演奏会拝聴 その四
otonosama
2004/09/23 18:12
「J.S.バッハ ヨハネ受難曲
日本テレマン協会
バロック・コア・テレマン
コレギウム・ムジクム・テレマン
2004年9月20日
カトリック夙川教会」
我々は一年待ったのだ…
てなわけで、しつこくヨハネでございます。
延期から約一年、ようやく西日本でヨハネを聴く機会に恵まれました。
今回のメンツはこれまでとはガラリと入れ代わり、taka−c、MOCHA、さらにはOPEの指揮者を指揮する御大BOOKAさん、でもって岡山の『音の泉』で歌を聴いて以来、すっかり畑さん(今回のエヴァンゲリスト)のファンになったBOSSを加えた計5人。全員が私より年が上っ(^^)
「ミゼで行くの?」
「トーゼン」
「どうしても?」
「どうしても」
「疲れるよ〜」
「ミゼで行くの!」
「でもさぁ…」
「ミゼでなきゃ行かないっ!」
「………」
今回はミゼで出撃です。直前に聴きに行くことを決めたBOSSの激しい抵抗がありました。長年シモベとしてBOSSに仕えるotonosamaですが、これだけは折れる訳には参りません(ーー;)
前日から西宮のtaka−cんちに行って一泊していれば少しは楽だったんでしょうが、大学の後輩が備北青年の家で合宿をしており、今年の定期演奏会のピアニストを依頼されているBOSSが19日朝からそこに行ってるんで、やむなく20日朝の出発で日帰りです。BOOKAさんは一足先に電車で西宮入り。どうも『ミゼに乗る=命懸け』と思われてるようで・・・。
わらってよ〜きぃみの〜たぁめぇにぃ〜
ミゼの劣悪な乗り心地に文句を言われないように、BOSSの大好きなさだまさしをBGMに流しながらひたすら高速を走ります。特にネタも無く、あっさり西宮に到着。私、生まれたのは倉敷ですが母親が産みに帰郷しただけで、幼稚園年少組まで西宮市は産所町に、その後小学二年の終わりまで同桜谷町に住んでました。どちらも今回の夙川教会には歩いてでも行ける所です。三十年前とはすっかり変わってしまった町並みにノスタルジーのかけらを求めつつ、会場を目指します。
昼ちょい過ぎに会場付近に到着。すぐそばにあったフレンチの小さなお店でランチしました。岡山のような田舎と違い、休日でもランチメニューがあります。ありがたやありがたや。これがすんげーんまかったんですわ〜。今日のヨハネのチラシも置いてあったんで、一枚いただきっ(^^)店の名前は、えー………………覚えてません(+_+)こういう事ってあるよね?すごくおいしいお店だったのに店の名前を覚えてないっての。ね?
まだちょっと早いけど、会場の受付に向かいます。まだゲネをしていたようで、木製の扉の向こうから最後のコラールが聴こえます。ハミングで口ずさみながら、いやが上にも高まる期待。歌声が消えてしばらくして、階段に腰掛けてた私の背後でBOSSがあっと声を上げました。何だろうと思って振り向くと、教会から畑儀文さんが出て来られてたのです。思いがけず挨拶など交わしてしまいましたよ。
チケットを買い求めてしばらくしてから、taka−c、MOCHA、BOOKAさんが到着。気付けば五人揃って入場待ちの行列の一番前に並んでました。だってさー、教会だしぃ、自由席だしぃ、早いモン勝ちじゃわいっ!!
taka−c「ミゼで来たの?BOSS乗せて?」
otonosama「もちのろんよ〜。ちゃんと不快さを和らげるために、さだまさしガンガン鳴らしながら来たもんね」
taka−c「(ミゼの乗り心地が)不快だって事はわかってんだな・・・」
あーのーなー、確かに私は変わりモンで変わった物が大好きだけど、断じてアホでわ無いぞっ!世の中にはいろんな愛のカタチがあるんだいっ!!
