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リックデリンジャー 

「望むモッキンバード再び!」
      Pantetsu


今になって「俺はブルース・ギタリストだ!」なんて偉そうな事言って、どーにもならないクズCDを発表しているリック・デリンジャーだが、昔はめっぽうカッコ良いハードロック・ギターを弾いていた。とにかくインチキ臭いと言うか、スタイルに一貫性が無く、音楽の方向が真っ直ぐ前を見ていないのがリック・デリンジャーを一流にしない原因なのか?マッコイズは一発屋アイドルバンドだし、ジョニー・ウインターと組んでも中途半端だし、エドカー・ウインターとグラムロックのファッションかと思えば、自分名義のデリンジャーではハードロックに徹し、後半は3人でソリッドにポリス風になったりして、歳取ったからって今度はブルースかよ。どの時代にも、どのスタイルにも本物は存在し、それに対してファンは付いて行くのであるが、時代に合わせるようにスタイルを変えていく姿には幻滅したし、いつまでも勘違いしている人だ。

そんな勘違い男のリックデリンジャーが自分の名前をバンド名にした時期がある。時代は「キッス」「エアロスミス」「クイーン」なんかが登場しロック市場がポップに盛り上がっている頃である。又してもリックデリンジャーは「ポストOOの本命」的な要素で登場したのだ。確かに若かりし頃は女と見間違えるほどに綺麗な顔立ちだったので、流行のアイドルロックとしても受け入れられるかと思ったが、やっぱりヘナチョコな声で歌っても世の中の女の子は振り向いてくれなかったらしく、商業的に成功と言えるべき結果ではなかったと思っている。やっぱり自分の顔と名前で勝負しようなんて勘違いの最たるものだったのである。

しかし、このバンドの1stアルバム「デリンジャー革命」は、すこぶる素晴らしいアルバムだ。人気のジャックダグラスを起用し、いかにもハードロックって感じに仕上がっている。とにかくリックの特徴である「ポップ感」と、時代の求めていた「ポップ」とは大きな開きが有ったが、ロックギター・バンドとして他に類を見ない壮絶なギターバトルのオンパレードは、私にとって大きな期待を抱かせるものだった。とにかく咽るくらいに弾きまくるのだ、バンドはツインリードなので交互にマシンガンの如くフレーズが繰り出され、アメリカンロック・ギターの全てがこのアルバムには詰まっており、ある種、ロックギター教則的意味合いを兼ね備えているのだ!そうだ!リックよ!このまま爆走するのだ-!と思った矢先。LIVE盤をリリース後、大失速を始める。やっぱりダメだったか・・・・そして全てのメンバーを変え、音楽スタイルも変えた新生「デリンジャー」は一枚のアルバムを残して消えた。どうしても二流だ・・・

二流の中の一流を証明するエピソードだが、人気絶頂だったマイケルジャクソンの「ビートイット」のギターソロはE・バンヘイレンだが、そのパロデイ、アルヤンコビックの「イートイット」のギターソロはR・デリンジャーである。なんとPVにまで顔を出している・・・・これはR・デリンジャーを象徴する出来事であり私はファンとして悲しみで一杯になった。

そして気が付いた時にはブルースマンと化し、自分をS・レイボーンと同等かの様な勘違いに陥っていたのである。R・デリンジャーの魅力は何と言ってもPOPな曲と、力任せの高速ギターに有る。彼の名作「オール・アメリカンボーイ」や「デリンジャー革命」の路線を自身をもって継続していれば今ごろはもっと偉大なミュージシャンとして君臨していたと思うと切なくなる・・・・

「デリンジャー革命/Derringer」 Derringer / デリンジャー 
「デリンジャー革命 / Derringer」
ロックギター小憎なら誰でも骨抜きにされてしまう怒涛のフレーズと畳掛けるようなリフの数々。これ以上にポップでギター弾きまくりなアルバムは世の中に無い!リック・デリンジャー渾身のポップでハードなR&Rアルバム。しかし、悲しい事にハードロック・ファンからは無視される。
「デリンジャー・ライブ/Derringer Live」 Derringer / デリンジャー 
「デリンジャー・ライブ / Derringer Live」
高速ツインリードギターが全編を駆け抜ける、ハードロックギターバカの為に作られたような狂喜の爆走ライブアルバム!こーゆー明るいハードロックって近年皆無に等しいよ。とにかくリック・デリンジャーが最も爆発しているアルバムだ!しかし、又もやハードロック・ファンからは無視される。
「ロマンティック・シューター/If I Weren't So Romantic, I'd Shoot」 Derringer / デリンジャー 
「ロマンティック・シューター
If I Weren't So Romantic, I'd Shoot」
 バンド名義四枚目の本作はハードロックから大きく離れ、激しく中途半端な作品となるが、実はこれこそがリック・デリンジャーなのです!従来のリックのソロに近い仕上がりで良曲多し!当然ハードロック・ファン以上に世の中からも無視される。しかし秀作。
「オールアメリカンボーイ/All American Boy」 Rick Derringer / リックデリンジャー 
「オールアメリカンボーイ/All American Boy」
 
SRCS-6185
代表曲「R&Rフーチークー」を含むロックの名盤。
しかし、彼のギターは前面に出る事無く、あくまで楽曲を主として作られているので、
彼のギターを期待して聴くと若干がっかりするかも。
とにかく私はジャケットがたまらなく好きだ!




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