銚子便り
(第6便)
− 銚子の夏:その2 −
TAKAちゃん
2004/11/29 20:24
銚子でもほかの地方と同じように市をあげての夏祭りがある。毎年8月の第 1土曜・日曜に決まっているそうで、今年は7・8日の両日開催された。今回は40回にあたるそうで駅前通を利根川に突き当たったあたりがメイン会場のようで、駅前から通りの両側に露店でにぎわっていた。1日目は夕方から「やっぺおどり」があった。一種の盆踊りであり、阿波踊りなどと同じように町内会や企業の「連」が多数でて、約1時間踊りを繰り広げる。わが大学は今回は参加していなかったが、来年からは参加したらどうだろう。ヘルニアに悩むボクは遠慮しておくが。
踊りの後は、各地恒例の花火大会である。花火は利根川に浮かべられた台船から打ち上げられる。その場所が、何とボクのマンションの、それもボクの部屋の正面なのである。ボクは夕食を用意して出窓の上に置き、花火ビールとしゃれ込んだ。部屋の電灯を落として花火を見ながらのビールは格別であった。これだけでも、このマンションを選んだ甲斐があったというものである。
ところで、わがマンションは利根川の南側にある。利根川が千葉県と茨城県の県境であり、銚子市さらには千葉県がその南側であるのだから当然の話である。一般に、あるいは当然に、日本の住居は南側に向いて建てられている。わがマンションもご多分に漏れず、南側がベランダで北側が外廊下である。つまり、花火を楽しんでいる出窓は北側だから廊下に面している。当然のことながら、廊下を歩くひとからは丸見えである。最上階だから(マンションならどこでも同じだろうが)普段は同階の人しか通らないのだから全く問題はない(可能性のある住人は2世帯しかない)。初めのうちは誰も通らず、ゆったりと花火とビールを味わっていた。
ところが、しばらくするとなにやら人の声が聞こえてきた。曰く「やっぱり10階は眺めが良いね」「ここ真正面だから見事だね」。やがて、ボクの目の前に数人の住人だか住人の親戚やらが現れてきた。ボクが電灯を落としていたので、ボクがいることには、気がつかなかったようだ。そりゃ、花火を見るために来たのだから、関心は花火のほう(北側)に向いているに決まっている。後ろ(南側、ボクのいる部屋)には最後まで目を向けなかった。
ボクは、花火と数人の男女の背中とお尻を眺めながら、花火ビールを楽しんだ。来年は、廊下にテーブルでも出して、友人を呼んでビールを楽しむことにでもしよう。それなら、人にじゃまされることもないだろうと思いながら。
2004/11/29 20:24