SUPERIOR ROCK ALBUM DEPARTMENT
FOREIGN SUPERIOR ROCK ALBUM SECTION
Old Skull / Get Outta School
Restless
< スティーヴ・コバーン > |
この3人組は、凄い。なんてったってアイドルじゃなくて、ガキどもなのである。しかも平均年齢9歳! だけど歌っている内容は「ホームレス」や「AIDS」といったアメリカ社会の現実を、そして、レーガン政権批判まで展開し、ただ者ではないことを知らしめた。
特に圧巻は冒頭「ホームレス」に最後に「ロナルド・レーガンあんたを憎むぜ」という詞は強烈に心の中に突き刺さる。演奏は、ギター、キーボード、ドラムという若干の変速トリオ編成であるが、これが妙な一体感があり、シャウトも子供なので、結構高い声が出ていて、迫力がある。ジャケット写真を見る限り、やんちゃなガキどもという印象であるが、どうしてなかなか侮れない。子供だと思って甘く見たら痛い目に遭うぞ! 彼らが早すぎた子供のロックバンドと言っても良いと思う。1989年のことである。
それにしても、最近思うのは、ロックでも、J−POPでもそうだけど、こういう遊び心に満ちた作品を作る人が少なくなって残念だということである。良い作品、面白い作品、素晴らしい作品を作るのも良し、実験的な作品を作るのもかまわない。だけど、たまには、こういう作品も世に出してほしい、自然体でありながら、おちゃらけた感じで作ったら、非常にレベルの高い作品が出来たと言うことがあっても良い。ユーモアを忘れてはいけない、ということである。とにかく、興味のある人は聴いて頂きたい。彼らは、他にもう一枚アルバムを出し、解散したようである。グランジがブレイクする前の作品であるだけに、もっと評価されてしかるべき作品であると思う。彼らは今、どうしているのかな? プッシー・ガロアの子供版という見方も出来るけど、それはあまりにも安直であろう。まだまだ、80年代アメリカン・アンダーグラウンドシーンのロックには埋もれた作品がたくさんある。これからも色々な作品を紹介していきたいと思っている。