで時間帯に関係なくメールが返ってきていたのか…

ほどなく、イタリアンっぽいレストランに着きました。
入ろうとすると『すいませーん。まだ開店前なんですー』と店員のねーちゃんに止められました。ああ、まだそんな時間なんだ…なになに、開店は11時…?みんなで時計やケータイの時刻を見ます。10時58分………ネタか?これはネタなのか!?
少しの間、店の前でぼーっとします。
「何時だったら入れてくれたのか、小一時間問い詰めたいっすね」とMさん。
「確かにね〜。それにしてもまだ入れてくんないのかな?」
全員の時計が狂っていたとしても、もう11時は過ぎているはず。恐る恐る入口付近にいた店員のにーちゃんに声をかけてみます。
「すいませーん。もういいですかぁ?」
「はーい。どうぞどうぞ(^^)」
はっはっは、入ろうとして拒否られて店の前で待ってんだからそっちから声かけんかいコラァ!(--#)

ま、ともかく四人で席に着きました。
「えーと、お二人のお名前を…」
「え?ああ、後輩Aと後輩Bね(^ー^)」
………殺気………
「こっちがkuriko from 神戸、でこっちがmarie from 新潟ね(汗)」

ここでもなんやかんやたくさん話したんですが、長くなりすぎるので一部だけ。
Mさんはクリスチャンで、聖歌隊とかあちこちで歌っているとのこと。
練習のハシゴはおろか、演奏会のハシゴをするらしい。もちろんそのためには仕事や会社行事もブッチ!
そーか…そーだったのか…メールのみでやりとりしていた時、いやそれ以前に、最初にオークションで質問してその答えが返って来た時から感じていた異様なまでの親近感
Mさんってば俺と同じく危険思想の持ち主だ。やってる事そっくりぢゃん!
ちなみに彼が彼女に一番最初に贈った物がマタイのCD。「マタイは必修だよ、人として」の言葉と共に。
……この男、相当手ごわいかもしれない(--;;)

さてさて、ランチを済ませて津田ホールへ到着。これまた早く着いちゃって、しばらくロビーで時間潰し。
会場時間が近くなり、受付預かりにしておいたチケットを受け取り、列に並びます。会場後、またまた速攻でベスポジをキープしてから、受付に今回お世話になったEnsemble14副代表Tさん宛に差し入れ。多忙の為買いそびれてて、当日の朝に岡山駅のキオスクであわてて買ったのはナイショ(^^)

津田ホールは岡山の三木記念ホールに形や大きさや古さが似ている。ステージの上の星型のフレームに配置されたライトが印象的。
席数を数え忘れてしまったけど、400〜500席だったかな?ほぼ満席。なかなかの集客力です。
内ベルが鳴り、出演者が登場。今回はフツーにSATBの並び。
そして最後にヒグマが登場。…え?ヒグマ?あ、指揮者だったのか(爆)いやータテもヨコもでかい指揮者ですこと(^^;)

ようやく演奏開始です。やっぱり今回もHerr!で背筋がゾクゾク。前回の紀尾井ホールは天井がやたら高くて教会に近い響きでしたが、今回は満席のせいもあるでしょうが、少々デッドで音のセパレーションが明確。こういうのもいいですな。

やっぱ俺ってテナーだからさ、テナーがよく聴こえるんだよね。…いや、何か違うな。やたら元気なんだよ、テナーがさ!我が耳にはTABSの順で強く聴こえる。内声が強い合唱団も結構めずらしい気が。
今回もまたアマチュアならではの『想い』が伝わってくる。ヒグマ、いや違った、指揮者の熱気も背中越しに伝わってくる。こういう幸福感が味わえるのも、歌った事があるからだよねー。今更ながらOPEに感謝です。
そして特筆すべきはこの合唱団、アリアを団員が一曲ずつ交代で歌うのだ。外のソリストはエヴァンゲリスト、イエス、ピラト。その他のソロは全部団員。そういえば私もこの手の曲を 歌い始めた当初は疑問を感じていた。ソリストを外から引っ張って来る事に。慣れてしまって最近すっかり忘れていたけど、このEnsemble14こそ、アマチュア合唱団の本来あるべき姿ではなかろうかと思うのですよ、やはり。私も真似事程度ではあるが、アリアを歌ってみたりする事がある。歌えば歌うほど難しくてイヤになりますよ、実際。でも私に限らずやってやれない事は無いんだよ、多分ね。
順番に団員が前に出てきて歌う。中には痛いほど緊張しているのがこっちに伝わってくる人もいる。そのせいか母音がやたら平べったかったり、声が裏返りそうになったりする場面もちらほら見受けられる。しかし相当な練習を重ねてステージに立っているのもまた、痛いほど伝わってくる。自分がステージにいる時にそれをやられるとブチ切れそうになるが、一曲毎に賞賛の拍手を贈りたいとさえ思いました。

話が前後しますが、今回もイエスは小原センセ。なぜかいつになくワイルドな歌声。元気な合唱に合わせてるのか?と思いきや、なんか様子が違う。手に少し派手めの包帯が巻かれてます。怪我人ですがな。骨折?それとも誰かにガソリンかけられて火をつけられたとか(オイオイ)。どうもかなりきつかったようで、曲の終盤あたりでは椅子の上で体勢が崩れてぐったりしてしまいました。私の知る限り、こんな小原さんは初めて見ます。お疲れさまでしたm(_ _)m