入口の脇に貼ってある少年聖歌隊募集のチラシを見ながら、もし当時、母親が私を連れてってくれたのがヤマハの音楽教室ではなく、教会の聖歌隊だったりしたら、もっとこのテの音楽に早くハマって、進む道も違ってたかもしれないなぁ・・・なんて思ったり。
我々の迫力に押されて(?)か、予定より15分早く開場してくださいました。外は暑かったんで、そのせいもあったのでしょう。ソッコーで最前列に陣取りましたよ、ええ。ん?あらあら、そういえば・・・
MOCHA・・・ソプラノ
BOOKA・・・アルト
otonosama・・・テノール
taka−c・・・バス
BOSS・・・オルガン
99年当時、OPEでヨハネを歌ったメンバーが全パート+αで揃ってますがな。
「歌えるねぇ。歌っちゃおうか?」
「いやーそれはちょっと・・・」
「口パクでガマンしよーよ」
キケンな聴衆だなぁ・・・(A^o^;)
旧岡山カトリック教会よりも幅が広く、祭壇(ここではステージ)の後ろも奥行きがあり、ステンドグラスから陽光が後光の如く差し込んでます。イイ感じですねぇ〜。響きもよさそうだわ〜。
合唱、オケが入場し、えーと司祭さんのごあいさつが先だったかな?ソリスト、指揮者も演奏位置へ。この指揮者、延原さんって年いくつなのかな?写真で見ると頭髪がちょっと・・・いやかなり後退なさってるんでとっしょりだと思ってたんですが。顔の肌つやとか身のこなしを見ると若く見えるし。それに指揮ぶりがなんとも若かったのよ。
始まりました一曲目。速めのテンポでコントラバスがアグレッシブに鳴ります。2000年以降のCDでよく聴かれる傾向です。初めてこの感じの演奏を耳にしたのは武久源造・指揮、コンヴェルスム・ムジクムのもので、おもしろい演奏だなぁ、というのが第一印象でした。生で聴くと実に聴き映えします。Herr!が聴こえる前にゾクゾクしちゃいました(*^^*)そして始まる合唱。
・・・・・・突っ込みどころが、ねえよ・・・
まず第一に感心したのは吠えないバス。少なくともOPEで歌うようになって以来、こういうバスを聴くのは初めてのような気がするですよ。決して迫力が無いわけではなく、かといって出過ぎる事もなく、実に制御された見事なバスです。テノールも巧いよぉ〜。でもってバスとの繋がりもとてもよい。ソプラノが一番大人数ですが、これまたコントロールが素晴らしく、決して飛び出すような事もありません。アルトはやはり人数比もあって埋もれがちではありますが、特筆すべきは、言葉、子音が一番聞こえたのがアルトからでした。いやはや、目からカワラが落ちそうです。
畑さんのエヴァンゲリストもすばらすぃ〜。これが聴けるだけでも来る価値あったッス。そりゃあ本場にソリストとして招かれる方ですもの。すげー勉強になりますです。イエスは声がか細い感じのソリストで声量もあまり無く、畑さん相手じゃ掛け合いが辛いか?とか思いましたが、よくよく考えてみると、イエスってそうなんかな?という気がしてきました。三原イエスも小原イエスも迫力があって大好きではあるんですが、イエスはホントにそんなスーパーサイヤ人レベルの野太い声だったの?みたいな・・・まあ音楽的にはどうなのか私にはわかりませんけど、ちょっと物足りない感じはあるものの決して不快ではなかったです。
ソプラノのソリストはお手本にピッタリという感じです。鋭いんだけどクリアーで聴いていて耳に優しいというか。アルトも同様にハイレベルです。テノールは私好みではありませんでしたが全く危なげ無く、バスも上品でお見事。どのアリアも安心して聴き入る事ができました。
「いいなぁ・・・あのソプラノ」by美人に弱いtaka−c
「いいなぁ・・・あのバス」byイケメンに弱いBOSS
ええトシこいてミーハーなんだから・・・
うーん、書くようなネタがないなぁ・・・いつもならあれほど気になる会場のノイズも、結構うるさい風切り音をたてているボロいエアコンもあまり気にならない。それほど演奏にのめり込んでしまいました。
うーん、うーん・・・テノールのソリストがTVドラマ「王様のレストラン」のソムリエ、大庭金四郎に似てるとか・・・指揮者の指揮ぶりが、我らがTAKAちゃんセンセの後を継いで岡山理科大学合唱団の指揮者となり、後輩でOPEのメンバーでもあるtakuyaに(頭髪の状態も含めて)似てるとか・・・いや、マジでそのくらいしか思い付かない。それぐらい質の高い演奏なんですってば!それでいてメンバーの表情にはなんかゆとりが感じられるし。
私は楽器が何一つ扱えないので、あまり耳がそちらに集中してしまう事は無いのですが、今回はリュートがやたら耳に付きました。多分チェンバロのパートを弾いてたと思います。風貌は怪しげな方でした(失礼)が、リュートってこんなに表現力がある楽器なんだ、とかなり感心。へぇボタンがあったら押してたかも(押すなっ)
最後まで安定感抜群。お手本にしたいようなヨハネでした。録音もされてたようですが、市販はされないよな?関係者配布用でだろうなあ・・・私にも一組譲っていただけませんか・・・?
ぷはーっ、えがった〜。東京まで聴きに行くのに比べるとかかる費用も格段に安いし。また機会があったらこの団体の演奏聴きにこようっと(^.^)
「次の練習も行けないから、録音お願いね」
別れ際にtaka−cに頼まれました。なんでその時点で思い出さないかなあ・・・。前回の練習の録音MDを忘れずに持って行ってたのに、ミゼに積んだまま渡すの忘れちまった。うーむ、OPE電脳戦隊の切り込み隊長ことでんのーお〜りんじのこの私が、このような重要な任務を失念するとは・・・。他の事を全て忘れてしまうくらいのよい演奏だったって事で(^^;)
今年はもう演奏会聴きに行く余裕はないかも。
ちなみに2005年は、今チェックしているだけで五つばかりヨハネの演奏会があるようです。東京で二つ、横浜で一つ、北海道で一つ(三日間連続!で)、それと今回エヴァンゲリストを歌われた畑さんが指揮とエヴァを同時に務める(シュライアーみたいだ)演奏会が一つ。会場は不明ですが、関西近辺だと思われます。くあ〜!聴きに行きてー!!
2004/09/23 18:12