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録−ROKU− 
最終話「岡山多声音楽演奏団大全」
otonosama

2006/01/22 16:20

岡山多声音楽演奏団大全・・・「The Complete Works of O.P.E.」岡山ポリフォニーアンサンブルの最初期の頃から第20回記念演奏会までの録音をまとめた36枚組のCD全集。原則としてOPEの団員、あるいはかつて所属または出演した事がある人以外には頒布しないつもりの、めっちゃレアなお宝(かどうかは人によるかもしれない)

 ここに20本を超えるDATテープがある。全てのインデックスにはFUJIさんの字で「XXXX年XX月XX日 第XX回演奏会 岡山ポリフォニーアンサンブル」と書かれてある。一番古い日付は25年以上前だ。その頃はまだCDもやっと規格化されたかどうかという段階で、当然DATやMDなどが世に出るのはまだまだ先の話。録音をし続ける苦労は相当なものであったろう。OPEの主要な演奏の全てがこれらに収められている。FUJIさんがメンバーでなければ、少なくとも初期の演奏は記録として存在しなかったに違いない。(以上、ナレーション森本レオ。田口トモロヲでも可)

 さてさて、愚かな私が勢いに任せた使命感に燃えて「全集作るどー!」とぶち上げてから既に四年が経過してしまいました。大切なマスターテープも全部FUJIさんから借りっぱなしです。ごめんなさい、ごめんなさい。マリネリス渓谷より深く反省しております。なので、今回の「録」は最終回ということもあって丁寧口調です。でもやっと、第20回記念演奏会までのマスターディスクが完成しました。仕事が休みの12月25日から1月2日までずーーーーーーーーーーーーーーーーっと部屋に引きこもり、ただひたすら、イコライジング、リテイク、レベル調整、リテイク、リテイク、ダビング、リテイク、リテイク、リテイク、編集、リテイク、リテイク、リテイク、リテイク、一回分のマスター完成・・・・・・という作業を延々と、それはもう延々と繰り返して、それでも休み中には終わらず、つい先日、ようやくここまでたどり着きました。ジャケット無しでレーベルが真っ白というバージョンでよければすぐにでもご用意できるのですが、一応それなりの体裁(←ワタシ的には市販可能レベル、と言いたいところですが、演奏会の受付等で販売可能なレベルをいいます。販売予定はありませんが)を整えたいので、ま、もうちょっと待っておくんなせえ。

 始めの頃の録音はさすがに状態が厳しくて苦労しました。中にはオリジナルがアナログ録音で片チャンネルが死んでいたものもあったので、モノラルに編集したり。それらも含めて私個人の好みでS/Nのバランスや聞こえやすさを追求し、近年の状態のよい録音に関しても、ほぼすべての回になんらかの手を加えてあります。しかしここまでの道のりは自分で言うのもなんですが、並大抵のものではありませんでした。なにしろまず機材がいろいろと必要です。前出のポータブルDATは買ってあったものの、大元のテープを使ってプレイバックを繰り返して、もしテープが絡んでしまったら一発で貴重な録音はオシャカであります。そんなことになったらおそらくその瞬間、映画「ゴッドファーザーPARTIII」のクライマックスシーンのマイケル・コルレオーネみたいに、悲痛極まりない悲鳴を上げたいけど声がなかなか出せない、といった感じの状況になりかねません。そこでまず、マスターのバックアップに取り掛かりました。ポータブルには同軸デジタル入出力があるので、同じく同軸デジタル端子装備の据置型DATデッキをネットオークションで落札しました。

 デジタルコピーで全てのテープのバックアップを作りつつ、さらに全ての曲の演奏の時間(曲間や拍手も含めて)を把握しつつ、全集の構成を考えます。これも実に苦労しました。自分自身が参加している演奏会ならなんとなくでも割と流れを覚えていましたが、それ以前となるとほとんど手探り状態です。ディスク2枚収納の10ミリジュエルケース一つを一巻としたかったのですが、何も考えずに全ての演奏をCD2枚組すると全25巻50枚組になります。しかし極力ムダを排するのをモットーとしているおとのさま(録-ROKU- 第2話「テレビ録画」を参照)、一枚のディスクに収まるものは一枚にまとめ、しかしそうすると同じ回のCDが違うケースに分かれて収納されるようになったりして・・・。このあたりはA型人間としては譲れません。果たしてなんとか、ちょっと演奏年が前後する部分が出来てしまいましたが、全18巻36枚組という構成に落ち着きました。この構成が固まったのは、電脳部夫妻が広島でホワイトアウトごっこをしていた4年前の正月でした。この時もほとんど寝ないで作業したなあ・・・その超寝不足状態で「モカダルマ」なんてシャレたネーミングを思い付くなんて・・・ナイス、俺!

 次にCDレコーダーが必要です。当時はまだまだアナクロ人間バリバリで、CDを焼けるパソコンも持ってなかったので、これまたオークションにて、今度は新品の、ダビングもできる民生用ダブルCDレコーダーを購入。あとはマスターディスクを作ってバンバン焼くだけだべ、と気軽に考えていたのですが、ところがどっこいこのレコーダー、音質はそれなりに満足のいくものだったのですが、ぢつはとんでもないおバカさんだったのです。

 それが発覚したのは、我が朋友よっちゃんの妹emiちゃん(ピアニストです)から、DATで録音された帰国記念リサイタルのCD化を頼まれた時でありました。当然ピアノ演奏ですからポップス等と違ってピアニッシモの部分がたくさんあります。DATからCDレコーダーに光デジタル接続でコピーしている最中に、静か〜〜〜な部分がしばらく続くと、勝手に曲間と判断してオートで止まっちまいやがったんよ、このバカレコーダーわっっ!何度やっても結果は同じ。アナログ接続でやり直してもムダでした。しかも隅々までマニュアル読んでもそのオートストップ機能を解除する方法はどこにもナッシング!なんじゃこりゃあああああ!!ざけんなよテ○○ック!!!結局事情を話して、とりあえずemiちゃんには「ごめん、オラにはできねえ(泣)。そのうち必ずなんとかすっから」と断りを入れました。それはまあゆーても頼まれ物ですから、どうでもよくはないんだけどとりあえず横っちょに置いといて、ですね。

・・・・・・・・・ぜっぜっぜっ・・・全集どおしよおおお!?



                    
                    といいところで余韻を残して オ・ワ・リ



ウソウソ。後編へつづく


2006/01/22 16:20