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録−ROKU− 
最終話「岡山多声音楽演奏団大全」 完結編

otonosama

2006/02/22 10:53

 スタンドアローンでライヴ録音、イコライジング、編集、CDバーニングまでできるマシンを持ってれば、便利だよなあ・・・・・・メディアもデータ用にしないと値段が跳ね上がるし、やっぱ業務用か・・・・・・とりあえず、テメーわドナドナじゃい!てなワケで、買って間も無いダブルCDレコーダーは、その寿命を全うすることもなく、ネットオークションで売られていったのでした。それも買った時とほとんど同じ値段で・・・・・・合唱。違った、合掌。

 次に私が目を付けたのは、CD−Rドライブ内蔵のマルチトラックレコーダー(MTR)です。YAMAHAとかKORGとかZOOMとか、いろんなメーカーから多種多様なマシンが出てますが、価格と機能装備のバランス、なんとか苦痛を感じずに持ち運びができそう、という理由でFOSTEXのVF80を購入。同軸デジタル端子、40GBのHDDも搭載されており、そこに音楽を貯め込んで編集、CD作成までできるスグレモノです。あらら、最初から買ってりゃ据置のDATデッキなんかいらなかったぢゃん?そう思いました。しかし、大変遺憾ながら私、使いこなそうという気力が、そのスグレモノに対して湧きませんでした。

 フツーのオーディオ機器だったら、取説を見なくてもある程度は感覚で使いこなせますよね?でもね、そのVF80というマシンは私にとって「ワケわかんな〜い(はあと)」なシロモノだったのでございます。めちゃめちゃ多機能なのに、業務用なんで取説も全然親切じゃない。しかもコストの関係でしょう、ディスプレイが安物の家庭用FAX並でこれまたツライ。それでもせっかく買ったんだから何とかがんばろうと思ったりもしたんですが、こりゃいよいよアカン、と思ったのは、我がぼすの生徒たちのピアノ発表会でVF80を使って試しに録音をした時でした。DA−P1と同じようにファンタム電源も内蔵なんで、同じようにセッティングして同じように録音しようとしたのに、レベル合わせがめっちゃシビア!でもって既に三十路を迎えていた私の頭に、分厚い取説の内容が入ってくる事も無く、編集もやりにくいー。こいつはクラシック系演奏会の録音には不向き・・・という事が判明。

 ごめんね、君はとってもイイヒトなんだけど・・・君を使いこなせそうに無い甲斐性ナシの私を許してくれるかい?

 てなわけで、VF80もドナドナしました。それにしてもDATの段階でそんなに細かい編集が出来ないんだから、MD並の編集機能を持つCDレコーダーが必要だよなあ・・・。探してみるとありました。YAMAHAのHDDを搭載したCDレコーダーが。一旦HDDに取り込んでしまえば、0.013秒単位で編集ポイントは指定できるし、フェードインフェードアウトも可能。好きなだけ編集した後でCD−Rに焼けば、めでたくマスターディスクの出来上がりっ!CD複製もドナドナしたダブルCDレコーダーよりも素早くできる、これまたスグレモノです。これに加えて、聴き取りづらかったり、やたらノイズが多い録音の補正をするべく、オークションでグラフィックイコライザーを探し出して購入。DATの出力をグライコで補正し、レベル調整をしつつHDDに録音。それを編集してCD−Rに焼く、という工程がようやく確立したのであります。

 さて、次はメディアの選定です。音楽用CD−Rなんか使ってたら、それこそいくらかかるかわかったもんじゃない(今はビデオ用のDVD−Rの方が安いぞ)んで、量産型は当然データ用です。ちなみに私とFUJIさんが持つマスターは、シャア専用・・・いや、違った、AXIAの「CD−R PRO for Audio」というハイエンドディスクです。これまた初めて演奏会拝聴で上京した時にまとめ買いしたものです。四年も引っ張ったんで、その間に当然録音テープの数が増え、途中で数が足りなくなったのですが、今はもうカタログにも載ってなくて入手不可なんで、FUJIさんの分は全てAXIAで統一。私の分は第15回からTDKのセオリー(これの方が高い)に切り替えました。今はさらに高いマスター用ディスクが三菱化学メディアから出てます。その値段に見合う性能、というか違いがあるのかどうかはわかりませんが。

 メディアによる音の違いは、雑誌に色々書かれていたのを参考にする程度で、今まで検証したことはありませんでしたが、今回はやってみました。TDK、maxell、SONY、太陽誘電、三菱化学、imation、の6ブランド。以下はあくまで私の主観による感想です。ソースは私自身が録音したOPE渾身のクリスマスオラトリオです。

 TDKは昔から好きなブランドで多用していましたが、CD−Rの音はイマイチ。中音域が苦手な感じでトランペットやティンパニの音がちょっと耳に優しくない。多分これはドンシャリのポップス向き。maxellはなかなかいい感じ。レンジ感がよく自然な音が鳴る。が、ちょっと値段が高め。SONYは悪くはないけど、低音はTDK的なのに高音の艶が無い。太陽誘電はSONYの逆で低音が頼りない。三菱化学はmaxell同様なかなかいい感じ。高音も低音も素直に伸びて聴こえる。imationも割と悪くない。ただ他のメジャーブランドの値段が下がってきているので、魅力は無いかな?試聴の結果はmaxell、三菱化学の二つが候補に。

 しかし、もう一つ重要な要素があります。耐久性というヤツです。私が取った方法は、黒く塗ったコンパネの上にディスクを固定し、真夏の快晴の日に信号面を屋外で直接天日に曝露し、高温と紫外線にどのくらい耐えられるのかといったモノです。のべ10日間曝してそれでも読み取りが支障なく行えるようなら、日常生活ではまず問題無かろう、と。結果をいうと、実は全てのブランドで読み取りはできました。しかし、フタロシアニン系ディスクは信号面の色の変化がかなり激しく、ちょっと不安。一番変化が少なかったのは、独自のアゾ色素を採用する三菱化学。音質もよさげだし、全集のメディアは三菱化学に決定しました。安く入手できたのでありがたかったなあ。

・・・・・・え?そこまでする必要があるのかって?

おだまりっ!このくらいやんないとアタシの気が済まないのよっ!キーーーーッ!!

 もうここまでやっちゃったんで、トップローディング方式のCDデュプリケーターも買ったですよ。すんごい音がウルサイ(マジで機械が飛ぶんじゃないかと思った)んだけど、5分くらいで一枚焼けるからなかなか重宝しそう。PC(VAIO タイプV)でやろうかと思ったんだけど、PCのドライブってディスクの出し入れしにくいでしょ?大切なマスターにキズでも付けた日にゃ、バック・トゥ・ザ・フューチャーのクライマックスシーンで電線が抜けちゃった時のドク・ブラウンみたいに悲鳴なんか上げちゃいそうなんで・・・。

 さてさて、もうディスクの中身は完成したんですけど、レーベルとジャケットがまだまだこれからなんよね。今日(水曜)休みなんで朝からやってんだけどさー。よーーーーーーくわかったんだよ。

 俺ってばデザインセンス、無さすぎっ!!!

 ま、まあ近々完成すると思うからさ、もうちょっとだけ待っててね。


        ココロの声
          ↓
(終わりが見えねえ・・・ダレカタスケテ・・・・)

「録」 おしまい


2006/02/22 10:53