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わからん人たち
oni

2004/08/04 21:50

 職業柄,児童理解とか,教育相談などの研修を受けて他人を受け入れることが大事なことはわかっているつもり・・・。でも私は凡人,現実はそう簡単にはいかないのです。
 嘉門達夫風に,ネタを箇条書きしていこう。

・朝起きてすぐにパクパク食べられる人。

 わからんと同時にうらやましい。私はただその日の午前中の仕事に支障が出ないようにするために食欲のわかない体をむち打って,空腹の時ならさぞおいしいであろうトーストや果物をひたすら詰め込んでいくのだ。子供のときからそうである。

・服やら時計やらを見てブランド名をすぐに言い当てる人。

 どこで勉強してらっしゃるんでしょう?その意欲があれば,もっと役に立つことにも・・・と思っていたら,自分がアメフットの攻撃フォーメーションを見るなり即わかっちゃうのと一緒か,と気づいた。好きなことって苦にならずにすぐにいつでも勉強できちゃうんですよね。それなら,コラールの歌詞一つでも覚えろって声聞こえそうだからこの辺にしとこう。

・「このお宝いくら」と値段つけてもらったり,昔ありましたねえ,競売の番組。そんなのを喜んで見る人たち。

 いくらになったからって,別にどーでもいいじゃない,と思っている私はおかしい?
まあ,出てくる品物自体に興味があるのならわかるのですが,そうではなくて品物は何でもいいから値段がいくらになるかと言うことに興味がある(このあたりブランドに固執する人たちにも共通するか)ということが「わからん」

・某金満球団の野球が好きだという人

 あれを野球とは言わない!そしてああいうおもしろくも何ともない野球をするチームを応援する人たちのきもちが「わからん」

・ 年賀はがきを受付の日の朝に並んでまで出そうとしている人たち

 よく,地方版のニュースに出てますね,バックにクレドビルなんか映ってたりして・・・。言わせてもらいましょう・・・「おひまなんですねえ」
と,失礼。これは年末まであくせく働かなければならない貧乏人のやっかみです。だいたい私は(女房も),仕事が片づくのが御用納めの日,それから昼間に自分の家のことをして,夜に年賀状を書くという年末の過ごし方,とてもじゃないが受付開始の12月半ばなんてそちらの方へ使う時間もエネルギーもない。でも,そんな方々は,時間を上手に使ってらっしゃるのかもしれない。だから頭を下げながらこういう言い方した方が適切かな?
「時間の使い方教えてください。」
 ついでに真ちゃん,この場を借りて予約しときます。今年は200枚ほど確保しといてください。・・・外部の方ごめんなさい。

・ドタバタ系の漫才見て喜んでる方。

 わらうのにも必然性が要ります。とつぜんわけのわからんギャグをかまされてもねえ。やはり「自分にも覚えがある」とか「自分もそう思ってたんや」とつい,にんまりするような身近な題材でいいからネタをしっかり探してねらんかい!・・・とえらそうに言う私はお笑い脚本家でも何でもありません。まあ,趣味の問題でしょうか。

・オペラ(特に19世紀以降に作られたイタリアもの)とか3大テノールとかがいいと言われる方

 割合幅広く音楽を聴く方だと思っています。一応合唱やってて,しかもテノールやってるんですが・・・どうしても受け入れられない。あの声の出し方,全然美しいと思えないのです。なんか胃袋がひっくり返るような感じで気持ち悪くなるのです。しかも,荒唐無稽なストーリー・・・何で芸術と位置づけられているのかがよくわからない・・・。オペラファンのみなさん,ごめんなさい。あれがわからんのかとお叱りは甘んじて受けます。これまた,ただ単に趣味の問題だと思うんです。

・ 毎年年末に同じ曲歌う人

 何の曲かはあえて言いません。
 わからないと言いながら実はよーくわかるのです。その人たちは,これを音楽の作品の演奏としてではなくお正月が来たから締め縄を飾ろうという感じで取り組んでらっしゃるのだと思うのです。1年の最後の日におそばを食べないと年末の感じがしないのと同じように,あの作品を歌わないと年が越せないと感じてらっしゃるのでしょう。その点はわかります。私もご飯には必ず梅干しか,納豆ですから。(例が卑近すぎてごめんなさい。)
 でも,ことが音楽に関係するだけに一言・・・。本当に音楽をやりたい,合唱をやりたいと思うのであれば,オーケストラと競演するのならば次は違う曲をやろうという楽しみが出てきて,どんどん音楽活動として広がりが出てくるはずなのです。
 それが証拠に,日本のあちこちでそうした広がりが見られるでしょうか,うちみたいにちっぽけでもいい,古典やバロックやロマン派など内容は何でもいいから,また地味でもいいから演奏し続けていく団体どれだけあるでしょうか。年末に日本のあちこちで演奏されている割には実に少ないと思いませんか。で,いつまでたってもあの曲。もったいないと思うと同時に,日本における合唱文化の線の細さを物語る象徴的な現象だと思えて仕方がないのです。年に1回あの曲を歌う演奏会があるからといってその地方の音楽文化のレベルは高いなんてこと言うのは早計です。
 え,「蛍の光」のことで,なんでそこまで言うんだ,って?
 そうそう,日本人なら大晦日に紅白の後歌うものね,・・・違うって!
 本当にわからない方はこっそり尋ねてください。優しく教えて差し上げます。

 今回は,かなり言いたい放題でごめんなさい。
 ただこれを書きながら,「わからん」からって即,受け入れることをやめたらいかんかなと思いました。言ってみれば百人いれば百通りの価値観があるわけで,それを不快に感ずるのでなく,あたらしい発見をしたりや考え方を知ったりして,むしろ相互理解のきっかけとして楽しめるようになったらいいなと思ったりしたのでした。
 おっと「最後は無理矢理まとめて,いい子になったな。」と感じた方,当たりです。(笑)でも半分くらいは,書くうちに「ああ,そうだったのか」とわかってきたんですよ,ほんとに,信じてください!


2004/08/04 21:50