演奏会拝聴 その五
otonosama
2005/02/06 09:58
「ベートーヴェン 交響曲第九番 合唱付
新見市制施行50周年記念演奏会
岡山フィルハーモニック管弦楽団
まなび広場にいみ第九合唱団
2005年1月23日
まなび広場にいみ 大ホール」
今年の一発目は第九です。やっとヨハネじゃない演奏会を聴きに行きました。
ベートーヴェンの第九といえば、これ以上無い程にメジャーな曲です。が、私が全曲通して聴いたのは、友人よっちゃんが持ってたレコードをカセットテープに落としてくれたものを、自転車こぎながらウォークマンで一、二回聴いたくらいしか記憶に無く、ヨハネやドヴォルザークの新世界のように腰を据えて鑑賞した事は一度もありません。今回、新見までわざわざ聴きに行ったのは(ヨハネはわざわざ東京まで聴きに行ってるじゃん、というツッコミは却下)ソリストが
ソプラノ…眞田真里絵(私が今習ってる歌のセンセ)
アルト …脇本 恵子(OPEの演奏会に来場経験がある人で知らなかったらモグリ)
という顔ぶれだったからでございます。でもって合唱指揮は佐々木正利、合唱指導は岡崎順子、指揮者のゲアノート・シュマルフス氏の紹介文には「オーボエをヘルムート・ヴィンシャーマンに学ぶ」とまあ知ってる名前のオンパレード(^^;)
今回は一緒に真里絵センセに歌を習ってるBOSSと二人で車で新見に向かいます。遺憾ながら今回ミゼはお留守番です。まなび広場にいみは最近できた新しい施設のようで、あまり情報がありません。あんまり期待しない方がいいのかな〜と思いながら会場に到着。誘導されて狭苦しい屋内駐車場に案内され、車が新しくなって間も無いBOSSがぶーたれます。ミゼだったらどこにでも停められたのにね・・・
真里絵センセがチケットを受付に預けてくれていたので、今回はタダ聴きでございます。が、パンフに挟まれた数枚のチラシ。その中に一枚を見て目がテン・・・
拍手のお願い
・・・・・・・・・は?
とりあえず脇本センセと真里絵センセに差し入れを渡すべく控室を探していると、カンタータ協会の練習ピアニストでおなじみの大熊センセ発見。関係者用のドアを通り抜けて、控室の方まで案内していただきました。控室にたどり着く前に、ちょうどこちらに向かって歩いていたお二人と目が合いまして、無事に差し入れをお渡し完了。ちなみに真里絵センセには紅茶、脇本センセにはドイツワインでございます。(^.^)
ホールに入って、席を探します。後ろの方には既にあまり空きが無かったので、ステージに向かって左側の前の方に座りました。先程のチラシをじっくり読みますと、
本日は“うたおう「第九」in新見”演奏会にご来場いただき大変ありがとうございます。誠に恐縮ではございますが、本日のプログラム上の拍手についてお願いいたします。ベートーヴェンの「第九」は4楽章で構成された曲ですので、全4楽章すべて終了するまで拍手をしないようにお願いいたします。楽章間の拍手は作曲者及び演奏者に対して大変失礼な行為となりますので、ご協力をお願いいたします。私ども合唱団も一生懸命歌いますので、すべて終了いたしましたら盛大な拍手をお願いいたします。
(プログラムの流れ)
1.岡山フィルが入場・・・・・・約5分・・・入場時:拍手する
2.指揮者が入場・・・・・・・・約1分・・・入場時:拍手する
3.エグモント序曲作品84・・・約7分・・・終了時:拍手する
4.交響曲第9番 ニ短調 作品125 合唱付き
第1楽章・・・・・・・・・約17分・・・終了時:拍手しない
第2楽章・・・・・・・・・約12分・・・終了時:拍手しない
合唱団、ソリスト入場・・・・・・・・・・・絶対に拍手しない
第3楽章・・・・・・・・・約17分・・・終了時:拍手しない
第4楽章・・・・・・・・・約17分・・・終了時:拍手する
第4楽章終了時には盛大な拍手でお願いします。
花束贈呈・ソリスト紹介・合唱団紹介・・・・・拍手する
いや、まあ、なんつーか、そりゃな、確かにな、気持ちはわからんでもないよ、うん。わからんでもないが、ここまで細かく指示するか!?なんかここまで観客を信用してないのを表に出されると、逆に逆らいたくなるなあ・・・。こんな事書いてても絶対に拍手するヤツいるよねー、なんてBOSSと言いつつ開演待ち。実際、拍手しないと書かれた所で拍手した人が数名いたわけですが、このチラシが無かったらどうなっていたのだろう?開演時間が数分過ぎて、まだかなーと思っていると、余計な事に市長が出て来てごあいさつ。そんなんえーからはよ開演せんかいやっ!!
