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ラズベリーズ  

「王道はB級と言われても良い」
   Pantetsu

私はラーメンが嫌いだ。正確に言うとラーメンを語るマニアや偉そうな態度の主人が居るようなラーメン屋が嫌いであり、喰うのが嫌いなわけでは無い。確かに美味い物を作るために日夜努力を惜しまずに研究と試行錯誤を繰り返している職人を否定するつもりも無い。たかがラーメンで偉そうなのが嫌いなのだ。やはりラーメンなんてB級食品として捉えられる物であって、絶対に高尚になってはいけないのだ。

しかし、B級って言葉は悪くない。確実に人を捕らえる力が有る優良でなければB級として認知されないし、ある意味、絶対多数の升の中で大衆的でありながら特筆すべき能力が無ければいけない。完璧に王道を歩む事によって若干の没個性ゆえに一線を越える事は難しいが、品質としてはA級を越える事すら多々有り、B級の定義は個々に様々な考え方が有ると思うが、私としては決してA級以下との考えは無く、音楽においてもB級バンドと呼ばれるバンドは多いが、確実にコアなファンを獲得しており、実は玄人受けする場合が多い。

私の中では「ラズベリーズ」と「バッド・フィンガー」なんかがB級という意識である。
特にラズベリーズは私的にはB級の象徴とも言うべきバンドである。楽曲はPOPで親しみやすく完璧なメロディを持ち、ロックバンドとして申し分ないエネルギッシュで確実な演奏力、何者にも引けを取らない表現力と声を持つエリック・カルメンのヴォーカル。

何処を取っても問題が無いのである。しかし、その問題の無い優等生がロックとしては大問題なのである。実は前記したようなレベルの高さはロックバンドとして成功する為には全く必要が無いのであり、えてして芸術と言われる物にしても全て同じであり、平均点の高さは受け手へのインパクトにはマイナスなのだ。何かが卓越していれば良いのであり、一つだけ90点であれば、他が20点でも十分に90点をアピール出来るのである。だから結局「良いんだけどねー・・・・デモ何かね〜」って感じがB級なんだよね。器用貧乏とかそんな感じに近いのがB級の定義なのか・・・

そんな訳で、ヒーローに成る事もカリスマになる事も無いが、誠実で優良なバンドであるラズベリーズは素晴らしいのである。正に玄人受けと言うか大人に成ってから聴くと妙に納得できる。若いときには知識量として乏しい為に常に比較して選択していたのだが、歳をとって知識が増えると物事に寛大になれるので色々と気持ちも解り、自分のツボにはまると何でも許せてしまう所が有り、妙に認めてしまったりするのは面白い。しかし、コレは歳を取った事で丸くなったって事とは全然違い、逆に頑固になったって事なのだ。要するにB級バンドは頑固だからB級なのだ。

The Raspberries 「Capitol Collectors Series」 The Raspberries 「Capitol Collectors Series」
 どーでも良いバラード歌手の様な扱いでファンとしては不本意な評価が多いエリック・カルメンだが、バンドでの活動はエネルギッシュにシャウトするロックボーカルから甘いバラードまで素晴らしい唱を披露している。
  絶対的に良質優等生アイドルの感は拭えないが、バンドとしての平均点はかなり高いレベルであり、ロックである事に間違いは無い。ツボを心得ているメンバーなのでハマル人には都合の良いバンドであろう。B級と言われがちだが力量の程は中途半端な物では無く、完成度の高い楽曲が多い。先ずは試しにベスト盤で体験するべし!正直言ってビックリするほど良いバンドである。




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