BCJの『ヨハネ受難曲』を聴いて
(2000/08/10)


000年の今年はJ.S.バッハの没後250年。命日の7月28日は多くのバッハのプログラムが放送されました。
7月28日の夜、東京サントリーホールでのバッハ・コレギウム・ジャパン(BCJ)演奏『ヨハネ受難曲』の生中継をNHK−FMで聴きました。昨年、私たちOPEが果敢にも(?)挑戦した『ヨハネ』ですが、改めて聴くと言葉では表現が困難な「想い」が私の心に湧いてきます。それは、昨年の自分の演奏を思い返して、特別に感じるといったものでもありませんでした。
では、どんな「想い」か。その「想い」は『ヨハネ受難曲』の、そしてJ.S.バッハが持つ「普遍性」ではないか。
それならば、その「普遍性」とは何んなのでしょう。
その時、『ヨハネ』の最終コラールでBCJはこう演奏したのです。

 "Herr Jesu Christ,"

この演奏で唯一と思われる長いフェルマータ(それともテヌートと言った方が良いのでしょうか)。バッハがいいたかったこと(と言うよりもバッハの叫び)はこれだったのだと、鈴木雅明さんとBCJが伝えてくれたような気持ちになった、演奏でした。

…次に歌う時には、この「想い」が表現できればと思うのですが、はてさて…。

【TAKA−C】


2002/01/20 10:48