ROCK ARTISTS BIOGRAPHICAL DEPARTMENTFOREIGN
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キャプテン・ビーフハート(Captain Beefheart)
「美は乱調にあり」 松田裕之
80年代ぐらいまでだと、サブカル好きな奴ってのは一目で分かったもんだが、90年ぐらいを転機としてさっぱり区別が付かなくなった。あれだけ居たニューウェーブ少年少女や不思議ちゃんは何処へ行ったのやら・・・。オタクという言葉が差別的に用いられ、センスだとかファッション性が奇妙なぐらい重要視される時代になったわけだが、何がセンスのいい選択なんて、その実、溢れんばかりのカタログ化された情報から自ずと正解が分かるように仕組まれているのであります。そうなると「みんな同じ」ような感じになるのは自明の理であるのだが、ジャンルは細分化されてるから組合せの違いで「私って個性的でセンスいい!」なんてほざきやがるが、笑止である。
ダサイとかダサクないってのが全てみたいな物言いの奴らは「個性化の時代」なんて言葉に慄然として安心を得ようとしてるんだな。メインストリームに居る安心感って凄いからね。戦後多数決的民主主義教育が花開いたわけですな。その結果音楽的にはハウツー本のような分かりやすいものが受けるようになった。これは泣ける曲、これは踊れる曲。すぐに分類できて、よっしゃあ分かったて奴。うん、格好ええよ。君ら。
キャプテン・ビーフハートというおっさんは、彼らには「狂気」という一言で済まされてしまう。たとえオリジナリティに溢れていようが、耳障りの悪くて難解な音楽はすべて馴染めない音として分類されて排斥しようとする。自分の価値観を全てコマーシャリズムにゆだねてしまったアホどもには到底分からないだろう。ザッパと友達だったとか、生活落伍者だとか表層的な部分だけで評価してりゃいい。情報としてね。ついでに「トラウトマスク・レプリカ」なんか聴いておくのもいいかもよ。
キャプテン・ビーフハート「美は乱調にあり」 Captain Beefheart「Doc At The Rader Station」 Virgin - ASIN: B000025JS6 |
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キャプテン・ビーフハート「ミラーマン」 Captain Beefheart「Mirror Man」 Imports - ASIN: B00000J7A4 |