話は戻りますが、客席はよく埋まってます。ホールの造りは、所詮岡山だなあ・・・と思わずにはいられませんでした(平たく言えば安っぽい)が、たくさん観客が入っていたせいか音はなかなかイイ感じ。ティンパニがちょっと耳にうるさかったかな、と感じた以外は特に不満はありませんでした。でもこれはちょっと我慢ならんな、と思ったのはイスの座り心地の悪さ。なんつーか、音響はウィーンあたりの有名なホールと比べても遜色無いのに、古いせいもあってイスの座り心地が劣悪極まり無いあの倉敷市民会館に劣るとも勝らないという、拷問に近いようなイスでした。ここまで座るのがしんどいイスだと、演奏中にゴソゴソ動く人がいても責める気にもなれませんわ。一昨年の倉敷でのマタイと同じく、絶対にステージの上にいる方がラク。なんでこういうトコに金かけないかなー?このホールでマタイなんかやったりしたら、エコノミー症候群で死人が出るやも知れんぞ・・・。もし私が音楽ホールを設計するとしたら、座席に思い切り予算をかけますよ。テンピュールとかふんだんに使っちゃうね。
エグモント序曲が終わって、指揮者の体形がなんか佐々木センセに似てる(背が高くて上半身ががっちりしてる割に足がスリム)よねーなんてBOSSとひそひそ話してると、我々が座っている席の左の方に誰か座るのが見えました。タイムリーな事にその人、舞台袖から抜け出して来た佐々木センセだったんで思わずBOSSと二人でごあいさつ。噂をすれば・・・ってホンマやねぇ〜(A^^;)
ふーん、第九ってこーゆー曲なのか。超有名曲だけあって、聞き覚えのあるフレーズは随所にありますが、生を通しで聴くのは初めてなので、結構新鮮。オーケストラもプロですんで、特に突っ込みどころもなく安心して聴けます。第2楽章が終わって合唱とソリストの入場。ん?なんじゃ?うわー、テノールのソリストでけー!!あの脇本センセ(失礼)が、すげーちっちゃく見えるですよ。確実に190はあるな・・・後ろの合唱の人、指揮見えなかったんぢゃないの?
静かめな第3楽章が終わって、いよいよ第4楽章。なんかソプラノとアルトに気がいっちゃったせいか、テノールとバスのソリストはあまり印象に残ってません。とゆーより、フルオーケストラが前にいるので聴こえにくかったような気もしますね。合唱はかなりの大人数でして、アルトが一番多く、テノールが一番少なかったです。迫力はなかなかでしたが、ぶっちゃけ歌詞が全然何ゆってんのかわかりませんでした。でもなーんか、老若男女大勢が入り交じって幸せそうに歌ってるのっていいよねー。指揮のシュマルフス氏も寄せ集めであるはずの合唱をうまくノセてる感じで、実に楽しそう。
ベートーヴェンの曲って盛り上げかたが巧みだよなぁ・・・聴覚を失ってたなんてとても信じられんな〜と思っていたら、あっというまにフィナーレ。「ブラボー!!」の声が上がり、会場が盛大な拍手に包まれます。合唱メンバーも実にいい顔してます。最後の一人がステージを去るまで拍手も続いたし、演奏会としては大成功といえるでしょう。
控室前で関係者に挨拶を済ませて、帰路につきます。BOSSがテノールのソリストを「フ〇〇ケンそっくりー」(やめなさいって)としきりにゆってました。でも確かに似ていたな、フラ〇〇ンに・・・。映画にもノーメイクで出れ(げふげふっ)
さて、本当なら「演奏会拝聴 その六」は3月11日の岡フィル定期、岡山バッハカンタータ協会出演の「モーツァルト レクイエム」になる予定だったのですが、書くことができなくなりました。昨年末のクリスマス・オラトリオに賛助いただいたカンタータ協会のメンバーの方から団長経由で「出ない?」とのお声がかかりまして、迷っていたのですが、指揮がこの第九と同じシュマルフス氏だったのが決定打となり、結局出る事にしたのです。お時間の許す方はぜひ聴きにきてくださいね〜(^o^)/
2005/02/06 09:58