休憩後、第二部が始まります。外注ソリストが第一部より二人増えます。この時はまだ気が付いていなかったのですが、今回一番のビックリネタがこの時ステージ上に潜んでいたのです。
テナーアルトちょっと疲れたか?それともソプラノベースのエンジンがかかったのか、曲が進むほどバランスが良くなって行きます。
イエスが亡くなりました。そしてアルトのソリストが出て来ました。Ensemble14は全体的に年齢も声も若いのですが、この人はおばちゃんです。


いえいえ、それがですね、おばちゃんじゃなかったんです。
その人おぢさんだったんですうっ!!!(ToT)

パンフに挟まれていたソリスト急遽変更のお知らせ。前もって読んでいたはずなのに、すっかり忘れていたとゆーか、容貌に騙されたとゆーか…

『当初出演予定の中神康一[A]が海外出張により出演できなくなったため、ソリストが下記のとおり急遽変更になりました。

(30:Aria)中神康一[A]
 ↓
(30:Aria)猫殿[A(カウンターテナー)]』

猫殿??ねこどの???
Mさんは知っていた。とゆーか、Mさんの出身校R大学のOBなんだとさ。
私にとってはとんだフェイントだったんで第一声が出た瞬間は驚きましたが、なんつーか巧いんですよ、この人。声、体、表情、格好、それら総てを駆使してますです。インパクトは前回のスーパーサイヤ人と同等でした。

聴けば聴くほど好きになる最後のコラール。もう終わってしまうのか。ああ、もう一度歌いたいなあ…今回も来てよかったよ(T=T)
Tさんに一言あいさつ、と思ったんですが、今回は日帰り強行軍。名残を惜しみつつ東京駅前の丸ビルに夕食を貪りに向かいます。


四角い丸ビルに昇りまして、何を食べるかみんなで案内板を見ながら相談。なんやかんや色々あるなあ。昼がイタリアンだったから、それ以外だよなあ。ふと『江戸の鶏処 今井屋本店』というのが目に留まりました。私の実家はやきとり屋をやってたりします。「客にこんないいもん食わすのもったいない」なんつーて、それはそれはうまい鶏肉を飽きるほど食って大きくなった私は、外でやきとりを食べる事はまずありません。でもなぜか今回は食べる気になったんです。今にして思えば、そこで待ち構えていた『オチ』に引き付けられたのかもしれません。

週末で団体さんの予約が入っていて、30分ばかり待たされて店内へ。うーむ、こんなに待つんだったらTさんに挨拶できたなぁ。それにしても『はーい!大変お待ちの四名様ご案内ー!!』ってのはやめてほしかったよ…
メニューがいっぱいあって面食らったけど、ハズレの無いように食べ物飲み物を選びます。こーゆー時って料理習ったのとバーテンのバイトやってた経験が役立ちます。

………あれ?似てる…よな?さっきから気になる一人の店員。「似てねえか?小原さんにさ…」kurikoとmarieも同意見だったようで相槌を打ちます。「え?どれですか?見てなかった」とただ一人Mさんが。
………この男、半端じゃなく手ごわいかもしれない(--;;;)

似てるんですよ。その店員さん、小原さんに。ここで気付きました。今回の『オチ』はこれだったのかと。食って呑んで、お愛想した後でそば茶が出てきて、半強制的にアンケートを書かされました。ここで発覚した東西のギャップ。我々三人が味付けの項目で「少し辛かった」と書いたのに対し、Mさんだけ「味が薄かった」と。
若いからって調子に乗って辛いもんばっか食ってると早死にするよ〜(^^;)
そしてアンケートの最後に「輝いていた店員の名前を挙げてください」とあります。輝いていたわけではないのだが、小原さん似のあの人しか考えられません。いや、結局Mさん以外は誰もその欄に記入しなかったんですが。おもむろに「すいませーん!名札見せてくださーい!」と小原さん似店員の名札を無理矢理見せてもらうMさん。そして彼はアンケートに『Sさん、どうかそのまま突っ走ってください』と書き込んだのでした。
…………この男、目茶苦茶手ごわいかもしれないっっ(--;;;;)

おそらくアンケートに書かれたSさんは頭の中が?でいっぱいになった事でしょう。おいしい鶏だったよ。ごちそうさま。悪く思うなよー(^^)


時間一杯待った無し。
出発の時間です。
なぜか丸ビルから改札のあたりまで走ったような気もしますがそれはおいといて、Mさんと握手をして帰路に就きました。
このあとMさん練習だってさ。元気やねー

いやいや、今回も大満足の演奏会でした。あと、プログラムと一緒に付いてきた歌詞の対訳。これも自前で翻訳、監修してるんですねぇ。これを見ただけでもみなさんの真摯な姿勢が伝わってきます。もし私が次にヨハネを歌う機会に恵まれたら、このEnsemble14謹製の歌詞対訳だけ持ってステージに上がるつもりです。Ensemble14のみなさん、ホントにお疲れ様でした。さすがにそう度々は聴きには行けませんが、機会があればまた聴きに行きたいと思います。

それにしても行く先々でいろんなネタに遭遇するのは誰のせいなんだろー??


さて次は9月6日。大阪は東梅田教会に於いて、日本テレマン協会によるヨハネ受難曲を聴きに行く予定でございます(^^)


2003/05/25 09:53