SUPERIOR ROCK ALBUM DEPARTMENT
FOREIGN SUPERIOR ROCK ALBUM SECTION
The Stranglers 「Black & White」 ごりまつ
東芝EMI TOCP-53276
アルバム・ジャケットから、黒ずくめで仏頂面の4人の男達が俺に語る。
「おう、坊主・・耳クソ(雑音)かっぽじって、俺達の音を聴いてみな!」
B面(ブラック・サイド)に針を落としたとたん、いきなりスピーカーからは男達の攻撃が始まる。
「夜を告げる鐘」・・
乾いたギターの音が始まりを告げる。
「いくぜ!坊主!!」
「あぁ..」
避ける間もなく、大音量で弾け飛ぶベース音に心を射抜かれた俺。
「ちゃんと聴いてんのか!」
「ひぃ..」
挑発的な歌声は目の前で鋭利な刃物を振り回されているようだ。
「どうした?坊主!!」
「うぅ..」
目を丸くしたまま心を射抜かれ、神経を切り刻まれていく俺を嘲笑うかのようにキーボードの音がカラカラと疾走していく。
「・・・」
「・・・」
淡々とリズムを刻みつつ、冷ややかに俺を見つめる髭面のオッサンに羞恥心までも煽られ、とどめを刺れてしまった俺。
男達の重く激しい乱れ撃ちは見事に全弾命中!それはA面(ホワイト・サイド)でも同じ。最終曲「トイラー・オン・ザ・シー
」(CDではホワイト・サイドから並んでいるので、中間に位置しているが..
)に到るまで攻撃に曝され続け、俺の心は音にいたぶられる快感に打ちひしがれてしまった。
もう20年以上も昔の話になるが、当時のムーブメントの中、パンクバンドとして独自の地位を確立し、レコードセールスにも成功した理由もうなずける奴らの音を、そしてメッセージを聴き返してみるのも悪くない。同時期に出された「ライブ X・サーツ」も含め、当時を知らない若い世代にお勧めできるパンク・アルバムだ。
ザ・ストラングラーズ 「ブラック&ホワイト」
ヒュー・コーンウェル(vo、g)
ジャン・ジャック・バーネル(vo、b)
デイブ・グリーンフィールド
(key)
ジェット・ブラック(ds)
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