セピオさま通信 その1


 めまして、僕は5月25日生まれのロングヘアー・ミニチュア・ダックスフントの子犬です。毛色はレッドですが、見た目にはやや黒の混ざった焦げ茶色といったところです。写真をご覧下さい。どうです、男前の上品な色でしょう。僕の自慢の一つです。

 7月4日に現在のご主人(家の中ではブーチャンと呼ばれているようなのですが、一応気を使って以後ご主人と呼ぶことにします)に連れられてこの家にやってきました。
 名前は『セピオ』と付けられました。名前の由来は、我が家の旦那様が大学で研究している粘土鉱物とやらの『セピオライト』からとったのだそうです。他犬にも余りない名前だし、なかなか気品もあって、大いに気に入っています。
 この旦那様は某私立大学の鉱物学の教授のようですが、合唱が趣味というか、第二の本業だそうです。仲間からは「TAKAちゃんせんせー」などと呼ばれてご満悦のようです。このような生活を、人様の世界では「二足の草鞋」というのだそうですが、どう見ても足は2本しかありません。どうやって、草鞋を2足履くのか今度聞いてみたいと思っていますが、とにかく、人様のやることなすこと、我々犬族にとっては、特に生後間もない僕にとっては不思議なことが多すぎます。でも、逆らうと食事にありつけなくなりそうなので、じっくり観察していきたいと思っています。
 僕のご主人は、何とかという会社の総務部にお勤めです。一応社長秘書ということになっているようですが、典型的な秘書兼こづかいという、中小企業のようです。でも、ペットショップもやっているようで、僕の食料や身の回りのものは、そこで調達しているようです。いつも帰りが遅く、遊んでくれる時間が少なくて、寂しい思いをしています。たまの休みには、僕の横で僕より先に寝てしまい、呼んでも起きてくれないことがあります。そんなときは仕方がないので僕も寝てしまいます。
 奥様(BOOKAちゃんと呼ばれているようですが、僕には恐ろしくてとても呼べません)は、予備校(何で人様はそんなに勉強にあくせくしているのか。これも犬族から見た不思議の一つです)の教師と、教会の婦人会か何かの仕事をしているようで、外出がちです。結局、昼間は一犬で留守番をさせられることが良くあります。
 そのほかに、ご主人の妹さんがいるようで、話には時々出てきますが、まだ会ったことがありません。何でも夏休みとか言うものがあるそうで、近い内に会えるようです。今から楽しみです。
 いろいろと不満めいたことも言いましたが、この家に人たちは、大変良い人たちです。それに、時々、いや、しばしば訪れる友人・知人たちもまたみんな良い人たちです。僕は、本当に良い家で住むことになって幸せ犬だと思っています。

 そんなわけで、これから時々僕の日記からいろいろな出来事を綴ってみたいと思います。気が向いたら読んでみて下さい。


2002/01/20 10:48